柔整療養費の施術管理者研修 来年度開催分が2月下旬から申込開始
2024.02.25
柔整師向け「施術管理者研修」の来年度以降の開催分について受講受付が開始される。5・6月開催分は2月下旬、7~9月開催分は5月頃からの予定。オンライン形式の開催で、募集人数は各300人。オンライン受講ができない者向けの枠も一部用意されている。
柔整療養費の施術管理者研修 来年度開催分が2月下旬から申込開始
柔整療養費の施術管理者研修 来年度開催分が2月下旬から申込開始
2024.02.25
柔整師向け「施術管理者研修」の来年度以降の開催分について受講受付が開始される。5・6月開催分は2月下旬、7~9月開催分は5月頃からの予定。オンライン形式の開催で、募集人数は各300人。オンライン受講ができない者向けの枠も一部用意されている。
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』229 業界の特異性を知り、視野を広く
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』229 業界の特異性を知り、視野を広く
2024.02.25
私は、はり・きゅうやマッサージの療養費の同意書を書いていますが、医師の中にはそれを一切断っているところもあります。リウマチや膠原病専門のクリニックで上手に東洋医学と連携して診療しているところもあれば、忌み嫌うところもある。この言わば両極端の状況は、私がこの連載を始めた10年前からあまり変わっていません。先日も知人の医師が、患者さんを介した同意書の依頼が姑息であると怒りの声を上げていました。10年かけて、変わっていないということは、戦略的に大きく間違ってはいないけれども正しくもない、ということでしょうか。
東洋医学は浮き沈みしながらも、医学部のコアカリキュラムに包含され、医学部卒業生なら東洋医学を概説できるようになりました。メディアにも良くも悪くも大きく取り上げられる機会は増えつつあります。昔から内容的には東洋医学の効用を推奨する番組が多いのに状況が変わらないのは、方法を考えなければならないのかもしれません。 (さらに…)
G.B.から新刊 国王陛下の鍼灸師
G.B.から新刊 国王陛下の鍼灸師
2024.02.25
株式会社G.B.より新刊『国王陛下の鍼灸師』が発刊された。著者は日本中医美容研究会会長の北川毅氏、四六判、192頁、1,980円(税込)。
著者の北川氏は世界を舞台に鍼灸施術を行う。そんな中、2012年にヨルダン国王からの施術指名を受け、現地へ飛び治療にあたったという。以降も度々ヨルダンへ渡り、あるいは国王が来日した際に治療を行っている。
本書は日本人鍼灸師とヨルダン国王の治療を通じたルポ兼、旅行記だ。国王の気さくでチャーミングな人柄に北川氏が何度も言葉を詰まらせる様子はどこか微笑ましい。治療の合間には世界遺産のペトラ遺跡や世界一塩分濃度の高い塩湖・死海などを訪ね、そのエピソードが多くの写真を添えて紹介されている。一方で、2015年に渡航した際には、「イスラム国日本人人質事件」が発生。当時の緊迫した様子が国王本人から漏れ聞こえる。
中東一の親日国ヨルダンと日本を股に掛けたアブドッラー2世ヨルダン国王推薦の一冊。 (さらに…)
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』227 膝関節内側側副靱帯損傷
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』227 膝関節内側側副靱帯損傷
2024.02.25
竹本 晋史(筋・骨格画像研究会)
14歳男性、年末にキックベースボールの守備中、ランナーがベースにスライディングをしてきた時に相手の足底部が左膝関節の外側に強く当たり、膝関節が外反強制されて発症。受傷直後は激痛でうずくまり立てなかった。帰宅時には自転車を漕いで帰ることが出来たが痛みは強かった。帰宅後はアイシングを行いバンテージで簡易な固定をしていた。
正月が明けて当院を受診。歩行は出来るが痛みは伴うとのこと。視診で左右比較すると患側である左側の膝蓋骨の輪郭が若干、ぼやけており、腫脹が認められる【写真①】。
外反ストレステストを行うと患側に動揺が認められる。そこで超音波観察装置(以下:US)で観察した【画像①】。
(さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 「2024年問題」が柔整・あはき業界に及ぼす影響について
Q&A『上田がお答えいたします』 「2024年問題」が柔整・あはき業界に及ぼす影響について
2024.02.25
Q.
