京都府、施術所へ物価高支援で6万7000円給付
2024.01.11
京都府が1月10日から、長期化する物価高騰に伴って厳しい経営状況にある施術所を含む医療施設等へ支援金を給付する「京都府医療機関等物価高騰対策事業交付金」の申請受付を開始した。1月31日まで。
療養費(償還払い含む)を取り扱う府内施術所を対象とし、1施術所当たり6万7,000円を給付する。出張専門のあはき施術所も可能。申請はWEBまたは郵送。
京都府ホームページ【物価高騰対策交付金(施術所)申請手続き・方法】
京都府、施術所へ物価高支援で6万7000円給付
京都府、施術所へ物価高支援で6万7000円給付
2024.01.11
京都府が1月10日から、長期化する物価高騰に伴って厳しい経営状況にある施術所を含む医療施設等へ支援金を給付する「京都府医療機関等物価高騰対策事業交付金」の申請受付を開始した。1月31日まで。
療養費(償還払い含む)を取り扱う府内施術所を対象とし、1施術所当たり6万7,000円を給付する。出張専門のあはき施術所も可能。申請はWEBまたは郵送。
京都府ホームページ【物価高騰対策交付金(施術所)申請手続き・方法】
令和6年は料金改定やオン資など 慣例通りなら改定率は0.26%か?
令和6年は料金改定やオン資など 慣例通りなら改定率は0.26%か?
2024.01.10
令和6年を迎えた――今年は、2年に1度の療養費の料金改定が実施される年だ。あはき療養費では既に改定に向けた議論が進んでおり、柔整でもじきに検討が始まる予定だ。また、政府の医療DXの推進でマイナ保険証の利用(オンライン資格確認)が柔整・あはき療養費へも拡大し、4月から運用がスタートする。
4月開始のオン資、 準備は早めに!
施術所が提供する医療サービスの対価(報酬額)に影響する「療養費の改定率」については、慣例的に診療報酬の「医科」の2分の1とされてきた。これに従えば、昨年末に決まった医科の改定率がプラス0.52%であることから、柔整・あはき療養費は0.26%のプラス改定になると見込まれる。
また療養費の改定時期は、通常、診療報酬より概ね2カ月遅れの6月に施行されてきた。しかし、令和6年度の診療報酬改定では、医療DXに向け、医療機関・薬局及びベンダー系企業の負担軽減等を目的に6月施行とし、「後ろ倒し」とすることが決まった。これに伴い、柔整・あはき療養費の改定時期が「8月施行」となるのか、これまで通り「6月施行」となるのかは現時点で定かではない。 (さらに…)
第5回日本伝統医療看護連携学会学術大会 多業種の視点から見えてくるもの
第5回日本伝統医療看護連携学会学術大会 多業種の視点から見えてくるもの
2024.01.10
日本伝統医療看護連携学会の第5回学術大会が昨年11月25日、『Various Treatments(多様な治療選択)―人・場所・方法』と題し、産業医科大学(福岡県北九州市)とオンラインのハイブリッドで開催された。
鍼灸のコンピテンシーとは、看護師研究をもとに模索
大会長講演では立石和子氏(産業医科大学産業保健学部教授)が『伝統医療従事者に求められるコンピテンシー-看護教育の発展から伝えられること』と題して、平成20年に行った看護師のコンピテンシーに関する調査・研究について解説した。
コンピテンシーとは「優秀な成果を発揮する個人が持つ特性」のことで、立石氏はヨーロッパ、日本で卒後5年程度の看護師を対象に自己評価式のアンケート調査を実施し、獲得能力(職務を通して獲得した能力)と必要能力(職務に当たる際に必要とされる能力)について、分析を行った。 (さらに…)
第41回全日本鍼灸学会関東支部学術集会 DXが鍼灸にもたらすメリットは何か
第41回全日本鍼灸学会関東支部学術集会 DXが鍼灸にもたらすメリットは何か
2024.01.10
