連載『食養生の物語』112 『大きな栗の木の下で』
2022.09.26
食欲の秋といえば「いもくりなんきん」。サツマイモ・栗・南瓜は、九月下旬から旬を迎える食材で、甘みがあり料理にもスイーツにも楽しめるという共通点があります。江戸時代に井原西鶴が著した浮世草子の一節には「とかく女の好むもの、芝居、浄瑠璃、芋蛸南瓜」とありますが、現代ではタコがクリに入れ替わり定着したようです。 (さらに…)
連載『食養生の物語』112 『大きな栗の木の下で』
連載『食養生の物語』112 『大きな栗の木の下で』
2022.09.26
食欲の秋といえば「いもくりなんきん」。サツマイモ・栗・南瓜は、九月下旬から旬を迎える食材で、甘みがあり料理にもスイーツにも楽しめるという共通点があります。江戸時代に井原西鶴が著した浮世草子の一節には「とかく女の好むもの、芝居、浄瑠璃、芋蛸南瓜」とありますが、現代ではタコがクリに入れ替わり定着したようです。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』47 素問・九『六節臓象論』
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』47 素問・九『六節臓象論』
2022.09.26
この篇は、暦についても書かれています。
岐伯:
「先先人の学者たちは、太陽の影の長さから一年が三百六十五日と発見すると、暦になる区切りを考えました。初めは十干で区切り、十二支でも考えてみました。一日に一つずつ当てはめていくと、十干が六周し、最初と同じ十二支に戻ってくることが分かりました。六回繰り返すと三百六十日になり、これがほぼ一年であることから、天文学者たちは六という数字が天の動きと関係しているとつきとめました」 (さらに…)
『ちょっと、おじゃまします』 ~目指すは「まちの保健室」~奈良県橿原市<まるさんかくしかく>
『ちょっと、おじゃまします』 ~目指すは「まちの保健室」~奈良県橿原市<まるさんかくしかく>
2022.09.26
「安全・衛生・誠実をモットーに患者さんファーストで施術に取り組んでいます」と語るのは、奈良県橿原市の鍼灸院、まるさんかくしかくで院長を務める藤田幸久先生と妻の千恵美先生。特徴的な施術所の名前は誰にでも読めて、親しみやすいものにしたいという思いから付けられたのだそうです。 (さらに…)
今日の一冊 学校という「ハコモノ」が日本を救う!
今日の一冊 学校という「ハコモノ」が日本を救う!
2022.09.26
学校という「ハコモノ」が日本を救う!
大竹弘和 著
白秋社 1,980円
1年のうち170日も使われていない「学校」を有効活用し、日本の明るい未来を創る――教育面ではなく、施設利用という「ハコモノ」の側面からの著者の提案だ。体育館や校庭、音楽室、図書室と施設が充実している学校の統廃合が進む一方、巷では学習塾や音楽・スイミング教室などは盛況。この民間パワーを「聖域化」されている学校施設に注げば、多くの無駄が省け、人も集まり、さらには教育格差、体力低下といった子どもを取り巻く社会問題の解決も図れる……少子高齢化時代のハコモノの可能性に迫る一冊。
編集後記
編集後記
2022.09.26
▽この夏を振り返り新しく挑戦したのは、トウガラシの栽培です。植木屋での豊富な品揃えに興味を持ち選んだのは、四川トウガラシ、ベトナムトウガラシ、チョリソー、ハバネロの4種。順調に育ち、まず実をつけたのは四川トウガラシ。2cmぐらいでコロンと丸い形をしています。名の通り四川料理に使うと知り、マーボー豆腐にするとスッキリした辛さでとても美味しかったです。他も順調に実をつけタコライス、タンタンメン、ミーゴレンと色々に楽しみました。ただ、最後に実をつけたハバネロは、テレビで芸能人が「辛い! 辛い!」ともだえる姿が浮かび、手が出ません。赤くぷりぷりと太ったハバネロが今は爆弾のように恐ろしいのです。気だるい季節の変わり目を乗り切る起爆剤になってくれる?(中)