「2024年問題」という言葉を耳にすることがあります。建設・運輸業界だけでなく、医療業界も含む「時間外労働の上限規制」に関する様々な問題を指すようですが、柔整・あはき業界にも影響があるのでしょうか?
A.
2024年は元日の能登半島地震・津波、そして翌日の羽田空港での機体接触事故から始まったので、すでに激動の様相を呈しています。さて、以前からよく聞く2024年問題が柔整・あはきの業界にどのような影響を及ぼすのかとのご質問ですが、施術所で何を準備しなければならないのか参考になればと思います。
2024年問題は物流業界が主ですが、建設業界、医療業界でもよく取り沙汰されています。これまで過剰な時間外労働に見合う賃金が支払われていないことが問題視されてきましたが、企業側は「働き方改革」によって、2024年4月までに時間外労働賃金(いわゆる残業代)を増やすなどの取り組みをしなければならなくなりました。 (さらに…)
第5回神奈川学童野球指導者セミナー
第5回神奈川学童野球指導者セミナー
2024.02.25
1月21日、第5回神奈川学童野球指導者セミナーが横浜市内の市西公会堂にて開催された。学童野球指導者をはじめ柔整師や医師が多数来場し、年齢に応じたトレーニング指導や傷害・障害の予防についてなどの報告がなされた。
投球フォーム不良は不調箇所の代償行為
西中直也氏(昭和大学大学院保健医療学研究科・教授)は投球フォーム不良の特徴について、「上体の開きが早い」「肘が下がる」の2つを挙げた。これらの特徴は選手自身が明確に身体の不調を感じている場合とそうでない場合があるとした。ただ、選手が不調を感じていなければ本人から相談することは少なく、周囲が気付かないと悪化してしまうと説明した。 (さらに…)
連載『食養生の物語』129 『ざくざくと、はりはりと』
連載『食養生の物語』129 『ざくざくと、はりはりと』
2024.02.25
春の野草は生命力に溢れ、アクが強いのが特徴です。なかでもヨモギは、冬に根がしっかり張り、春に芽吹く葉は分厚く、身体を温める性質が強い野草です。独特の香りと濃い緑色が特徴で、「緑の血液」と呼ばれる葉緑素(クロロフィル)が豊富。ヨモギの葉緑素は良質で、血液の循環を良くする浄血・造血の働きがあります。
「よもぎをざくざくに切り、塩を少し用い、揉み洗いして入れる」と、江戸時代の『料理物語』に記されている「ざくざく汁」。ヨモギのアクを塩揉みで和らげてから、ザクザク切って味噌汁に入れていたとうかがえます。他に、いろんな野菜や山菜も入れていたようです。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』64 素問・二十六 『八正神明論』
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』64 素問・二十六 『八正神明論』
2024.02.25
この篇では、月の満ち欠けによって治療法を変える話が出てきました。
岐伯
「新月の時は、体では肌肉がしぼんで経絡が虚し、衛気が去って体だけになっています。この時に治療をすれば、真気と邪気が重なって貼りついたまま深く沈んで取れなくなりますので、新月の時には、どんな治療もしてはいけません。 (さらに…)
今日の一冊 江戸の好奇心 花ひらく「科学」
今日の一冊 江戸の好奇心 花ひらく「科学」
2024.02.25
江戸の好奇心 花ひらく「科学」
池内 了 著
集英社新書 1,210円
体系的な学問である西洋科学に対して、江戸の科学は好奇心に根差した「幅広く、難しくもなく、近寄りやすい」生活的な文化だと著者はいう。
本書は、特殊例や脇道に拘泥した末に極まっていった江戸科学について、「和算」「博物誌」「園芸」「育種」「技術」の5つに分け専門家や専門書の紹介を交えて解説する。町人たちが軒先で語り合った奇問・難問、奇種・珍種は江戸全体を巻き込んだ文化として根付いていく。
洒落や粋では収まらない、とことんまで突き詰められた江戸科学をご照覧あれ。
編集後記
編集後記
2024.02.25
▽昆虫食ブームが去ってしまったようです。少し前に食用コオロギが話題となりましたが、パイオニアの企業が倒産してしまいました。食肉不足対策として研究を進めていたようですが、虫をたんぱく源とするのは人類にはまだ早いようです。「虫食べるくらいなら豆食べる」……そりゃそうだ。