全日本鍼灸学会関東支部の第41回学術集会が昨年11月26日にオンライン開催された。テーマは『鍼灸とDX―先端技術(ICT)が拓く新時代の鍼灸医療』。
医療DXで治療選択肢増へ
柴田健一氏(玉川大学工学部講師、理研AIP客員研究員)は厚労省が提言する『医療DX令和ビジョン2030』を受け、鍼灸とICT(情報通信技術)の融合や医療現場でのDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みについて解説した。
DXのプロセスには、
①電子カルテによる治療情報の管理など「情報のデジタル化」
②スマホでの事前の問診など「業務プロセスのデジタル化」
が必要となり、その上でICTを活用し進めていくと述べた。 (さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』69 コロナが明けて
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』69 コロナが明けて
2024.01.10
あけましておめでとうございます。今回は学術から離れて、COVID-19の影響を振り返りつつ、強い院づくりについて書いてみます。
当院は、本院が京都市中心部、分院が滋賀の栗東市にあります。基本施術費は昨年まで本院5,700円、分院5,600円で、両院ともベッドは2台。受入は本院は週に6日、分院は週に3日半のみですので、実質的にはベッド3台で週6日ほど稼働する規模です。通院者数はコロナ前、令和元年は8,281人、コロナに突入した令和2年は7,581人、少し収束の気配もあった令和3年は7,960人、オミクロン株が流行した令和4年が7,597人、そして昨年は8,037人で、コロナの影響はほぼ脱したと見ています。
医療では患者さんが来るのを待つというスタイルですが、昨今ネットを使った様々な集患戦略が出現しました。しかし当院はホームページ以外には何も採用しません。消極的なのではなく、理由があって採用しないのです。当院には、不妊の他にも様々な愁訴の方も来院されますが、ほぼ皆さんがきちんと通院されます。つまり継続率が高く、集患する必要がないわけです。私が開業した時の先輩鍼灸師の言葉が今も心に残っています。
「いつまでも広告宣伝するなんて情けないことはするな」 (さらに…)
短期連載『鍼灸教育 復興への道』第2回 卒後研修制度の改善が 喫緊の課題
短期連載『鍼灸教育 復興への道』第2回 卒後研修制度の改善が 喫緊の課題
2024.01.10
現在の鍼灸養成施設の教員は、臨床未経験でも、2年間教員養成コースに通うことで教員資格を取得できます。この点は率直に疑問しかありません。その者たちが養成学校で基礎医学から実技までを教えることができるのですが、免許取得後にたった2年足らずで、しかも学生と年齢もほとんど変わらない者たちが、鍼灸科目の全部を教えることになるのですから、これはもう今昔の感を拭えません。
また、国家試験では実技試験が廃止されました。大阪府のかつての試験では、鍼・灸の試験官がそれぞれ2人いて、例えば、五十肩の原因などを問いただし、「どういうツボを使うのか」といった口頭試問が行われていました。その際、ツボを指定されて「管鍼法で刺入してください」とか、「撚鍼法で刺入してください」といった質問をするなど、実技を合わせた回答で試験をパスしなければいけません。さらに20分をかけて実施される試験時間の中では、受験者の人間性など総合的に審査をしていたのです。
ところが今、新しい鍼灸教育の仕組みが作られた結果、どうでしょう。そのきっかけになったのは、公益財団法人東洋療法研修試験財団が創設されたことだと考えています。 (さらに…)
レジェンド鍼灸師との対談集 10年ぶりに電子書籍で
レジェンド鍼灸師との対談集 10年ぶりに電子書籍で
2024.01.10
鍼灸ジャーナリスト・松田氏の人気対談が復活