オミクロン対応ワクチン接種が開始、柔整師・あはき師も優先対象
オミクロン対応ワクチン接種が開始、柔整師・あはき師も優先対象
2022.09.21
新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの接種が9月20日より、各地で順次始まっている。
3回目接種から5カ月以上経過しているなどを条件に、高齢者、基礎疾患のある人、医療従事者等エッセンシャルワーカーを優先し始まった。地域により異なるが、東京都や兵庫県神戸市では柔整師・あはき師も対象に含まれる。
東京都では、すでに専用のウェブサイトで予約を受け付けており、大規模会場では同22日から接種を開始。予約なしで接種可能な会場も設けている。
新型コロナは年末に流行する傾向を受け、厚労省では希望者が年末までに接種を終えられることを目標に、前回接種からの間隔を短縮する方針を示している。対象は各自治体の準備が整い次第拡大される予定で、詳しい接種対象者や接種開始日、予約方法、必要書類はウェブページなどで確認できる。
東京福祉保健局「オミクロン株対応ワクチンについて」
【無料レポート】予防鍼灸研究会特別例会2022 鍼で疼痛関連領域の機能異常を改善
【無料レポート】予防鍼灸研究会特別例会2022 鍼で疼痛関連領域の機能異常を改善
2022.09.20
予防鍼灸研究会の特別例会『心と脳に届く東洋医学』が8月21日、オンラインで開催された。
『頭痛に対する鍼治療と疼痛関連領域の脳機能の変化』のテーマで講演したのは、石山すみれ氏(茨城県立医療大学)。片頭痛の国内の有病率は8.4%にも上る。国際頭痛分類第3版によると、頭痛は「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類され、更に「一次性頭痛」は「片頭痛」「緊張型頭痛」「三叉神経・自立神経性頭痛」に、「二次性頭痛」は「薬物の使用過多による頭痛」などに分類される。片頭痛の特徴は、▽週2~月1回など周期的に同様の頭痛発作が起こる、▽日常生活に支障をきたすほどの痛みを感じる、▽光・音・臭いが気になる、など。石山氏は、閃輝暗点、視野異常、肩こりなどが前兆として挙げられるとし、片側性、拍動性でなくても片頭痛と診断されると説明した。
一般的に片頭痛は、何らかの原因で収縮した血管が拡張して起こる「血管説」と考えられていたが、近年「三叉神経血管説」が有力になってきていると報告。視床や脳幹に何らかの刺激が加わると、三叉神経の興奮が起こり三叉神経の神経終末からCGRPなどの神経伝達物質が放出され、これに伴い頭蓋内の血管が炎症を起こし拡張するが、これは頭痛の直接の原因ではなく、刺激が三叉神経核に投射され、視床下部を経由し自律神経症状とし痛みを感じると解説した。
片頭痛は薬物治療が主であるが、価格や処方制限などの問題もあると言及。また、「薬物の使用過多による頭痛」の危険も心配され、薬物のみに頼るべきでないと述べた。2021年の頭痛の診療ガイドラインでは、鍼治療の推奨グレードは薬物のグレードAに続くBとされ、元よりの「予防療法」に、今回から「急性期治療」が加わり、必要性が高まっていると話した。
さらに石山氏は、海外で広く行われている、電気で神経を刺激する治療「Neuromodulation」に着目、鍼治療で再現する検証結果を発表した。片頭痛は、脳の疼痛関係部位の、活動の強弱のバランスで程度が分かると推察。そこで、後頭部皮下のC2領域に施鍼・通電したのち、脳局所活動をみる機能的MRIを用い、「前兆のない片頭痛」「慢性片頭痛」の数値を確認すると、「前兆のない片頭痛」に対し有意な変化がみられた。また、変化が確認できた部位が三叉神経との強い関係性を指摘されていることから「刺激が三叉神経を通して疼痛関連領域の働きを変化させ、症状を緩和した。疼痛関連領域の機能異常によると考えられる疾患は複数あり、鍼灸治療が有効な可能性がある」と見解を述べた。
