連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』36 膀胱
2021.10.25
素問第八に「膀胱は州都の官」とあります。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』36 膀胱
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』36 膀胱
2021.10.25
素問第八に「膀胱は州都の官」とあります。 (さらに…)
『ちょっと、おじゃまします』~トヨタコレクション「いのちと向き合った医師たちの挑戦」展 名古屋市西区〈トヨタ産業技術記念館〉
『ちょっと、おじゃまします』~トヨタコレクション「いのちと向き合った医師たちの挑戦」展 名古屋市西区〈トヨタ産業技術記念館〉
2021.10.25
江戸期の東洋医学を知る
12月19日までトヨタ産業技術記念館で開催されている『いのちと向き合った医師たちの挑戦』展。貴重な科学技術資料を展示するトヨタコレクションが今回取り上げたのは、江戸時代の医療。西洋医学をどん欲に吸収し、応用していく過程で劇的に進歩した医療機器や資料が多数展示されています。同館ホームページ内の「バーチャル展示室360」を利用することで、展示品はもちろんパネルや解説動画の閲覧など、まるで会場に足を運んだかのような体験も可能です。
順路の前半は薬研や漢方ふるい箱など薬草の研究に使われた道具が展示されています。「未病」への関心が現代と変わらないほど高かったことも、貝原益軒の『養生訓』の展示を見れば一目瞭然です。順路後半では木骨や五臓六腑の解剖図などが並び、 (さらに…)
今日の一冊 心配事の9割は起こらない
今日の一冊 心配事の9割は起こらない
2021.10.25
心配事の9割は起こらない―減らす、手放す、忘れる「膳の教え」
枡野俊明 著
三笠書房 1,320円
無駄なものをそぎ落して、限りなくシンプルに生きる。禅僧、大学教授、庭園デザイナーと様々な顔を持つ著者が心配ごとのタネを紐解き、ラクに生きる方法を紹介する。心を落ち込ませるもの、悩ませるものの正体は実体がなく、客観的に見れば何でもないことがほとんど。それでも避けることのできない「人間関係」「お金」「老い」「死」と、どう向き合うべきなのか。減らす、手放す、忘れるといった基本的な禅の教えを日常生活に取り入れることで、人が生きていく上で本当に必要な価値観を問う。
編集後記
編集後記
2021.10.25
▽全世界でプレイ人口1億人以上の人気ゲーム『League of Legends(LoL)』で、日本の代表チーム『DetonatioN FocusMe(DFM)』が日本勢初の本戦進出を果たしました。「世界最弱」とも言われてきた日本。予選では過去に何度も破れた因縁のチームに勝利しグループ1位で突破した姿が多くの歓声を呼び、本戦ではいきなり優勝候補チームと――何のこっちゃ、と思った人も多いでしょう。まるで知らないスポーツの話とも。全くその通り。世界的な「eスポーツ」の盛り上がりは、もはや新たなスポーツそのもので、LoLでは鍼灸を選手のケアに取り入れているプロチームも複数存在するんです。残念ながらDFMは敗退してしまいましたが、eスポーツ選手、そして治療家の活躍に今後も注目したいですね。(平)
10月20日開始の「来院時オンライン確認」、施術所は利用不可
10月20日開始の「来院時オンライン確認」、施術所は利用不可
2021.10.22
マイナンバーカードを使って保険資格の本人確認ができる「オンライン資格確認」の運用が、10月20日より本格的にスタートした。当初、3月下旬より運用を開始する予定だったが、見送られていた。
ただ、現時点で利用できるのは保険医療機関(病院や診療所等)と薬局のみ。整骨院・接骨院・鍼灸マッサージ院は対象外となっている。施術所への導入は、「マイナポータル」(政府が運用するオンラインサービス)を活用した方法での実施が今後検討される予定という。
※オンライン資格確認とは、レセプトのオンライン請求のネットワークを介して患者の保険資格をリアルタイムに確認できる仕組みのこと。従来の、来院時に患者から健康保険証を預かり、最新の情報に更新するといった手間が省ける
全柔協、大阪府警と安全・安心まちづくり協定結ぶ
全柔協、大阪府警と安全・安心まちづくり協定結ぶ
2021.10.12