鍼灸ジャーナリストであり、黄帝内経研究家の松田博公氏が、6人のレジェンド鍼灸師との対談集『究極のわざへ 日本鍼灸を求めてⅢ』を昨年12月15日に電子書籍で配信した。
6つの対談は、業界誌『鍼灸ジャーナル』(緑書房、廃刊)で2008年から2013年までの5年間に掲載した連載対談シリーズから再録。単行本として既に2010年と2013年に13年に2冊発刊されており、今回、第3弾として10年ぶりにKindle本でよみがえった。価格は1,250円(税込)。
同書で登場するのは、首藤傳明氏、小林詔司氏、村上三千男氏、大極安子氏、水谷潤治氏、二木清文氏といった日本鍼灸界のベテラン臨床家たち。首藤氏との対談では、「澤田流に入門して病を乗り越え、経絡治療に転じて心を癒す超旋刺開眼に至る過程を忘己利他の人生訓とともに語り尽くす」と著者が語る。
巻末には、日本鍼灸を構造的に理解する試論として、松田氏による『日本伝統鍼灸〜一万年の智慧』を講演形式で収録。書籍の復活には、鍼灸ウェブマガジン『ハリトヒト。』の鶴田恵隆氏が企画・編集で協力したという。
連載『中国医学情報』226 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療効果―ランダム化比較 ほか
連載『中国医学情報』226 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療効果―ランダム化比較 ほか
2024.01.10
☆慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療効果―ランダム化比較
安徽省中西医結合病院鍼灸リハビリ科・李博らは、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS、中医学「淋証」)への鍼治療効果を、シャム鍼(偽鍼)群と比較(中国鍼灸、2023年6期)。
対象=CP/CPPS42例―前立腺から外周への放散痛・不快感が、最近半年に3カ月以上反復持続。米国のNIH慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)15点以上(疼痛不快感・排尿症状・QOLの3領域で合計0~43点。日本語版と若干違うようである)。平均約32歳(21~49歳)、平均罹患期間約6.3年(0.3~20.3年)、平均NIH-CPSI約27.9点。これをランダムに鍼群・シャム鍼群各21例に分けたが、鍼群に脱落者1例あり。
治療法=計8週間。前4週間は2日1回・週3回、後4週間は週2回、合計20回治療。
<鍼群>①取穴―左右の腎兪・中髎・会陽・三陰交。②操作―腎兪・三陰交は、0.30×40mmの毫鍼で直刺30mm。中髎・会陽は、0.30×100mmの毫鍼。中髎には、矢状軸と30~40°の角度で尾椎方向に斜刺60~80mmし、会陰部に鍼感を放散。会陽には、皮膚と70°の角度で恥骨結合方向に斜刺60~80mmし、局部にだるく腫れぼったい感覚。得気後に10分おきに小幅の提挿捻転平補平瀉法をし、置鍼30分間。
<シャム鍼群>①取穴―左右の腎兪・中髎・会陽の外側各2cmの部位と、三陰交の高さで脾経と腎経を結んだ線の中点。②操作―0.30×25mmの毫鍼で直刺2~3mm、手技なし置鍼30分間。比較後、鍼群と同じ治療で補償。 (さらに…)
あん摩マッサージ療養費 都道府県別支給状況 厚生労働省『令和4年度 療養費頻度調査』から
あん摩マッサージ療養費 都道府県別支給状況 厚生労働省『令和4年度 療養費頻度調査』から
2024.01.10
調査は、令和4年10月の1カ月間に行われた施術に係る療養費支給申請書が対象。支給申請書のうち、全国健康保険協会管掌健康保険で全件、国民健康保険で5分の1、後期高齢者医療制度で10分の1の割合で抽出している。1件当たりの平均支給額は約29,258円(昨年度より31,079円減)。