虚証が多いフクロウ型体質
惠紙英昭氏(久留米大学医療センター副院長、先進漢方治療センター教授)は『朝起きが苦手なフクロウ型に対する漢方治療を中心に』のテーマで講演。師である漢方家の山本巌氏の著書の言葉も引用し、人間は大別すると、早起きで元気、体力があり粘り強い「ヒバリ型」、朝元気がなく夕方から元気、疲れやすく力仕事が苦手な「フクロウ型」、その中間の「フィンチ型」があると解説。フクロウ型は、虚証が多く苦労を理解されにくいと述べた。さらに自身もフクロウ型であり、「かつては怠けや自律神経失調症と考えられた。社会人になりフクロウ型と診断され、苓桂朮甘湯に出会うまで改善せず悩んだ」と話した。
フクロウ型体質になる原因は、西洋医学的要因の頸椎・脊椎異常や気分障害・適応障害、不登校、メニエール症候群と多岐にわたるとし、また、幼いころの事故や打撲などは見過ごしがちなため、生育生活歴や既往歴を詳細に聴取し、現代では新型コロナウイルス感染症後遺症も踏まえた診断が必要だと訴えた。そして、漢方や心のケア、運動や鍼灸などを取り入れ、心身の変化に注意を払い治療することが大切だと説明した。
金子武良氏(金子指圧治療院)の『ソフト指圧によるコロナ後遺症の3症例』もあり、自身がコロナ後遺症患者を治療した経験の詳細を報告した。
次回、予防鍼灸研究会の定例会は11月27日。学生は無料で参加可能。
【無料レポート】東洋療法学校協会 第45回教員研修会 オンライン授業や電子化教材の現状
【無料レポート】東洋療法学校協会 第45回教員研修会 オンライン授業や電子化教材の現状
2022.09.13
コロナ禍で学んだことを共有し、未来につながるあはき教育を考える
東洋療法学校協会の第45回教員研修会が8月18日、19日、メルパルク京都(京都市下京区)とオンラインで開催され200名を超える教員らが参加した。テーマは『創生―原点から新たな未来へ』。
現代の若者が感じる生きづらさ
原清治氏(佛教大学副学長、教育学部教授)は、文科省より今年度から対面授業が推奨されているが、半数にも及ぶ生徒が今もオンラインを選択する現状について、長いブランクがあり利便性や慣れにより元に戻らないと述べた。その一因に現代の若者が感じる生きづらさがあると解説。人前で恥をかいたり、笑われたりと他者の目にさらされることを恐れる傾向が強くなっていると話した。「……できてすごい」「頑張った」などの褒め言葉も周囲と比較する言葉になりうるため注意が必要だと原氏。さらに、教員は自分と同じタイプの生徒を評価しがちだと指摘。公平なのかを自戒して、価値観の多様性を理解し、寄り添うことが大切だと述べた。
バーチャル世界の大学に通学する!?
『自在化身体』をテーマに講演したのは稲見昌彦氏(東京大学総長特任補佐・先端科学技術研究センター教授)。東大では、学生主体でバーチャル世界に学校を再現し、総長や講師が講義を行い2万人以上も参加したという。稲見氏は「メタバースの世界は、定員の問題が無く学内外問わず多くの人が参加できる。新しい技術のため、宗教などの禁忌や慣習があてはまらず、人前に出ることや教育を受けることが難しい人にも学びの機会を与えられる」と述べた。また、オンラインで匿名の質問を許可したところ、多くのコメントが寄せられたとも。「発言で授業を中断する必要がないため、シャイでもオンラインならうまく参加できる」と話した。
オンライン授業や電子化教材の導入について