10月12日、全国柔整鍼灸協同組合(全柔協)と大阪府警察が「安全・安心なまちづくりに関する協定」を締結した。柔整団体が警察と協定を結ぶのは全国で初めてという。
今後、両者は同府内における特殊詐欺などの犯罪被害の防止に向け、協力・連携して取り組んでいく。
詳細は、10月25日発行の弊紙次号で伝える。
あはきの2020年度受療率 鍼灸4.9%で低迷続く
あはきの2020年度受療率 鍼灸4.9%で低迷続く
2021.10.10
あマ指は16.4%、コロナで減少転じる
2020年度における年間受療率が「鍼灸で4.9%、あん摩マッサージ指圧で16.4%」であることが分かった。毎年、明治国際医療大学学長・矢野忠氏を班長とする調査研究班があはき療法に関する受療率等を調査し、このたび報告書が公表された。鍼灸は2014年度以降の4~5%という落ち込み傾向が依然として続いている状況だ。
本調査は、公益財団法人東洋療法試験財団の2020年度鍼灸等調査研究として実施。2020年11月6日から15日までの間、20歳以上の者を対象に全国で調査を行い、回答者数は1,201人だった。男女比は「46.4%:53.6%」で、年齢は「70歳以上」が27.0%と最も多く、「40代」18.6%、「60代」16.9%などと続く。職業は「労務職」「無職の主婦」「事務職」の割合が多く、それぞれ2割強となっていた。
鍼灸の年間受療率は、「現在受けている」1.6%(19人)と、「1年以内に受けたことがある」3.3%(40人)の両者の回答を合わせて「4.9%」であった。前年度より0.3ポイント下がる微減。ここ最近の受療率4~5%の横ばい傾向は変わらず、過去7%前後で推移していた2010年代初頭以前と比べると低迷を抜け出せていない。受療しなかった理由としては、 (さらに…)
『医療は国民のために』328 亜急性負傷が廃止された今、自費メニューの「導入」が必要!
『医療は国民のために』328 亜急性負傷が廃止された今、自費メニューの「導入」が必要!
2021.10.10
平成30年6月以降、柔整療養費の支給対象から「亜急性」が削除され、柔整師にとって厳しい保険請求の実態となっているのは、改めて言うまでもないだろう。
保険者は負傷原因の確認に当たって、課長通知上の「外傷性とは、関節等の可動域を超えた捻れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を示すもの」をことさら振りかざし、こちらの主張する「反復性・蓄積性・オーバーユース(酷使、使い過ぎ)に起因する請求」の正当性もほとんど聞き入れなくなってきている。具体的には、「捻れがない」「関節可動域を超えたとは言えない」「外力の発生機序がない」「身体組織が損傷を受けたとは言えない」といったことで不支給処分または不備返戻とされてしまう。私としては「人は寝ている間でも頸椎捻挫する」も正当な主張だと思っているが、保険者からすれば、「人は単に寝ている間に捻挫などしない」と考えているようで、これも前述の「外傷性の定義」を論拠にしているのである。 (さらに…)
北里大学東洋医学総合研究所主催 養生シンポ、コロナ禍見据え
北里大学東洋医学総合研究所主催 養生シンポ、コロナ禍見据え
2021.10.10
「自分養生」と「他者養生」語る
北里大学東洋医学総合研究所主催シンポジウム「未病と養生」が8月22日、オンラインで開催された。
宮川浩也氏(日本内経医学会前会長)の講演では、養生を自身の健康を増進する「自分養生」と、大切な人や生き物の世話をし、慈しむ「他者養生」に分類。家族のために自分も元気でいないと……と考えるように、自分養生は他者養生のための資源となるもので、また、他者養生の実践が自然と自分養生につながるとした。一般にイメージされる、食事や運動、サプリメントなどでアンチエイジングを目指す行いは自分養生であり、ルーツは馬王堆医書や張家山医書に見える、神仙家が不老長寿を目指す修業術にあると説明。60代の宮川氏から見た親世代の平均寿命が、こうした「神仙養生」の習慣があまり定着していないにもかかわらず大きく伸びたのは、生活環境の改善や医療の充実だけでなく、子供を育てるため無心に働いてきたことが、自然と自分養生になったと推察した。
また、自分養生は健康増進、病気予防、病気治療に大別。健康増進には、努力家に向く神仙養生のほか、 (さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』42 卵質と着床能の向上