先日、そんな世間に一石を投じる漫画『アタマの中のアレを食べたい(アサギユメ:著)』に出会いました。作者自身が一般的に食べ馴染みのない「アレ」な食材を使った料理を食べるグルメ(?)漫画です。ポップな画風のフルカラーで、料理はもちろん食材となるアレも精彩に描かれており、思わずゴクリ。提供してくれるお店も紹介されており「1回くらいは食べてみたい。いや、無理でしょ」と頭の中が回転を始めます。(今)
柔整専門委 令和6年改定の議論スタート
柔整専門委 令和6年改定の議論スタート
2024.02.09
明細書義務化の範囲等を見直し
1月25日、第27回柔整療養費検討専門委員会がオンラインで開催され、「令和6年料金改定」に関する話し合いが行われた。6月改定に向け、今回議論をスタートさせ、厚労省が議題として「明細書交付義務化対象の拡大等」、「患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加」の2つを提示した。
保険者側「発行割合が低すぎ」
柔整側「負担に見合う対価を」
「明細書交付義務化対象の拡大等」については、前回の令和4年改定で導入された「明細書発行体制加算」において、加算対象(=義務化対象)となる施術所の要件2つ(①明細書発行機能のあるレセコンを使用、②常勤職員3人以上)を拡大・変更するかを争点とした。なお、明細書発行体制加算は、「要件に該当する施術所」が事前に地方厚生局に届け出た上で、患者に明細書を無償で発行した場合に、月に1回のみ、13円を算定できるというもの。
当日厚労省は、議論を促す前に、令和4年12月から令和5年2月までに調査した「柔道整復施術所の明細書交付状況に関する実態調査」のアンケート結果を報告。結果の要点として、▽約70%の施術所が常勤2人以下、▽明細書を無償交付している割合は約11%、▽施術のたびに交付している割合は約48%、▽レセコンによる交付が約83%(手書き交付が約6%)、などを挙げ、地方厚生局で把握している届出状況とも近しい数値データであったと説明した。 (さらに…)
『医療は国民のために』384 刺絡は「合法」であり、問題ないことを周知したい
『医療は国民のために』384 刺絡は「合法」であり、問題ないことを周知したい
2024.02.09
今回は、鍼灸師が行う「刺絡」について解説したい。養成施設等の教育現場では、教員の認識不足によって「法的にダメなもの」として教わり、「自分たちは刺絡をやってはいけないと授業で習った」という鍼灸師もいまだに存在する現状だ。
過去を振り返れば、平成9年4月30日に開かれた、小泉純一郎氏が厚生大臣時代の衆院厚生委員会で、それを問われて、「あの鍼を刺して血が出ない方がおかしい」と質問者が一蹴された。同年7月に厚生省大臣官房から『教科指導要領準則』が発行され、当時、作成担当を務めた厚生教官(国立リハセンター理療教育部)の芦野純夫先生が、「はり実技」(ウ)特殊鍼法に「刺絡鍼法」と名付けて書き込み、授業で教えられるようになったところである。 (さらに…)
第27回日本統合医療学会学術大会 健康長寿めざし統合医療の実践を
第27回日本統合医療学会学術大会 健康長寿めざし統合医療の実践を
2024.02.09
第27回日本統合医療学会学術大会が昨年12月16日、17日に静岡県コンベンションアーツセンターグランシップ(静岡市駿河区)にて開催された。テーマは『健康長寿と統合医療―こころ・からだ・たべもの・くすり』。4年ぶりの対面開催で500名を超える参加者が足を運んだ。
会頭講演で山田靜雄氏(静岡県立大学薬学部特任教授)は健康長寿と統合医療をテーマに講演した。
キューバが高度な福祉や予防医療への注力で注目を浴びている例や、アメリカでは補完代替医療の浸透に関する調査が国会で報告され、米国国立代替医療センターの設立(1998年)に至っている例を紹介し、海外ではかねてより国家ぐるみで予防や補完代替医療に携わってきたと示した。
統合医療について「近代西洋医学を中心として、伝統医学や相補医療を統合して全人的医療を患者中心に行うものである」と医学博士の故渥美和彦氏の言葉を引用し、医療従事者や地域住民が社会プロジェクトとして取り組む必要性を伝えた。WHOは健康を「身体、精神、および社会的によい状態、病気ではないとか、虚弱でないということではない」と定義しているとも示し、テーマにある「こころ・からだ・たべもの・くすり」は相互関係にあり健康に影響を及ぼすと説明した。中でも薬の多剤併用は各要素に深刻な影響を与えると問題視した。