分科会も2つ行われた。教育研究部教育委員会は、昨年度の教員研修会アンケートで9割がオンラインを実施、うち6割が実技・実習もオンラインで実施したと回答したが、今年度の文科省の対面推奨方針を受け、同委員会も対面推進の考えを示し、現場でも基本的に座学・実技ともに対面で行われているとした。オンラインのメリットとして、▽登校できない生徒も学べる、▽動画配信などで事前学習し対面実技に臨むと高い学習効果が期待できる、 ▽ZOOMを面談や補講、試験対策に利用できる、などの報告があったという。デメリットとして、ペアが必要な実技での習熟度の差を指摘、対面の出席と同等と考えられるか、何コマまで認めるかなど制約が必要になるとした。対面重視の前提で、オンラインのメリットとノウハウをどう活かすか、ハイブリット授業は国にどこまで許可されるかを課題に挙げた。
電子教材検討会は、協会加盟校対象のアンケート回答54件のうち16件が「教科書が電子化されたら導入する」、12件が「内容によっては検討する」と、半数以上の電子化に前向きな回答を得たと報告。早ければ2023年から順次電子化が可能だと示した。他に電子化で求める教材として、古典書籍や病理学教材などの書籍、基礎実技や経穴取穴法などの動画、演習問題と解答のアプリ、教科書に準じたスライドデータを共有するシステムなどの要望があったと紹介し、実現に向け前向きな姿勢を見せた。
ウクライナの子どもを小児はりで救いたい♡日本小児はり学会が支援の寄付を募る
ウクライナの子どもを小児はりで救いたい♡日本小児はり学会が支援の寄付を募る
2022.09.09
ドイツ臨床家がプロジェクト立ち上げ
ドイツ人医師で、小児はりの臨床家・トーマス・ベルニッケ氏が、ウクライナから避難している子どもたちを「小児はり」で治療するプロジェクトを立ち上げ、同国で活動を行う。トーマス氏が顧問を務める日本小児はり学会(井上悦子会長)が、支援に向け寄付を募っている。
ヨーロッパで小児はりの普及活動を行っているトーマス氏は、このたびの戦争で、ドイツにもウクライナから多くの女性や子どもが避難し、中にはトラウマを抱えた子どももいることから「困難を抱える人たちを私たちにできる限りのことを尽くして何とか助けたい」と考え、行動を起こした。既に児童精神科医、小児科医、小児理学療法士などプロジェクトに賛同するメンバーが集まり、ドイツのトーマス氏の小児科クリニックで子どもたち15人を受け入れたという。
トーマス氏は、2011年の東日本大震災の際に、自身の患者やドイツ銀行、ドイツ国立テレビ局から義援金を集め、小児はりを含めた伝統医学で被災者支援を行う「被災者支援プロジェクトチーム 東洋医療」(樋口秀吉代表)に200万円以上を寄付した経緯がある。
今回のプロジェクトは、ドイツの医師を中心に設立され、小児はりなど日本の伝統医学を普及する協会「国際日本伝統医学協会(IGTJM)」の後援を受けている。
寄付金は一口2,000円より、日本小児はり学会(事務局:nihon@shonihari.jp)が窓口。
寄付金先について
銀行名:ゆうちょ銀行
金融機関コード:9900
店名:0九九店(ゼロキュウキュウ店)
店番:099 預金種別:当座
口座番号:0270329
加入者名:日本小児はり学会
柔整療養費 10月からの明細書義務化で追加のQ&A
柔整療養費 10月からの明細書義務化で追加のQ&A
2022.09.09
10月から施行される柔整療養費の「明細書発行体制加算」について、厚労省が疑義解釈資料(Q&A)を追加で発出した。8月30日付。
同加算は、施術所が「明細書を無償発行できる体制」である点を評価し支給するもの。事前に、▽明細書発行機能のあるレセコン使用、▽常勤職員3人以上、の2要件を満たしている旨を地方厚生(支)局長に届け出る必要がある。今回のQ&Aでは、同加算を算定するのであれば、来院した全ての患者に対して算定する点を示しており、例外は認めないとしている。 (下記ににQ&A全文) (さらに…)
『医療は国民のために』350 施術所への物価高騰関連の支援策など無いに等しいではないか!
『医療は国民のために』350 施術所への物価高騰関連の支援策など無いに等しいではないか!