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』42 卵質と着床能の向上
2021.10.10
1年間のラジオ番組「ハリある暮らし」が終わりました。放送原稿はA4で三百枚を超え、月に25枚以上書いたことになります。当初コロナの影響で少なくなった患者さんも徐々に戻り始め、今春以降は週に百数十人が来院される中、ひたすら原稿を書きまくりました。ラジオの経済効果は計り知れず、知人の鍼灸院だけでも何人も新患さんが足を運ばれたといい、当院も様々な愁訴での来院が多数。初診でお話すると「あ、ラジオの声!」とおっしゃる患者さんもいました。鍼灸師が公共のメディアで冠番組を持ったのは史上初でしょうから、今後の動向も注視したいと思います。音源も全て放送局から頂いたので、それを使って動画を作ろうかと頭に浮かび、アドビのアフターイフェクトやプレミアムプロを勉強したいとも思っています。
さて、8月のレーザーリプロダクション学会、10月の不妊カウンセリング学会の配信に続いて、11月28日には岐阜県鍼灸師会主催の講演があります。 (さらに…)
レポート 日本プライマリ・ケア連合学会主催セミナーで2度目となる鍼灸セッション開催
レポート 日本プライマリ・ケア連合学会主催セミナーで2度目となる鍼灸セッション開催
2021.10.10
医療法人弘池会 口之津病院/家庭医療専門医指導医・寺澤佳洋(医師、鍼灸師)
『シン・鍼灸治療の活用』と題し、少しマニアな世界を!
9月20日、一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会主催の「秋季生涯教育セミナー」の一つとして、鍼灸セッションがWeb形式で開催されました。昨年はコロナ禍で残念ながら中止となりましたが、リアル(対面)で実施した一昨年(2019年)以来、2年ぶりとなる開催でした。
筆者は、鍼灸師になった後に医師になった背景もあり、元より鍼灸の有用性を十分体感しています。また、海外ではガイドライン等でも鍼灸治療が上位に記載されているにもかかわらず、国内での活用は十分といえない状況にあり、日常診療のかたわらで『医はき師 てらぽん』を名乗り、医師、鍼灸師など医療人が正しく活躍でき、患者も含めた困っている人たちがHappyになれるようなことをデザイン・企画しています。そんな中、今回のワークショップ(WS)を医師中心で構成する同連合学会に申し込みました。
さて、今回開いたWSのテーマは、『シン・鍼灸治療の活用―少しマニアな世界も』。参加の医師やコメディカルに鍼灸の幅広い世界を見て知ってもらい、明日の臨床に生かせるTipsも随所に盛り込んだ企画としました。“マニア”という癖の強い言葉は筆者が勝手に付けたものですが、東洋医学や鍼灸の専門用語、またその独特の思考に少しでも接近してもらえるよう願いを込めました。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』171 若者のゴルフブームはコロナ禍の影響?
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』171 若者のゴルフブームはコロナ禍の影響?
2021.10.10
10月に入りました。永田町周辺の歩道は銀杏がたくさん落ちて、踏みつけられてネトネトしています。以前は落果する前に手作業で落として回収されていましたが、コロナ禍でそれどころではなかったのでしょうか。第5波もようやく落ち着いて、仕事終わりの街の景色も久しぶりに活気を取り戻しているようです。新政権も発足し、色々と始動する10月になりそうです。
スポーツの秋と言いますが、コロナの影響もあるのか最近はゴルフが再びブームだそうです。特に若者の間で人気を集めているようで、その背景には、スポーツの中では比較的「三密」を避けやすいことに加えて、リモートワークが一般的となり、時間的融通がつきやすくなったことが影響しているようです。 (さらに…)
連載『中国医学情報』199 妊娠期の鍼灸の安全性―英国の産婦人科専門誌掲載論文の内容と批評(上海鍼灸雑誌)ほか
連載『中国医学情報』199 妊娠期の鍼灸の安全性―英国の産婦人科専門誌掲載論文の内容と批評(上海鍼灸雑誌)ほか
2021.10.10
今回の内容
