連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』25 接骨院に通所型サービスを 併設する運動を!
2023.03.24
柔整療養費が毎年100億円規模で減り続けています。私は、柔整業界に30年以上いますが、このような異常事態を経験したことがありません。また、「療養費では経営できない」と言って、自費治療や物販に力を注ぐ接骨院も増え、まるで柔整師が整体師やエステシャンであるかのようになっていて、この業界の衰退が日々加速しているように思われます。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』25 接骨院に通所型サービスを 併設する運動を!
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』25 接骨院に通所型サービスを 併設する運動を!
2023.03.24
柔整療養費が毎年100億円規模で減り続けています。私は、柔整業界に30年以上いますが、このような異常事態を経験したことがありません。また、「療養費では経営できない」と言って、自費治療や物販に力を注ぐ接骨院も増え、まるで柔整師が整体師やエステシャンであるかのようになっていて、この業界の衰退が日々加速しているように思われます。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』24 機能訓練で得られた効果を 維持・向上させるために②
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』24 機能訓練で得られた効果を 維持・向上させるために②
2023.01.25
機能訓練を実施し、得られた効果から、利用者の目標が達成された際の喜びは、機能訓練指導員としての醍醐味ですね。しかし、その効果を維持もしくは向上させ、日常生活に定着させるにはもう一工夫必要だと私は考えます。今回は、生活習慣の変容と定着のために、行動心理学的視点から行動療法・行動変容技法を取り入れたアプローチを紹介したいと思います。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』23 機能訓練で得られた効果を 維持・向上させるために①
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』23 機能訓練で得られた効果を 維持・向上させるために①
2022.12.23
これまで本コーナーで、私がお伝えしてきた機能訓練の流れを今一度確認しましょう。
対象者の状態を知るには、まず個別評価を行います。高齢者の生活機能低下を予防するため、体力測定による評価項目が求められます。具体的には「握力」、「開眼片脚立ち時間」、「Timed Up & Go test(TUG)」、「5m歩行」です。これらが対象者の状態を客観的に表し、改善しているか否かを証明してくれる指標になります。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』22 緩和型通所介護事業の 開設の心がけ③
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』22 緩和型通所介護事業の 開設の心がけ③
2022.11.25
今回は、今後の介護保険制度の改正に伴い、介護予防・日常生活支援総合事業の「緩和型通所介護サービス」で何が必要に迫られるかという観点で解説します。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』21 緩和型通所介護事業の 開設の心がけ②
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』21 緩和型通所介護事業の 開設の心がけ②
2022.10.25
今回は、介護予防・日常生活支援総合事業の「緩和型通所介護サービス」の今後の動向について解説します。
令和4年10月現在、財務省の財政制度等審議会は、社会保障制度全体について「検討段階から実施へのカウントダウンが始まっている」との認識の下、様々な議論を行っています。
要支援者に対する訪問介護、通所介護については、「地域の実情に応じた多様な主体による効果的・効率的なサービス提供を行う観点から、地域支援事業へ移行したところ(平成30年3月末に移行が完了)である」としており、要介護1・2への訪問介護・通所介護についても、「生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく地域の実情に合わせた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供を可能にすることが効果的・効率的である。先に述べた地域支援事業の在り方の見直しに取り組みつつ、第9期介護保険事業計画期間に向けて、地域支援事業への移行を検討すべきである」としています。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』20 緩和型通所介護事業の 開設の心がけ①
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』20 緩和型通所介護事業の 開設の心がけ①
2022.09.26
今回から、介護予防・日常生活支援総合事業の「緩和型通所介護サービス」開設時の推奨モデルについて説明していきます。
開設時の基準として、利用者(定員)15名までの場合、管理者1名、介護職員1名の人員配置が設けられ、利用者1人につき3㎡の機能訓練指導室兼食堂及び事務室、洗面所の設置が定められています。私が推奨するモデルは、接骨院・整骨院、鍼灸院などの施術所で15坪以上のテナントが合致します。
開設においては、運営上の導線の確保、サービス提供時間の区切り、提供する時間について工夫が必要です。例えば、施術所の運営時間を9時から18時とします。総合事業の提供時間は9時~11時、14時~16時に設定し、サービス提供日を月曜日から土曜日までとします。15坪程度のテナントであれば、総合事業の定員を午前・午後各10名の設定が可能なため、週6日稼働の場合、120名登録を目指すことができます。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』19 機能訓練プログラムの実際②
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』19 機能訓練プログラムの実際②
2022.08.25
機能訓練では、利用者の身体の状態に合わせて段階的にプログラムを実施する必要があります。今回は、期分けごとに行う機能訓練に着目したいと思います。
運動プログラムにはたくさんの方法がありますが、第1期を「コンディショニング期」、第2期を「筋力持久力増強期」、第3期を「機能的運動期」とする考え方をここでは解説します。このような流れを組むことで、利用者自身が身体の変化を確認でき、目標や達成感など運動意欲の向上を図ることができます。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』18 機能訓練プログラムの実際①