2022.09.09
止まらない物価の高騰で仕入れ価格の上昇や運営コスト増が生じ、治療院経営も例外ではない状況にある。
7月15日に開かれた政府の『物価・賃金・生活総合対策本部』の配布資料を確認したところ、内閣府、総務省、経産省、農水省、厚労省の各省から、今の物価状況とその対応策が示されているが、東洋医療の位置付けである鍼灸、あん摩マッサージ、柔整に関する支援事業は一つもなかった。 (さらに…)
第9回柔道医科学研究会 「柔整師の救護活動史」振り返り
第9回柔道医科学研究会 「柔整師の救護活動史」振り返り
2022.09.09
幅広い分野の医師の参画に
第9回柔道医科学研究会が7月30日、31日、米田柔整専門学校(名古屋市西区)で開催された。
救護活動をテーマとするシンポジウムでは、『柔道整復師による救護活動の歴史と実績』と題して公益社団法人愛知県柔道整復師会会長の森川伸治氏が講演した。 (さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』53 徳一(とくいつ)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』53 徳一(とくいつ)
2022.09.09
今回は少し根源的なお話。まず、私のもっとも尊敬する人物の一人、空海について話します。空海は「弘法さん」として今も民間信仰を集める、時代を超えたスーパースターです。若くしてその才能を認められながら大学を辞め放浪の旅に出たかと思うと、遣唐使に加わり、日本に真言密教を伝えました。朝廷の庇護のもと唐へ渡った最澄とは対照的に、一介の僧ながら当時の仏教界に一大センセーションを巻き起こしました。腐敗した奈良仏教からの脱却は、京都での仏教界の再構築が成功するか否かにかかっており、それは最澄一人では成し得ませんでした。最澄でさえ、高野山で空海の結縁灌頂(けちえんかんじょう)を受けている、つまり空海の弟子となっているのです。その空海と最澄の関係は、京大名誉教授の故上山春平氏の著書『空海』で面白く読めるので、ご一読下さい。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』194 人命の最優先とは言うけれど……
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』194 人命の最優先とは言うけれど……
2022.09.09
2011年中国の高速鉄道が脱線事故を起こし、隠蔽しようとしたのでしょうか、その事故車両を地中に埋めてしまい、中国内外から批判を浴びた出来事がありました。多くの国が、安全性と信頼性を考慮して高速鉄道の発注先から中国を外しそうですが、中国の鉄道をアフリカ人は好むのだそうです。人命最優先では経済発展は望めないということのようです。 (さらに…)
連載『中国医学情報』210 PCOSの不妊症に対する鍼治療―薬物治療とのランダム化比較ほか
連載『中国医学情報』210 PCOSの不妊症に対する鍼治療―薬物治療とのランダム化比較ほか
2022.09.09
今回の内容
・PCOSの不妊症に対する鍼治療―薬物治療とのランダム化比較(上海鍼灸雑誌、2022年2期)
・自覚的耳鳴に対する灸頭鍼併用治療―灸量差によるランダム化比較(上海鍼灸雑誌、2022年3期)
☆PCOSの不妊症に対する鍼治療―薬物治療とのランダム化比較
浙江中医薬大学・魏慧俊らは、米国医師会雑誌(JAMA)で無効と報告(注)された多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊症患者に対する鍼治療の効果を、現代薬物治療と比較した(上海鍼灸雑誌、2022年2期)。
対象=同大付属病院外来の100例。これをランダムに鍼群・薬物群の各50例に分けた。鍼群は平均年齢28±6歳・平均罹患期間2.83±0.78年、薬物群は平均年齢27±6歳・平均罹患期間2.79±0.88年。治療法=3月経周期を1クール、計2クール治療。
<鍼>①取穴―主穴:関元・三陰交・命門・腰兪。卵胞期(月経周期開始後8~12日):気海・子宮(奇穴)・太渓。排卵期(月経周期開始後13~15日):中極・合谷・卵巣(耳穴?)・血海。黄体期(月経周期開始後16~28日):肝兪・腎兪・脾兪。②操作―0.25×40mmの鍼で直刺20~25mm、反復提挿捻転法。得気が、関元・気海・中極は会陰方向に放射、命門は子宮方向へ放射。その後置鍼30分間(10分ごとに行鍼1回)。卵胞期・黄体期は2日1回、排卵期は毎日1回、月経期は刺鍼しない。
<薬物>排卵誘発薬Clomiphene citrate 50mgを、月経第5日から連続5日間服用。 (さらに…)