・妊娠期の鍼灸の安全性―英国の産婦人科専門誌掲載論文の内容と批評(上海鍼灸雑誌、21年7期)
・出産後の骨盤底筋機能に対する温灸の効果―骨盤底筋訓練とランダム化比較(中国鍼灸、21年8期)
☆妊娠期の鍼灸の安全性―英国の産婦人科専門誌掲載論文の内容と批評
北京の中国中医科学院鍼灸研究所・郝(かく)鳴昭らは、Moon(文)・Kim(金)・Hwang(黄)氏らが、韓国医療保険データベースを利用して妊娠期の鍼灸の安全性を調査し、英国の産婦人科雑誌に発表した論文(BJOG, 2020,127:79-86)とその批評とを紹介(上海鍼灸雑誌、21年7期)。
<論文の内容>
対象・方法=2003~2012年の20,799例(全員初めての妊娠)をレトロスペクティブ・コホート研究(後ろ向き要因対照研究)。このうち鍼灸治療を受けたのは1,030例(4.95%。以下、鍼灸群)、受けなかったのは19,749例※原文ママ(以下、対照群)。両群の年齢・収入に差なし。
結果= (さらに…)
読書日和から新刊 「あまねく届け! 光」
読書日和から新刊 「あまねく届け! 光」
2021.10.10
あまねく届け! 光
見えない・見えにくいあなたに贈る31のメッセージ
視覚障害者就労相談人材バンク有志による新刊「あまねく届け! 光」が、読書日和から上梓された。A5判400頁、2,750円(税込)。
事務職、生活支援員、数学教員、研究職、司法書士、銀行員、精神科医、そして鍼灸マッサージ師――。ある人は生まれつき、ある人は突然視界に異常が……それぞれの事情で視覚障害を持ちながら様々な道を歩む人々の、31篇の手記を収録。「なぜ『視覚障害=三療』なんだ、好きでもやりたいわけでもないのに」「理療の世界は今までとはまったく別世界です。目に障害があるからこそ、新しい世界へ飛び込もうと考えることができました。そしてこれから、新たな人生に踏み出すことができるのです」――。31の物語、その全てに込められた、苦悩と希望のメッセージを追う。
視覚障害やその他の理由で本が読めない方のための、郵送でのテキストデータ引換券付き。
(さらに…)
柔整支給件数、109万件減少 あはきはいずれも約10%増 協会けんぽ 令和2年度報告
柔整支給件数、109万件減少 あはきはいずれも約10%増 協会けんぽ 令和2年度報告
2021.10.10
このほど、全国健康保険協会(協会けんぽ)が公表した「令和2年度事業報告書」の中で、療養費の支給額等の状況が示された。柔整療養費は約1,416万件で、前年度から109万3千件減、支給額は30億円減少と、減少幅が大きくなった。1件当たりの支給額については4,413円で、117円増加している。あはき療養費の支給決定件数は、マッサージが約7万8千件、はり・きゅうが約55万7千件で、いずれも前年度より10%あまり増加していた。
同報告書では適正化の推進にも触れられており、柔整では文書による施術内容の確認や啓発活動によって「施術療養費の申請に占める、施術箇所3部位以上、かつ月15日以上の施術の申請の割合」を前年度以下に抑えるとのKPI(重要業績評価指標)を達成したものとした。また、加入者が増加する中でも柔整療養費の支給件数・支給決定金額が共に減少していることを「適正化が図られている」と評価している。
以下に、過去5年の柔整療養費の推移(件数、支給額、1件当たりの支給額)、あはき療養費の受領委任制度導入前後(平成29年度以降)の支給決定件数のグラフを掲載する。 (さらに…)
レポート 宮城柔整社団の「第6回はればれ健康フェスタ」開催
レポート 宮城柔整社団の「第6回はればれ健康フェスタ」開催
2021.10.10
宮城県柔道整復師会 介護企画推進室 中川裕章
9月12日、当会・公益社団法人宮城県柔道整復師会主催で『第6回はればれ健康フェスタ』をオンライン開催しました。仙台市薬剤師会や宮城県看護協会、宮城県栄養士会等の多くの共催・後援をいただき、フレイル予防の健康講和や実演セミナーなどを行いました。
まず基調講演では、東北大学大学院の辻一郎教授を講師に、「公衆衛生学から見たフレイル予防」のお話をいただきました。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 申請書内の申請欄氏名の機械印字に押印は必要なの?
Q&A『上田がお答えいたします』 申請書内の申請欄氏名の機械印字に押印は必要なの?
2021.10.10
Q.
