連載『中国医学情報』195 武漢の新型コロナ肺炎患者42例での管鍼治療の効果(上海鍼灸雑誌)ほか

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投稿日:2021.06.10

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今回の内容
・武漢の新型コロナ肺炎患者42例での管鍼治療の効果(上海鍼灸雑誌、21年4期)
・不妊症100例で火鍼点刺治療と現代医薬治療とをランダム化比較(上海鍼灸雑誌、21年4期)
・老年性の尿失禁72例で普通鍼法と鍼温灸併用法とをランダム化比較(上海鍼灸雑誌、21年4期)

☆武漢の新型コロナ肺炎患者42例での管鍼治療の効果

 上海中医薬大学付属岳陽中西医結合病院・侍鑫傑らは、武漢雷神山病院で2020年2月19日~3月28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に管鍼治療をし、満足すべき効果を得たと報告(上海鍼灸雑誌、21年4期)。

 対象=42例:普通型33例・重型9例(年齢や男女の例数は未記載)。

 鍼治療法=中国針灸学会のCOVID-19診療方案などを参考にしたが、陰圧室内での手袋を3層にした状態(ほかに防護服・防護眼鏡・マスク・帽子・フェイスガードなども着用)での中国式鍼の操作は不便なので、日本式の管鍼(0.25×40mm)を採用。
①取穴―基礎穴:合谷・内関・曲池・列欠・足三里・太衝。不眠・多夢:申脈・照海を追加、腹痛・腹脹・食欲不振:三陰交を追加。
②操作―足三里・三陰交・合谷・内関・曲池・太衝・申脈・照海は直刺0.5~1寸、列欠は上向き斜刺。得気後に進鍼を停止。各穴は平補平瀉法、置鍼30分間。毎回単側刺鍼、隔日に反対側刺鍼。連続治療12日あるいは患者退院まで。

 結果=全員が治癒あるいは好転し退院。胸部不快感・胸痛・倦怠感・動悸が激しくなる・焦慮・緊張・食欲不振・不眠などの症状は、いずれも明らかに改善あるいは寛解。治療後の不良反応や併発症なし。
 現代医学的治療の記載はほとんどないが、31例(73.8%)が純中医治療(代表症例紹介の1例は中薬も併用)とあることから、残り11例は現代医薬併用例と思われる。

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