厚労省・令和3年度の保険者別療養費 コロナ禍落着き増加に転じる
2024.04.25
厚労省がこのたび公表した『医療保険に関する基礎資料』にて令和3年度の保険者別療養費の状況が示された。
柔整は約2,867億円で前年度より約37億円の増加。組合健保が約22億円増と最も大きく、協会けんぽ約16億円増、共済組合8億円増と続く。多くが増加に転じた一方、後期高齢者医療制度のみ約13億円の減少となった。 (さらに…)
厚労省・令和3年度の保険者別療養費 コロナ禍落着き増加に転じる
厚労省・令和3年度の保険者別療養費 コロナ禍落着き増加に転じる
2024.04.25
厚労省がこのたび公表した『医療保険に関する基礎資料』にて令和3年度の保険者別療養費の状況が示された。
柔整は約2,867億円で前年度より約37億円の増加。組合健保が約22億円増と最も大きく、協会けんぽ約16億円増、共済組合8億円増と続く。多くが増加に転じた一方、後期高齢者医療制度のみ約13億円の減少となった。 (さらに…)
『医療は国民のために』388 令和6年の療養費料金改定についての予測
『医療は国民のために』388 令和6年の療養費料金改定についての予測
2024.04.10
6月実施が予定されている柔整・あはき療養費の令和6年改定について、既に両検討専門委員会で議論が進んでいるが、今回は現段階における予測を語ってみたい。
まず改定率については、慣例である「医科本体の半分」をくつがえすほどの議論がなされていない点から0.26%のプラス改定となるだろう。どのメニューを何円引き上げるかは「政府」が決定するのだが、ここでいう政府とは厚労省保険局医療課を指す。
柔整療養費は、ここ最近の改定において引き上げられた骨折・不全骨折・脱臼から方向転換し、実質的に料金が上がったことを実感できる初検料や電療料などの引き上げを主張しており、喜ばしいことだ。厚労省も物価高騰等への対応として財源の範囲内であれば引き上げるといった考え方も示しており、これらがアップとなることが期待される。
また、「問題のある患者に対して保険者が償還払いに変更できる事例の追加」については、「長期及び多頻回」の要件を保険者が追加しようと強く主張しており、着目したい。それよりも私が今回の改定議論で一番注目していたのは「保険者単位で受領委任の取扱いを止め、償還払いへ変更できる仕組みづくり」であったが、これがなぜか議論されていない。これは前回改定時(令和4年)に保険者側が譲歩したのと引き換えに「付帯決議事項」として記載させたと記憶している。そうであれば、今、議論に供しなければ健保連側にこの復活議論のチャンスがなくなってしまうと思われる。
あはき療養費にも触れておきたい。前回改定からの継続審議である、
①往療料の距離加算の廃止
②離島・中山間地等の地域加算の創設
③同一日・同一建物への施術の整理について
は、ほぼ原案で承認されることが見込まれる。訪問施術料は今回の改定で導入がなされるものと期待している。現行の往療料の見直し議論は若干残っているが、私は訪問施術料が今回の改定で日の目を見ると考えている。そうすると、運用上の変更点があまりにも多岐にわたることから、マッサージ施術の料金包括化は見送られるものと推察している。あはき療養費においても物価高騰等への対応が盛り込まれ、施術料や温罨法、電療料の引き上げが期待できるのは柔整療養費と同じであろう。
ここ10年近くは柔整療養費の取扱高が減少を続けており、最盛期と比較すると3割超も落ち込んだ。事実、3,000億円台を下回る落ち込みようで、あはき療養費も減少傾向といえる。それが令和3年度はほんのわずかながらプラスに転じたのは記憶に新しい。引き続き、療養費がプラス傾向を堅持するためにも、今回の改定が実のあるものとなるよう期待したい。
【連載執筆者】
上田孝之(うえだ・たかゆき)
全国柔整鍼灸協同組合理事長、日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会専務理事
柔整・あはき業界に転身する前は、厚生労働省で保険局医療課療養専門官や東海北陸厚生局上席社会保険監査指導官等を歴任。
柔整師免許保有者であり、施術者団体幹部として行政や保険者と交渉に当たっている。
Q&A『上田がお答えいたします』そもそも償還払いの本筋とは何か?
Q&A『上田がお答えいたします』そもそも償還払いの本筋とは何か?
2024.04.10
Q.