また、社会や人とのつながりが死亡リスクに与える影響、運動により分泌されるホルモンの効果、自然や食物が五感を通じてもたらす効果なども統計などをふまえ解説し、統合医療の実践を呼びかけた。 (さらに…)
施術所向けオン資 「ユーザー登録」の手続き開始
施術所向けオン資 「ユーザー登録」の手続き開始
2024.02.09
4月運用開始に向け、専用アプリもリリース
4月から運用が始まる「柔整・あはき療養費のオンライン資格確認」で、1月31日から施術所等向け総合ポータルサイト(https://iryohokenjyoho.service-now.com/omf?id=omf_index)において「新規ユーザー登録」の手続きができるようになった。併せて、患者情報の読み取り時に使う専用アプリもリリースされた。
昨年末、現行の保険証を12月2日に廃止すると閣議決定され、確実に「マイナ保険証」を基本とする仕組みに移ることから、施術所でもこれを期限とし、患者がマイナ保険証を使える体制を整えることが不可欠となった。カードリーダーや端末(スマホ等)を用いて患者の資格情報を読み取るにも、専用アプリを利用するにも、購入機器の助成金を申請するにも、まずはポータルサイトから「ユーザー登録」の手続きが必要となる。厚労省も早めの準備を促している。 (さらに…)
柔整レセ17件紛失 港区、誤廃棄が原因
柔整レセ17件紛失 港区、誤廃棄が原因
2024.02.09
東京都港区が1月23日、接骨院・整骨院から提出された柔整療養費の支給申請書17件を紛失したと公表した。
紛失したのは、東京都国民健康保険団体連合会から1月10日に届いた申請書で、2日後に集計した件数と国保連から受け取った件数が合わず、紛失が判明したという。
仕分け作業を事務室内の一定の場所で行わず、移動した際に誤廃棄した可能性が高いと同区。二次被害の報告はなく、申請書の再発行により施術所への支払いを通常通り行っていくほか、施術を受けた患者へも状況を説明し、謝罪したとしている。
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』70 強い院づくりとは
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』70 強い院づくりとは
2024.02.09
前号に続き経営についてのお話です。20年前、高校時代の親友が突然私のところに訪ねてきて「今日からお前のところの経理は俺が見るから」と、強引に当院の顧問会計士になりました。彼は銀行、国税局勤務を経て、公認会計士になっていました。彼には「大学も専門学校も出て、人より多くのお金がお前に投資されているのだから、サラリーマン以上の収入がなければ意味がない」という耳の痛いお小言を頂戴しました。
確かに私の出身大学からは、卒業時に三分の一が一部上場企業に就職し、一部は公務員になるなど、卒業生の約半分は生涯賃金が約2億円で、しかも老後には厚生年金という強い味方がつきます。「それに比べて俺は……」と現実を突きつけられたのです。当時、どん底鍼灸師だった私は、途方に暮れました。
それが現在、ホームページは必要最小限の内容にしてSNS集患やクチコミ集めはナシ。治療費は一人平均5,700円で、年間通院者8,000人以上(予約枠がほぼ満杯)を継続。これはまれではないかと思います。多くの患者さんに「来てよかった」と思ってもらえていないと、この数の達成は不可能です。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』228 日本の医療研究は 世界に向け産業的に活性化を
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』228 日本の医療研究は 世界に向け産業的に活性化を
2024.02.09
先日、某大学の先進医療を提供する新しい施設を見学してきました。空港の近くにあり、海外からの患者さんを意識しているような研究と自由診療を中心とした施設です。最新の設備が準備され日本に数台しかないCTや、産学共同で開発された装置がたくさん並んでいました。