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』18 機能訓練プログラムの実際①
2022.07.25
今回は、個別評価にて掲げた目標の達成に向けた機能訓練プログラムの考え方を解説します。
一般的に、プログラムは安全で安易に行われることが可能な方法で、それを低コストで実施することが大切だと言われています。実際の歩行や基本動作、ADL、QOLの改善に結びつけるためにも、機能訓練指導員による個別の視点は当然求められます。私たち柔整師は運動器治療の専門家として、個別治療を原則とした施術を実施してきました。この専門性を発揮することが特に重要となり、対象者の状態を評価して問題点・留意点の把握を行い、個別の改善すべき機能を明らかにしてテーラーメードの要素を取り入れていくことで、他の機能訓練指導員と一線を画すことができると考えます。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』17 評価の理解②
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』17 評価の理解②
2022.06.24
前回、「機能訓練指導の対象者の状態を知るには何より評価が必要」と伝えました。今回は、高齢者の生活機能低下を予防する対策を考える上で、求められる評価項目(体力測定)とその方法を取り上げます。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』16 評価の理解①
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』16 評価の理解①
2022.05.25
これまで、機能訓練指導の対象者には「加齢変化」に伴い身体機能の低下が出現することを確認しました。また、「加齢による機能動作」も理解しておく必要があることをお伝えしました。
今回からは、対象者の状態を知るための「評価方法」について、機能訓練指導を効果的に実施できるよう解説していきます。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』15 共生型サービスの概要③
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』15 共生型サービスの概要③
2022.04.25
今回は、介護保険と障害福祉のサービスを同一の事業所で一体的に提供できる「共生型サービス」(平成30年度開始)について、実際の現場でのサービス内容を説明します。
私が仙台市内に構える2カ所の「地域密着型通所サービス事業所」は、この共生型サービスの許可を受けていて、生活介護、自立訓練(生活訓練・機能訓練)、児童発達支援、放課後等デイサービスを提供しています。
まず、生活介護(介護給付)は、入浴や排泄、食事などの「介護」、調理や洗濯、掃除をはじめとした「家事支援」、その他の日常生活上で必要な「支援・相談・助言」を行っています。そのほか、創作的な活動、(社会参加を促すための)生産活動の機会提供、そして、身体機能や生活能力の向上のために必要な支援として、レクリエーションや軽い運動の支援などもプログラムに盛り込んでいます。精神面での支援についてもこの生活介護に含まるものと考えています。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』14 共生型サービスの概要②
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』14 共生型サービスの概要②
2022.03.25
前回概要を解説した2018年4月開始の「共生型サービス」について、今回は実際に事業所でサービスを提供する際の基本的な利用の流れを説明します。「共生型」は、介護保険と障害福祉の両サービスを同一事業所で一体的に提供できる特例です。私が運営している仙台市内の「地域密着型通所サービス」は2カ所とも障害福祉(共生型)の指定を受けています。具体的なサービス内容は、生活介護、自立訓練(生活訓練・機能訓練)、児童発達支援、放課後等デイサービスです。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』13 共生型サービスの概要①
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』13 共生型サービスの概要①
2022.02.25
今回は、2018年4月よりスタートした、介護保険と障害福祉にまたがる「共生型サービス」について説明します。
私は、仙台市内に2カ所の地域密着型通所介護の事業所を運営していて、どちらも共生型サービスの指定を受けています。このサービスは、介護保険と障害福祉のサービスを同一の事業所で一体的に提供できるよう創設された特例です。つまり、現在実施している介護保険サービスに加え、障害福祉サービス(生活介護、自立訓練、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス)を実施できるようになります。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』12 機能訓練指導は加齢変化の理解が重要②
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』12 機能訓練指導は加齢変化の理解が重要②
2022.01.25
前回、「加齢変化」に伴い身体機能の低下が、高齢者に出現することを確認しました。何より重篤化させないためには早期の介入が必要ですが、もう1点、加齢による「機能動作」にも注意したいですね。
まずは「反応時間」です。単純動作では著明な低下はありませんが、動作が複雑(運動を選択して実行する課題)になると、時間の延長が著しいと言われています。加齢によって1分間に身体に取り入れられる酸素の最大摂取量(VO2max)は下がり、特に「持久力」が低下します。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』11 機能訓練指導は加齢変化の理解が重要①
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』11 機能訓練指導は加齢変化の理解が重要①
2021.12.24
機能訓練の対象者は、必ず何らかの理由で要支援や要介護に陥ります。疾患や外傷が原因となるケースもありますが、身体機能の「加齢変化」という要素も見逃せない重要な原因となります。よって、まず日常生活における身体の悩みを確認していくべきだと思います。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』10 「目標達成に向けた」視点で!
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』10 「目標達成に向けた」視点で!