柔整療養費の申請で問題のある患者に対する施術を、保険者が償還払いに変更できる仕組みが制度化されていますが、償還払いとは本来柔整師と患者の「契約の自由の原則」により運用されるのではないのですか?
A.
令和4年3月22日付の厚労省保険局長通知で、同年6月から保険者の合理的裁量に基づき問題のある患者を受領委任払いから償還払いに変更できることとなりました。
受領委任の取扱いは、地方厚生局長等に対して施術管理者が「確約」することが必要ですが、償還払いはこの「確約」の枠外ですから、柔整師と患者との「契約の自由の原則」により、費用は個々の合意に基づくとされます。このことから、民法上は公序良俗に反しない限り自由契約となります。 (さらに…)
柔整専門委 物価高伴う引き上げも議論
柔整専門委 物価高伴う引き上げも議論
2024.03.25
電療料のほか、医療DXで初検料も
3月18日、第28回柔整療養費検討専門委員会がオンラインで開催された。「令和6年料金改定」に関する議論が終盤を迎える中、「明細書交付義務化対象の拡大等」と「患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加」の2つのメインとなる議題に加え、今回厚労省から、近年の物価高騰等を踏まえて新たに提示された「料金引き上げメニュー案」について話し合われた。
厚労省が物価高対応などで提示した引き上げメニューは、「電療料」と「初検料」の2つ。電療料は、電気光線器具を使用する施術のため、現下の物価高騰による光熱費等の値上がりで特に影響を受けやすく、1月下旬の前回会議で柔整業界側からの要望があった。初検料については、診療報酬でもみられる賃上げの風潮や、4月から開始のオンライン資格確認を含む医療DXの推進といった観点から俎上に載せられた。 (さらに…)
『医療は国民のために』387 オンライン請求に伴う復委任団体の位置づけは 「外部委託点検業者」が参考に
『医療は国民のために』387 オンライン請求に伴う復委任団体の位置づけは 「外部委託点検業者」が参考に
2024.03.25
現在、令和6年料金改定に関する議論が山場を迎えているが、今回は少し長期的な視点で柔整療養費を考えたい。料金改定に決着が着けば、次はオンライン請求導入の議論が再開され、それに伴い「復委任団体(療養費請求代行団体)」の位置付け等に関する議論にも移ることになるだろう。
オンライン請求が実施される場合、復委任団体として着目すべき事項としては、
①復委任団体からの一括申請が認められるか、それとも施術管理者からの個別申請しか認められないか
②療養費支給決定後の振込口座が復委任団体の口座に一括入金されるか、それとも施術管理者の個別の口座にしか入金されないか
の2点だ。 (さらに…)
あはき専門委 訪問施術料の導入見据え議論
あはき専門委 訪問施術料の導入見据え議論
2024.03.25
意見出るも具体的な金額が待たれる
3月18日、第31回あはき療養費検討専門委員会がオンラインで開催され、4度目となる「令和6年料金改定」の議論が行われた。過去にない大規模な改定が予想される中、議論の目玉となっている「訪問施術料(訪問施術制度)の創設」については既に実施を見据えた意見が交わされた一方、「マッサージ施術の料金包括化」は先送りが濃厚となってきた。
訪問施術料については、これまでの会議の中で料金体系案が示され、「同一日・同一建物」の考え方と組み合わせたメニューとなる予定だ。基本料金は「同一日に同一建物で施術を行った患者の人数」に応じて区分され、「1人の場合」は『訪問施術料(仮)1』(患者1人当たりの金額)と定め、そのほか「2人の場合」「3人以上の場合」では、それぞれ『訪問施術料(仮)2』『訪問施術料(仮)3』とする。具体的な金額はいまだ明示されていないが、「1→2→3」の順で金額は低くなる。 (さらに…)
能登地震に伴うあはき同意 特例措置が9月末まで延長
能登地震に伴うあはき同意 特例措置が9月末まで延長
2024.03.25
令和6年能登半島地震に伴い、北陸地方であはき療養費の同意書の添付省略を認めるなどの特例措置が9月末まで延長される。厚労省が3月5日付で通知した(下記URLコード参照)。
延長は被災状況を勘案したもので、引き続き、能登半島地震が原因で患者が同意書を医師から受け取ることができない場合等に申請時の添付を省略できるほか、往療の一部でも特例を適用する。「災害救助法」の適用を受けた市町村などに住む患者が対象だが、適用範囲の変更も適時あり、申請前の確認は必要になる。
令和6年能登半島地震に伴う災害の被災者が受けたはり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る医師の同意書等の取扱いについて(その2)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/240311_01.pdf
Q&A『上田がお答えいたします』施術方策そのものを問い質す権限が保険者や審査員にはあるのか?