『令和3年度 療養費頻度調査』を基に、昨年度の金額と、そこからの増減比率も掲載した。 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』232 涙の代わりに
連載『汗とウンコとオシッコと…』232 涙の代わりに
2024.01.10
去年は平均して暖かい冬であった。寒暖の差が激しく定点観測では寒い時もあったが、落葉が全国的に遅く、イチョウの葉が舞うのもずいぶん遅かった。
今年はどうなるやら。素問の運気論では、年始は比較的暖かく、春先、春分の日のあたりで寒の戻りがありそうではあるが、特に海流の動きが大きく偏差する海水温が日本海にも影響するので、大陸と日本海を隔てた本邦はどう変化が現れるか理論値では測れないところがある。まあ、ゆったり、まったりした季節の変化は少なくなっているということだけは、はっきりしている。このような季節は身体の気化が激しく、血管が弛緩し、『傷寒論』でいう中風系の病が多くなるのではあるが、それに反発して緊張し、却って身体がおかしくなる場合もある。
「先生、調子が悪くて……」
と訴えるのは56歳の長身で細身、色の白い女性の山田さんだ。
「下痢と便秘を繰り返して、身体もだるくて、胃カメラやら大腸の内視鏡も検査してもらったんですけど、何ともないんです。食事も食べたり食べなかったり、バラバラです」
と下腹部あたりをさすっている。 (さらに…)
連載『未来の鍼灸・柔整を考える』第11回 アプリ開発
連載『未来の鍼灸・柔整を考える』第11回 アプリ開発
2024.01.10
電子カルテ、遠隔医療、手術ロボットなど様々な医療分野においてITの活用が進んでいます。同様に、スマートフォンのようなモバイル端末を用いて、身近に医療行為や医療・健康のサポートを行う「モバイルヘルス(mHealth:エムヘルス)」も急速な広がりを見せています。
インドのリサーチ会社「Mordor Intelligence」が2018年3月に発表したレポートによると、2017年の世界のmHealth市場規模は242億米ドル(約2兆7,000億円)でしたが、2023年には1,100億米ドル(約12兆4,000億円)と、約4.5倍に拡大すると予測されており、年平均成長率は28.7%と今後も成長を続ける領域とされています(下グラフ)。そして、今後その中心になるのが健康アプリと治療アプリです。
前者は健康を管理するためのアプリで、歩行数や食事、睡眠などを測定することで健康を管理し、疾患の予防に役立てる目的で開発されています。後者は病気の治療目的に開発されたアプリで、薬を服用するように毎日アプリを利用することで、病気の改善を目指します。2010年にアメリカで開発された糖尿病のアプリを皮切りに、高血圧、うつ、統合失調症など様々なアプリが開発されており、健康と医療の両方にmHealthは用いられています。 (さらに…)
柔整・あはき療養費の会議議事録が一気に5本公開
柔整・あはき療養費の会議議事録が一気に5本公開
2024.01.10
昨年の秋から冬にかけて開催された柔整・あはきの両療養費検討専門委員会の5つの会議の議事録が、厚労省ホームページに1月9日付で同時に公開された。
柔整・あはきそれぞれの会議で4月から本格運用が始まる「オンライン資格確認」(マイナンバー等による患者の保険資格を確認する仕組み)が議題に上り、あはきでは次期(令和6年度)料金改定に向けた議論がされているなど、今年待ち構える療養費での大きな動きに関する話し合いが記載されている。
■柔道整復療養費検討専門委員会
(第25回9/22開催、第26回10/26開催)
■あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会