2021.11.25
機能訓練指導員は『病気や怪我、高齢など障害を持つ者に対し、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を実施する者』と定義されています。よって、身体機能を向上させ活動や社会参加に結びつけることが重要です。
まず阻害要因には、痛みや筋力低下(出力低下)、関節可動域制限があります。これらへの対応は柔整師、鍼灸師の得意分野であり、専門性を大いに生かせます。しかし、機能訓練指導員の役割は、阻害要因の改善だけでなく、その先にあります。つまり、訓練プログラムを実施し、「参加」(ケアプラン上の目標と同じ場合が多い)を実現させることも重要なのです。つまり、「市内のデパートに買い物に行きたい」や「駅のショッピングセンターに行ってみたい」、「喫茶店に行きたい」、「〇〇に住む孫に会いにいきたい」、「以前のように家事ができるようになりたい」、「温泉に行きたい」など、これら利用者それぞれの目標を達成するためのプログラム立案と実施が求められます。
「一人でデパートに買い物に行く」という目標が設定された場合を例にとると、機能訓練指指導員としては、現在の心身機能・構造レベル、活動レベル、参加レベルにおいて何が問題で課題となっているのか? 買い物へ行く手段は? 目的地までの道のりは? などをアセスメントしていく必要がありますね。
ICF(国際生活機能分類)にて健康状態(変調または病気)が右変形性膝関節症に該当し、 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』9 接骨院併設の緩和型の現状と強み③
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』9 接骨院併設の緩和型の現状と強み③
2021.10.25
施術所でも実施主体となれる「基準緩和型通所介護事業」(緩和型)の運営実態を、私の事業所の実例で紹介してきましたが、今回は利用者の属性、支援プログラム、渉外活動を説明します。
総合事業で契約されている利用者の属性は、前年度で整形外科疾患(脊柱管狭窄症、変形性膝関節症など)が56%、内科疾患(糖尿病、悪性腫瘍など)が34%であり、そのうちMCI(軽度認知障害)あるいは認知症と診断されている利用者が74%を占めていました。介護保険の認定については、事業対象者が32%、要支援1が43%、要支援2が25%。また男女比率は2:8で、平均年齢は85歳でした。
利用者に対する個別支援計画及び支援手順書に関しては、運動器系に対するプログラムや認知症予防に資するプログラム、外出支援計画を企画し、四季折々の感性を得られる支援内容を実施しています。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』8 接骨院併設の緩和型の現状と強み②
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』8 接骨院併設の緩和型の現状と強み②
2021.09.24
前回に続き、施術所でも実施主体となれる「基準緩和型通所介護事業」(緩和型)の運営について取り上げます。介護保険の請求やその流れ、接骨院併設による売上イメージを紹介します。
私の事業所では、介護職員の中でPC操作が得意な者を選抜し、介護保険請求担当者に選任しています。介護保険の請求は、ケアマネジャーらから提供された「サービス提供表」と実際のサービス実績とを照らし合わせて月末にFAXで報告します。一方、総合事業の請求の場合は、月額請求額が包括払いのため、月4回でも月1回でも利用額は変動しません(入所月と退所月のみ、包括払いから減算した通所回数分で請求)。また、開設当初は基本報酬月額単価のみの請求として、書類整備が煩雑な加算の算定届はせず、保険請求を実施しています。そのため、請求に必要な記録物は、体調管理シート、アセスメント表、通所介護計画、通所記録、送迎記録などの簡素化された書類のみで各利用者のカルテ管理も可能となります。
さらに、クラウドで書類管理ができる請求システムを採用しているため、請求業務自体は事業所内のどこでも取り組める環境を整備。請求担当者以外の管理者も利用者の実績管理ならびに基本情報管理を行えることから、業務が請求担当者に偏らないよう配慮もしているところです。月次の利用実績を入力後は、 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』7 接骨院併設の緩和型の現状と強み
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』7 接骨院併設の緩和型の現状と強み
2021.08.25
今回は、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)のうち、接骨院等の施術所でも実施主体となれる「基準緩和型通所介護事業」(緩和型)について、現場での取り組みを説明します。
私の事業所では、体験利用のお問い合わせをいただいた後、管理者が時間調整を行い、受け入れています。当日は、管理者が「体験利用シート」に氏名・要介護度・住所・キーパーソン(主介護者)・利用希望日・利用動機についてアセスメント(課題抽出)します。そして、機能訓練指導員が中心となり、身体の不具合やご希望に沿った機能訓練の実施、身体評価を行います。その後、地域の担当包括支援センター相談員へ体験利用の報告をFAXにて送付。体験利用者が、実際に利用を希望されれば、自宅にて重要事項の説明をし、利用契約を締結します。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』6 喜んでもらえる機能訓練指導員へ
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』6 喜んでもらえる機能訓練指導員へ
2021.07.25
柔整師や鍼灸師の現在の勤務実態を見てみると、開業、施術所や医療機関での勤務、スポーツトレーナーとして活動、養成校での教職など実に様々です。ひと昔前までは開業を目指して修行に励んでいた者がほとんどでしたが、今は開業しても経営を軌道に乗せるのが難しく、開業以前よりも収入が減ったといった話を周囲から聞くことも少なくありません。この状況は加速していて、その中にあって介護への参入、つまり、接骨院を運営しながらデイサービスを展開したり、介護保険事業所(デイサービス)で勤務したりする柔整師が増えています。
しかし、近所を見渡しますと「短時間」「機能訓練特化型」とうたう看板があちこちにあり、このような形態を売りにしているデイサービスが多いことにも気がつきます。 (さらに…)