市役所の国保給付係からあはき療養費支給申請書が不備返戻されました。返戻理由は押印がないことで、「申請欄の申請者氏名(被保険者・世帯主)が機械印字の場合は患者から押印をもらってください」となっています。代理人欄は患者さんが署名して押印はしていません。申請欄の機械印字の氏名に患者さんの押印は必要なのでしょうか。
A.
いまだにこのような返戻をする保険者がいるのですね。結論から述べますと、ご質問のケースで患者さんの押印は「不要」です。
令和3年3月24日付保発0324第2号で示された厚労省保険局長通知は押印の省略を認める運用通知であることから、レセコンからの機械印字の記入に係る押印は「不要」であることを徹底する趣旨で発出されています。
まず、申請欄は施術者による機械印字でOKで、その場合、押印も不要となります。なぜなら申請欄の氏名は「署名欄」ではなく、 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』206 振拉摧拔(しんらつさいばつ)
連載『汗とウンコとオシッコと…』206 振拉摧拔(しんらつさいばつ)
2021.10.10
秋分の日に、愛らしい甘い香りの金木犀が咲いた。血が噴き出るような彼岸花の開花と同時にお目にかかるとは、季節の循行が実に早いものだ。
今年の歳周りの在泉は太陽寒水だけあって、冬の到来が早まる気配がある。川の水に光が反射したり、夏のように水蒸気が蒸し上げられることもないので、川底が遠目でもはっきり分かるような収斂、粛殺の気の到来を候わせる。このような時期は肝気が肺の抑制を受け、少陽胆経に病が現れる。つまり呼吸が深くなり、酸素過剰で冷やされた肝臓は代謝が低下し、熱量が胆経から奪われるのだ。気短、右肩痛、仙腸関節痛、腓骨の弛緩で膝の内側が痛んだりすることも多い。あるいは、気温の低下で細動脈側が収縮して背面や四肢、とりわけ肘周囲に痺の病を形成する。今回はそれにまつわるお話だ。
「先生、私大丈夫でしょうか? 先日、エクステに行った時から眩暈がして丸一日寝込んだんですよ。自分でネットでも調べてみたら、熱や耳鳴もないし、突発性難聴でもなく……まさか脳? って思うと怖くなって……」
訴えるのは40代半ばのキリっとしたセミロングの馬場さんという女性だ。 (さらに…)
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』8 XaaS(Anything as a Service)モデル
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』8 XaaS(Anything as a Service)モデル
2021.10.10
「XaaS(Anything as a Service、ザース)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。情報システムの構築や運用に必要な様々な資源(ソフトウェアやハードウェア)を、インターネットなどを通じて提供・利用するサービスの総称です。「X」の部分には様々な用語が当てはめられ、たとえば「Mobility as a Service」なら「MaaS(マース)」と称されます。バスや電車、タクシーからライドシェア、シェアサイクルといった交通機関を、ITを用いてシームレスに結びつけて、人々が効率よく、かつ便利に使えるようにするシステムのことです。このように、ザースとはオンサイトのローカルソフトウェアではなく、クラウドコンピューティングを駆使して様々なものをつなげ、サービスを提供したり、顧客を獲得するものです。また、得られたデータを解析して、他領域のデータと結合できれば、今まで別々に行われていたサービスを一つにまとめ、新しいビジネスを創造でき、以前取り上げたデジタルトランスフォーメーション(DX)、人々の生活をより良い方向へと変革させることにもつながっていくのです。
さて、鍼灸業界でも、インターネット経由の電子カルテが販売されるようになってきていますね。 (さらに…)
今日の一冊 福島の甲状腺検査と過剰診断―子どもたちのために何ができるか
今日の一冊 福島の甲状腺検査と過剰診断―子どもたちのために何ができるか
2021.10.10
福島の甲状腺検査と過剰診断 子どもたちのために何ができるか
髙野徹/児玉一八ら 著
あけび書房 2,200円
福島第一原発事故から10年。当時18歳以下だった福島県の子どもたちには現在も定期的な甲状腺がんのスクリーニング検査が行われており、これまで300人以上ががんと診断を受けた。だが、この割合は正常なもので、事故の影響はないとの見方が一般的だ。増悪リスクが低い若年型甲状腺がんの検査には近年、過剰診断……治療が必要ない疾患を発見し、逆に不利益を生むリスクが指摘されてきた。著者らはエビデンスを基に、検査中止を強く訴える。今なお続く不要な治療。子どもたちを守るため本当に必要なことは――。