中外医学社から新刊 鍼灸のことが気になったらまず読む本 Q&A 89
中外医学社から新刊 鍼灸のことが気になったらまず読む本 Q&A 89
2022.09.09
医師、はり師、きゅう師である寺澤佳洋氏の新刊『鍼灸のことが気になったらまず読む本Q&A 89』が株式会社中外医学社から発刊された。A5判、146頁、3,520円(税込)。
医療と鍼灸両方の業界を知る著者が、医師をメインターゲットに、多くの人に鍼灸の魅力を知ってもらいたいと編集した入門書。「鍼灸師とは何者か」から始まり、鍼灸治療のエビデンスは? 逆子に鍼灸治療がよい? 鍼灸って保険診療になる? など89の疑問に医療、鍼灸、美容などさまざまなジャンルで活躍する執筆陣が回答。また、「医師が語る鍼灸」の章では、実際に鍼灸に取り組む医師がメリット・デメリット、病院と鍼灸院の連携などについて解説する。著者のラストメッセージは「鍼灸治療へ行ってらっしゃい!」。体験するとイメージと違ったという人も多いことから、施術を受けてみてほしいと呼びかける。
(さらに…)
日本AT学会の第11回学術大会「アスレティックトレーニング学の進む道」テーマに
日本AT学会の第11回学術大会「アスレティックトレーニング学の進む道」テーマに
2022.09.09
「暗黙知→実践知」で新たな知を
一般社団法人日本アスレティックトレーニング学会(広瀬統一代表理事)の第11回学術大会が、7月17日から8月7日までオンラインで開催された。大会テーマは『アスレティックトレーニング学の進む道』。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 アダルトサイト等で扱われている性的なコンテンツで「マッサージ」が多用されることについて
Q&A『上田がお答えいたします』 アダルトサイト等で扱われている性的なコンテンツで「マッサージ」が多用されることについて
2022.09.09
Q.
アダルトサイトにはマッサージを題材にしたセクシャルな動画があふれています。そして、それら多くのタイトルに「マッサージ」が表記されています。これらはあん摩マッサージ指圧師の品位を貶めるものであり不快に思います。
A.
従来より、アダルトサイト上には「マッサージもの」と称して性的な動画が大量に配信されています。しかも、これらのマッサージの名称や行為を規制する取り組みは全くなされず、それどころか拡張傾向にあるのです。あなたの嘆きは分かりますが、これらの性的なコンテンツに何らかの規制がかかることは今後もないでしょう。 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』217 夏の余波
連載『汗とウンコとオシッコと…』217 夏の余波
2022.09.09
立秋を迎えた途端、空が高くなった。8月末、朝の7時頃には自然界の風や虫のさえずり、水の流れる音は秋の商音(D)を奏で、夜になると涼風が吹き収斂の気を感じさせる。
このような時は、夏に放熱が不足していると秋口に咳嗽の病を引き起こすのだ。乾いた咳、喉の痛みなど今ではコロナの異種株の症状ではあるが、『素問』が書かれた時代では、瘧(おこり)と謂われるマラリア感染者が秋口に発病しやすいとされていた。そして現代、夏の冷飲過多や、熱中症予防で過度な冷房に中ることで、マラリア感染でなくとも肺に関わる病を醸し出すこともあるのだ。 (さらに…)
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』19 健康×ECサイト
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』19 健康×ECサイト
2022.09.09
これからの未来、あらゆるもののデジタル化とネットワーク化が進むことになります。ネットワーク化が進みデータが蓄積されると、ビックデータ解析による予測が可能となり、個々人に最適化されたサービスが提供できるようになるのです。とはいえ、最適化されたサービスを提供するには、あらゆるパターンのデータが大量に必要になります。そのため、皆が同じプラットフォームを使っている方がデータは集まりやすく、最適化されやすくなるうえ、使っている人が多ければ多いほど、そのプラットフォームにサービスを登録する業者も増えるためサービスが充実し、利用者が増えていきます。ある人がネットワークに加入することによって、その人の効用を増加させるだけでなく、他の加入者の効用も増加させることを「ネットワーク効果」と呼んでおり、デジタル時代を勝ち残るにはこのネットワーク効果を考慮することが必要不可欠なのです。 (さらに…)