(第27回9/22、第28回10/26開催、第29回12/1開催)
第1回ヘルスケアJAPAN大阪 介護予防総合展開催 施術所向け機器・サービスも
第1回ヘルスケアJAPAN大阪 介護予防総合展開催 施術所向け機器・サービスも
2023.12.25
「健康寿命の延伸」に関する商品・サービスを集めた展示会『大阪ケアウィーク’23内第1回ヘルスケアJAPAN大阪’23介護予防総合展』が11月29日から3日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開かれた。主催はブティックス株式会社(東京都港区)。接骨院・鍼灸院などの施術所向け商品・サービスを展示した「健康施術産業ゾーン」では、15の企業・団体等が出展した。また、「健康寿命の延伸」に関する計8の専門セミナーも開催され、各分野のプロフェッショナルが登壇、実り多い内容となった。3日間で6,249人が来場した。
会場盛況、DX関連も出展
株式会社Groony(北海道札幌市)は、予約システム、電子カルテ、売上管理などの施術所業務をトータルにサポートするオールインワンPOS『パワーナレッジPOS』を紹介。本体となるタブレットは直感的な操作が可能で、予約・会計・分析・販促のサイクルを繰り返すことで、業務効率化と収益向上を目指す。また、患者側はスマホアプリをインストールすることで、自身の通院履歴や次の予約日などが確認できる。 (さらに…)
第29回あはき専門委 「訪問施術料」と「マッサージ包括化」同時に
第29回あはき専門委 「訪問施術料」と「マッサージ包括化」同時に
2023.12.25
次期改定、5つのテーマ議論進む
12月1日、第29回あはき療養費検討専門委員会がオンラインで開催された。7月中旬に開かれた会議以来となる、次期(令和6年度)料金改定に関する話し合いが行われた。見直し項目として挙げられている5つのテーマについて、厚労省が現時点でのとりまとめ案を提示し、議論を促した。
5つのテーマとは、▽往療料の距離加算の廃止、▽離島や中山間地等に係る「特別地域加算」の創設、▽訪問施術料(訪問施術制度)の創設、▽マッサージ施術の料金包括化、▽同一日・同一建物の取り扱い。
(さらに…)
日本小児はり学会第17回学術集会 小児はりの定義を考える
日本小児はり学会第17回学術集会 小児はりの定義を考える
2023.12.25
11月12日に日本小児はり学会の第17回学術集会がオンラインで開催された。
会長講演で井上悦子氏(日本小児はり学会会長)は、過去の出版物などをもとに「小児はり」の呼称について変遷をたどった。
小児はりが盛んに行われ始めた江戸時代後期から大正にかけて「小児はり」と通称されていたようであるが、医学博士の藤井秀二氏が「小児鍼(しょうにしん)」と呼称し始めたのを発端に「小児鍼」「小児針」が広がったという。しかし、現代は音の響きの柔らかさなどから「小児はり」が改めて好まれる傾向にあると説明した。また、「小児はり(小児鍼)」という言葉には①鍼法(皮膚刺激)、②針具、③小児の鍼灸治療と3つの意味が混在していると述べ、「学術用語として共通の概念を定義したい」とシンポジウムに話題を繋いだ。
現状から共通概念を探る
シンポジウム『小児はりを定義していくために』では意義や共通概念について話し合われた。座長は鈴木信氏(米山鍼灸院院長)。
大東孝文氏(株式会社カナケン)はメーカーの立場から、小児はりとして国内で販売されている道具を紹介し、一般医療機器に分類されると述べた。それ以外の器具は雑貨と分類され施術に利用する際は衛生面や安全性に特に配慮が必要であると注意を促した。 (さらに…)
短期連載『鍼灸教育 復興への道』第1回 専科教員制度を復活させ 温故知新を!
短期連載『鍼灸教育 復興への道』第1回 専科教員制度を復活させ 温故知新を!