近年、インバウンド応需の最新鋭医療施設があちこちにできています。私も10年ほど前より、中国からのインバウンド誘致の相談を受けていました。ただ、そうした施設が経営的に順調という話は、あまり聞いたことがありません。これはコロナ禍で人流制限されていたからだけではありません。 (さらに…)
晶文社から新刊 背中は語っている―〈からだのことば〉をときほぐす東洋医学
晶文社から新刊 背中は語っている―〈からだのことば〉をときほぐす東洋医学
2024.02.09
株式会社晶文社から新刊『背中は語っている―〈からだのことば〉をときほぐす東洋医学』が発刊された。著者は鍼灸師で小説家の松波太郎氏(さいたまのハリとお灸豊泉堂)。四六判、234頁、1,870円(税込)。
治療院でのワンシーンを切り取ったようなストーリー仕立てで、背中の“ことば”に目をむける大切さを語りかける。舞台の治療院には「痛い!」「毛が生えちゃってる」「黒ずみがある」など、様々な背中をもつ患者さんが訪れ、イラストとともに背中の特徴、東洋医学的解説、治療方法などを紹介。セルフケアも充実し、患者さんに話すようにツボの探し方や押し方を教える。
「口よりも、もっともっと大切な“ことば”があります」「言葉は口からしかないでしょ?」と、こんな具合に日常の鷹揚なやりとりや内面のつぶやきを聞かせてくれる主人公で著者の松波先生。読後はすっかりファンになってしまっているかも。 (さらに…)
連載『中国医学情報』227 アナトミートレイン理論と経筋理論による癌性疼痛の鍼灸治療
連載『中国医学情報』227 アナトミートレイン理論と経筋理論による癌性疼痛の鍼灸治療
2024.02.09
☆アナトミートレイン理論と経筋理論による癌性疼痛の鍼灸治療
『アナトミートレイン:徒手運動療法のための筋膜経線』(トーマス・W・メイヤーズ著、板場英行ら訳、第4版、医学書院、2022年)は、中国版(2016年)もあり経絡経筋との類似性に中国で注目されている。北京中医薬大学・李麗玲は、同大鍼灸腫瘤研究所・黄金昶(きんちょう)教授によるアナトミートレイン理論と経筋理論を結合した癌性疼痛の鍼灸治療法を紹介(中国鍼灸、2023年8期)。
<癌性疼痛の弁証>
実性癌性疼痛=常に腫瘍の進展期に発生。疼痛部位の拒按(押されるのを嫌がる)/筋肉の痙攣/運動制限/多様な疼痛(刺痛・冷痛・灼熱痛)/疼痛激烈/筋膜反応点は常に癌病巣付近/触わると筋緊張増加/圧痛や牽引痛が明瞭。
虚性癌性疼痛=多くは癌性悪液質段階に発生。疼痛は常に鈍痛、四方に拡散、定まった部位はなく原発部位から離れた部位にも発生。疼痛部位は喜按喜暖(押され温められるのを好む)/動作に力なく/動くと疼痛悪化/患者は常に「隠痛(持続性の微痛)・空痛(空虚感のある痛み)・墜痛(下腹部が重苦しく便意のあるような痛み)・酸痛(だるい痛み)があるが、その場所は分からない」と訴える/筋膜反応点が疼痛区域に沿ってあるいは通過する経筋に散在して分布。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』同一日に複数のマッサージ施術を受けた場合の取り扱いは?
Q&A『上田がお答えいたします』同一日に複数のマッサージ施術を受けた場合の取り扱いは?
2024.02.09
Q.
はり・きゅう療養費は厚労省の通知により、疾病の種類、疾病の数及び部位数にかかわらず1日1回に限り支給するものであるとされています。そのため、複数の施術所で同日にはり・きゅうの施術を行った場合はどちらか一方しか療養費は支給されませんが、あん摩・マッサージ施術においてもこうした制限はあるのでしょうか?
A.
はり・きゅうは留意事項通知に「(略)疾病の種類、疾病の数及び部位数にかかわらず1日1回に限り支給するものであること」と明記されていますが、あん摩・マッサージにはこの点が明記されていません。同一日に複数の施術を受けた場合に療養費の請求は1日1回に限る規定は明記されていないのです。
しかし、「同意する疾病について、保険医が処置や投薬等の治療を行う場合、患者は療養費の支給を受けることは可能か」という問いに対し、「(略)同意した疾病か否かにかかわらず、保険医療機関において療養の給付として医療上のマッサージが行われた日については、患者は療養費の支給を受けることができない」との記載はあります。 (さらに…)