あマ指師課程新設をめぐる裁判・東京控訴審 いきなり結審、判決12月8日に
2020.10.09
投稿日:2021.06.25
日本で生まれた伝統鍼灸「経絡治療」。1939(昭和14)年に「弥生会」という新人の会が発足して以来、その先人たちの意思が引き継がれてきた。しかし、時代の流れのなかで、その思想が失われつつあるのではないか――。経絡治療学会会長の岡田明三氏と日本鍼灸研究会代表の篠原孝市氏は、そう警鐘を鳴らす。また、その危機感こそが、一度は袂を分かった両会が今、再び手を携えようとしている理由だという。
対談第2回となる今回は、岡部系と井上系がどんな疾患を得意としたのか、また、現在の鍼灸業界に対して抱いている違和感について話してもらった。(鍼灸ジャーナリスト・山口智史)
――経絡治療学会が岡部系と井上系に分かれて、岡部素道は多くの患者を同時に診るために置鍼に、井上恵理氏は手早く患者を診るために、接触鍼にたどり着いたそうですが、それぞれどんな疾患に効果を発揮しやすいのでしょうか。
岡田 岡部先生が導入した置鍼は、交感神経の緊張を取り除くには最適で、不眠や慢性疾患に対してよく効きます。
篠原 井上先生も、岡部先生と大きな違いはなく、慢性疾患を主に扱いました。そしてそれに対応するため「全体」を考慮した治療、つまり経絡の補寫を鍼灸の最重要事項としました。経絡治療は、なによりも近代化された社会の慢性疾患を扱うための治療法であり、併せて急性病にも対処できるものですから。その意味で、井上先生と岡部先生の方向性は終生一致していました。両先生の違いは、やはり、経絡治療という枠の中での病態観や診察の枠組みということになろうかと思います。
――岡部系と井上系が一緒にやっていくとのことですが、なぜ今なのでしょうか。
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