2023.12.25
鍼灸は、国民医療並びに未病、健康保持増進、心身の活力に貢献し、さらに最近では老化の抑制(若返り志向)などに関心が向けられています。歴史をたどれば、二千年の実証に基づく伝統医術を継承し、江戸期から昭和期にかけてきら星のごとく名人が輩出され、その医の技術は「人間の叡智と実践」といっても過言ではありません。しかしこの40年あまり、満身の力で患者に対峙する情熱が鍼灸師から薄れているように思えます。本連載では、教育面を中心に斯界の現状を概観し、打開すべく課題を提示したいと思います。
まず、今の斯界では、臨床から遊離した「研究」や、生理、物理作用の研究報告で重箱の隅を突くような「学会発表」、また怪しげな治療で会員集めをする「講習会」が散見されます。これは、鍼灸師として理念を欠いたまま、収入の手段だけに迎合した結果、鍼灸の質の向上もなされていない状態といえます。東洋療法研修試験財団の近年のアンケート調査では、鍼灸の国民受療率は4~5%と発表され、国民の鍼灸離れというような生やさしい話ではなく、開業鍼灸師への施療ニーズが減り、今後は限りなく「絶滅危惧種」となってしまうのではないでしょうか。一方の鍼灸師側も、自身の施術に信頼を持てないまま、ビジョンもやり甲斐も見いだせず、治療家人生を過ごしてしまう危機的な状況です。独立開業者の数も5年連続で減り続けている厳しい現状がそれを物語っています。 (さらに…)
河出書房新社から新刊 しつこい首・肩の痛み・コリは 手首ほぐしでよくなる
河出書房新社から新刊 しつこい首・肩の痛み・コリは 手首ほぐしでよくなる
2023.12.25
株式会社河出書房新社より新刊『しつこい首・肩の痛み・コリは手首ほぐしでよくなる』が発刊された。著者は手足の末梢神経治療が専門の整形外科医・萩原祐介氏(東邦鎌谷病院)。四六判、160頁、1,496円(税込)。
首、肩の痛みやコリに悩む人は多いが、ほとんどの原因は不明である。医療現場においても筋肉や関節周辺のトラブルと決めつけた処置が後を絶たず「これでは子供の肩たたきと大差ないではないか」と指摘する。著者の専門とする「手の外科」では肩や首の痛みは手根管症候群など手首の障害を疑うのが常識となっている。
本書では手首の状態のセルフチェック法にはじまり、手首が不調の原因となるメカニズム、ストレッチの方法やポイントなど豊富なイラストとともに解説する。末梢神経外科医の臨床を垣間見ることができる実例集もあり。治療のヒントにどうぞ。
(さらに…)
鍼灸療養費 都道府県別支給状況 厚生労働省『令和4年度 療養費頻度調査』から
鍼灸療養費 都道府県別支給状況 厚生労働省『令和4年度 療養費頻度調査』から
2023.12.25
調査は、令和4年10月の1カ月間に行われた施術に係る療養費支給申請書が対象。支給申請書のうち、全国健康保険協会管掌健康保険で6分の1、国民健康保険で10分の1、後期高齢者医療制度で10分の1の割合で抽出している。1件当たりの平均支給額は約11,001円(昨年度より836円減)。
『令和3年度 療養費頻度調査』を基に、昨年度の金額と、そこからの増減比率も掲載した。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』62 素問・二十四 『血気形志篇』
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』62 素問・二十四 『血気形志篇』
2023.12.25
この篇では、道具を使って背兪穴の位置を決める取穴法が書かれていました。
「まず、細長い葉の草を用意します。
一本目で、乳首と乳首の間の長さを測ります。 (さらに…)
柔整カリキュラム、改正へ動き 学校協会ら、改正案作成し国に要請
柔整カリキュラム、改正へ動き 学校協会ら、改正案作成し国に要請
2023.12.08
今秋に入り、柔整業界側から教育カリキュラムの次期改正に向けた動きが本格化していることが本紙の取材で分かった。早ければ次年度にも改正に関する話し合いがスタートする見通しだ。
コアカリ策定も併せて議論か
柔道整復学校協会(谷口和彦会長)が昨年10月、日本柔道整復師会と協同で「柔道整復師学校養成施設カリキュラム次期改訂に関する検討会議」を設置。以降、定期的に会合を重ね、改正案を作成し、11月中に厚労省に「学校養成施設カリキュラム等改善検討会」を開催するよう要請したという。 (さらに…)