Q&A『上田がお答えいたします』施術方策そのものを問い質す権限が保険者や審査員にはあるのか?
2024.03.25
Q.
療養費支給申請書が返戻されたのですが、その際に治療法や手技内容の詳細な説明を求められました。これは審査業務の範囲を超えていると思うのですが?
A.
確かにそうですね。最近の柔整審査会や一部の健保組合から、柔整師の具体的な施術や手技、また電療の機器の種別や物理療法のやり方等、施術方策自体の説明を求める返戻が出はじめています。これは極めて不当で悪質なことです。医科に置き換えてみれば、国保審査会から診療報酬明細書の内容について、医師の専門領域にまで説明を求めることはありません。異常だと言えます。
例えば、柔整療養費の審査委員会が審査する内容は、厚労省保険局医療課長から通知されています。具体的には「柔道整復療養費審査委員会の審査要領」において、11項目で明らかにされているので紹介します。 (さらに…)
4月以降は「実務経験3年」に
4月以降は「実務経験3年」に
2024.03.08
柔整・施術管理者の要件
4月1日以降、柔整療養費の受領委任を取り扱う施術管理者になるために義務化されている「実務経験」の年数が、「2年」から「3年」に変更される。厚労省が2月21日付で通知。
「実務経験」の要件が導入されたのは2018年で、当時、必要な経験年数は「3年」と決められたが、導入時の緩和措置として段階的に引き上げられることになり、これが今年度末で終了する形となる。実務経験の受け入れ先は施術所だけでなく保険医療機関(病院・診療所)でも可能であるが、この場合に認められる従事期間についても「1年まで」から「2年まで」に変更される。
例えば、保険医療機関で最長2年間を従事した柔整師の場合、残り1年以上は少なくとも施術所において実務経験を積む必要が生じることになる。
『医療は国民のために』386 過誤調整(相殺処理)とオンライン請求の関係性
『医療は国民のために』386 過誤調整(相殺処理)とオンライン請求の関係性
2024.03.08
柔整療養費の過誤調整に絡んで、奈良県橿原市在住の当方所属の柔整師4名が原告となって訴えた住民訴訟の結論が1月26日に下された。最高裁は被告橿原市の上告を受理せず、結果としては「過誤調整による相殺処理が無効」と判断した奈良地裁の1審判決が確定した。大阪市をはじめ、過誤調整の違法性を裁判提起し、今回も勝訴判決という結果となり、当方の主張が全ての係争で認められたところだ。
しかしながら、多くの都道府県の国民健康保険団体連合会は、今回も含めて司法が一貫して過誤調整による相殺処理を認めないと判断したにもかかわらず、これを改めようとしないだろう。また、行政の担当部局である厚労省保険局国民健康保険課も何も対応策に関する通知を発出することなく、ダンマリを決め込むのであろう。それは、なぜかといえば、過誤調整が療養費の支給事務の処理上において有効かつ有益だからである。 (さらに…)
施術所向けオン資 専用アプリの入手&設定が必要
施術所向けオン資 専用アプリの入手&設定が必要
2024.03.08
4月から運用が始まる「柔整・あはき療養費のオンライン資格確認(オン資)」について、2月中旬以降、全国の施術所宛てに厚労省から案内封書が届いており、オン資の利用に当たって必要な準備が求められるようになってきた。紙など現行の保険証が廃止され、オン資が義務化される12月2日までは時間的にまだ余裕があるが、早めに対応したいところだ。今回は、患者情報の読み取り時に利用する専用アプリの入手や設定方法について概説する。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』薬剤を処方された場合、医科との併給問題はどうなる?
Q&A『上田がお答えいたします』薬剤を処方された場合、医科との併給問題はどうなる?
2024.03.08
Q.
はり・きゅう療養費、あん摩・マッサージ療養費、柔整療養費は同じ療養費であっても医科との併給において異なる運用となっていますが、内服薬等の薬剤が保険医療機関から処方された場合、いずれも療養費は認められないのでしょうか。
A.
薬剤処方に関しての療養費支給の可否ですね。大枠でいうと「課長通知によりはり・きゅう=×、事務連絡によりマッサージ=〇、保険者判断により柔整=△」といったところです。
私たちの取り組みにより、あん摩・マッサージ療養費においては医科で実際にマッサージが行われておらず、単に薬剤が処方されただけでは医科との併給にならないことが事務連絡の発出で解決済みです。 (さらに…)
橿原市の相殺処理をめぐる住民訴訟 最高裁も棄却、過誤調整無効で確定
橿原市の相殺処理をめぐる住民訴訟 最高裁も棄却、過誤調整無効で確定
2024.02.25
柔整療養費の審査・支払業務において、奈良県橿原市が行う「過誤調整(相殺処理)」の業務処理が不当だとして、同市に住む柔整師が訴えを起こした住民訴訟の上告審判決が1月26日に下された。最高裁(草野耕一裁判長)は被告側・橿原市の上告を棄却し、「過誤調整による清算処理は無効」と判断した1審判決が確定することとなった。
司法は一貫して認めず、オンライン請求導入に影響も
柔整療養費の過誤調整をめぐっては、施術者団体である全国柔整師協会(全柔協)が不適切だと問題視し、約10年前から患者・地元柔整師とともに解決に向けて取り組んできた。今回改めて、「相殺処理が現行の法令上ふさわしくない」との司法判決が確定したことで、長年にわたる争いは住民・柔整師側の勝訴という形で最終的な決着がついた。 (さらに…)
『医療は国民のために』385 柔整療養費の令和6年料金改定の議論に思うこと
『医療は国民のために』385 柔整療養費の令和6年料金改定の議論に思うこと
2024.02.25
1月下旬に開かれた第27回柔整療養費検討専門委員会において、6月実施に向けた令和6年料金改定の議論が開始された。慣例通りの改定率となれば、0.26%のプラス改定となることが見込まれており、柔整業界としても、厚労省が議題に挙げている「明細書発行に関して「毎回加算」を要望しているほか、▽電療料の引き上げ、▽再検料の毎回算定(現状では2回目のみの加算の見直し)の2点も主張している。
とはいえ、財源に与える影響率が大きいことから、簡単に認められるということにはならないだろう。近年の料金改定では、影響がほとんどない骨折・不全骨折及び脱臼(これら3つを合わせて療養費全体に占める割合がわずか0.17%)の料金引き上げでお茶を濁されてきた。同様の改定であれば、年々厳しさを増している柔整師の懐事情には何らもプラスにならないことは明らかである。 (さらに…)
あはき療養費 R6改定議論 「マッサージ包括化」実施見送りも
あはき療養費 R6改定議論 「マッサージ包括化」実施見送りも
2024.02.25
業界側は「今回導入すべき」と反発
1月25日、第30回あはき療養費検討専門委員会がオンラインで開催され、6月改定に向けて3度目となる「令和6年料金改定」の議論が交わされた。厚労省は当初、議題に挙げていた5つのテーマ全てを今回の改定時に実施する予定としていたが、ここに来て、「マッサージ施術の料金包括化」を先送りすることを含んだスケジュール案を示し、議論を促した。
検討議題となっている5つのテーマは、▽往療料の距離加算の廃止、▽離島や中山間地等に係る「特別地域加算」の創設、▽訪問施術料(訪問施術制度)の創設、▽マッサージ施術の料金包括化、▽同一日・同一建物の取り扱い。
厚労省が新たに提示したスケジュール案は、これまで保険者側が主張してきた意見を反映させたもので、「マッサージ施術の料金包括化」以外の4つのテーマをまずはとりまとめて、その後、3月末をめどに「マッサージ施術の料金包括化」を今回の改定に盛り込むかどうかを決めるという内容だ。 (さらに…)
柔整療養費の施術管理者研修 来年度開催分が2月下旬から申込開始
柔整療養費の施術管理者研修 来年度開催分が2月下旬から申込開始
2024.02.25
柔整師向け「施術管理者研修」の来年度以降の開催分について受講受付が開始される。5・6月開催分は2月下旬、7~9月開催分は5月頃からの予定。オンライン形式の開催で、募集人数は各300人。オンライン受講ができない者向けの枠も一部用意されている。
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』229 業界の特異性を知り、視野を広く
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』229 業界の特異性を知り、視野を広く
2024.02.25
私は、はり・きゅうやマッサージの療養費の同意書を書いていますが、医師の中にはそれを一切断っているところもあります。リウマチや膠原病専門のクリニックで上手に東洋医学と連携して診療しているところもあれば、忌み嫌うところもある。この言わば両極端の状況は、私がこの連載を始めた10年前からあまり変わっていません。先日も知人の医師が、患者さんを介した同意書の依頼が姑息であると怒りの声を上げていました。10年かけて、変わっていないということは、戦略的に大きく間違ってはいないけれども正しくもない、ということでしょうか。
東洋医学は浮き沈みしながらも、医学部のコアカリキュラムに包含され、医学部卒業生なら東洋医学を概説できるようになりました。メディアにも良くも悪くも大きく取り上げられる機会は増えつつあります。昔から内容的には東洋医学の効用を推奨する番組が多いのに状況が変わらないのは、方法を考えなければならないのかもしれません。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 「2024年問題」が柔整・あはき業界に及ぼす影響について
Q&A『上田がお答えいたします』 「2024年問題」が柔整・あはき業界に及ぼす影響について
2024.02.25
Q.
「2024年問題」という言葉を耳にすることがあります。建設・運輸業界だけでなく、医療業界も含む「時間外労働の上限規制」に関する様々な問題を指すようですが、柔整・あはき業界にも影響があるのでしょうか?
A.
2024年は元日の能登半島地震・津波、そして翌日の羽田空港での機体接触事故から始まったので、すでに激動の様相を呈しています。さて、以前からよく聞く2024年問題が柔整・あはきの業界にどのような影響を及ぼすのかとのご質問ですが、施術所で何を準備しなければならないのか参考になればと思います。
2024年問題は物流業界が主ですが、建設業界、医療業界でもよく取り沙汰されています。これまで過剰な時間外労働に見合う賃金が支払われていないことが問題視されてきましたが、企業側は「働き方改革」によって、2024年4月までに時間外労働賃金(いわゆる残業代)を増やすなどの取り組みをしなければならなくなりました。 (さらに…)
柔整専門委 令和6年改定の議論スタート
柔整専門委 令和6年改定の議論スタート
2024.02.09
明細書義務化の範囲等を見直し
1月25日、第27回柔整療養費検討専門委員会がオンラインで開催され、「令和6年料金改定」に関する話し合いが行われた。6月改定に向け、今回議論をスタートさせ、厚労省が議題として「明細書交付義務化対象の拡大等」、「患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加」の2つを提示した。
保険者側「発行割合が低すぎ」
柔整側「負担に見合う対価を」
「明細書交付義務化対象の拡大等」については、前回の令和4年改定で導入された「明細書発行体制加算」において、加算対象(=義務化対象)となる施術所の要件2つ(①明細書発行機能のあるレセコンを使用、②常勤職員3人以上)を拡大・変更するかを争点とした。なお、明細書発行体制加算は、「要件に該当する施術所」が事前に地方厚生局に届け出た上で、患者に明細書を無償で発行した場合に、月に1回のみ、13円を算定できるというもの。
当日厚労省は、議論を促す前に、令和4年12月から令和5年2月までに調査した「柔道整復施術所の明細書交付状況に関する実態調査」のアンケート結果を報告。結果の要点として、▽約70%の施術所が常勤2人以下、▽明細書を無償交付している割合は約11%、▽施術のたびに交付している割合は約48%、▽レセコンによる交付が約83%(手書き交付が約6%)、などを挙げ、地方厚生局で把握している届出状況とも近しい数値データであったと説明した。 (さらに…)
施術所向けオン資 「ユーザー登録」の手続き開始
施術所向けオン資 「ユーザー登録」の手続き開始
2024.02.09
4月運用開始に向け、専用アプリもリリース
4月から運用が始まる「柔整・あはき療養費のオンライン資格確認」で、1月31日から施術所等向け総合ポータルサイト(https://iryohokenjyoho.service-now.com/omf?id=omf_index)において「新規ユーザー登録」の手続きができるようになった。併せて、患者情報の読み取り時に使う専用アプリもリリースされた。
昨年末、現行の保険証を12月2日に廃止すると閣議決定され、確実に「マイナ保険証」を基本とする仕組みに移ることから、施術所でもこれを期限とし、患者がマイナ保険証を使える体制を整えることが不可欠となった。カードリーダーや端末(スマホ等)を用いて患者の資格情報を読み取るにも、専用アプリを利用するにも、購入機器の助成金を申請するにも、まずはポータルサイトから「ユーザー登録」の手続きが必要となる。厚労省も早めの準備を促している。 (さらに…)