木戸正雄氏

第52回日本伝統鍼灸学会学術大会東京大会 流派や学問を超え「気」について考える

学術・教育あはき

 第52回日本伝統鍼灸学会学術大会東京大会が10月26日、27日にタワーホール船堀(東京都江戸川区)で開催された。テーマは『東洋医学の神髄に迫る―心身一如の氣の医学』で、アーカイブも含め662人が参加した。
神髄は『黄帝内経』にある
 会頭講演では、木戸正雄氏(天地人治療会会長)は、東洋医学に立脚した様々な治療の神髄は『黄帝内経』にあり、誰もが気を扱えるようシステム化して解説したと話した。気そのものの説明がない点においては、成立当時は当然のことと認知されていたからだという。
 気の認識は『周易(易経)』がベースにあり、万物を構成する最小単位である旨、すべての法則を支配するものとの旨が明記されている。また、東洋医学で扱う気について、物質に意識や記憶、生命が宿る現象を検証した書籍や論文、同大会で講演もある鮎澤聡氏(筑波技術大学保健科学部教授)の著書などを引用して説明した。
(さらに…)

勉強会・イベント情報

一覧へ

新着一覧へ

おすすめの連載一覧へ

最新号・バックナンバー一覧へ

2024年10月20日号

開会式の画像

第14回日本中医薬学会学術総会 中医学の継承と発展のための課題とは

学術・教育あはきほか

日中の伝統医学の併用
 第14回日本中医薬学会学術総会が10月5日、6日にくまもと県民交流会館パレア(熊本市中央区)とオンラインで開催され、260人が参加した。テーマは『中医学の叡智で限界を突破する』。
 会頭の加島雅之氏(熊本赤十字病院総合内科部長)は近現代に誕生した西洋医学が世界医学になっているのは、再現性が科学的に認められているゆえとし、中医学も妥当性を説明する方法を模索すべきだと伝えた。 
 また、「湯液と鍼灸で動かす気は同じものか?」と問いかけ、古くから関係性が議論されてきた経絡と三焦に関する記述を『金匱要略』『素問』『霊枢』から引用。 (さらに…)

東京都、物価高対策で施術所へ7.5万円支援

速報あはき柔道整復ほか

 東京都がこのほど、物価高に直面する施術所の負担軽減のため、昨年度に引き続いて「緊急対策支援金」を給付することを発表した。申請の受付開始は12月下旬頃を予定しているという。
 支給額は1施術所当たり7万5,000円で、昨年度よりも大きく増額している。対象は都内で開設しており、療養費の受領委任の取扱いを行う施術所、または償還払いによる保険診療を行っている施術所に限る。
 
 支援金の支給時期は令和7年5月以降を予定し、また申請手続の方法はデジタル庁が運営する補助金申請システム「jGrants(Jグランツ)」を活用するとしている。
 申請等の詳細については来月中旬以降に公表される。
東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金(令和6年度)

会場の様子

セイリン主催セミナー 海外経験豊富な4人の鍼灸師が集合!

学術・教育あはきほか

世界をターゲットに活躍するためのアドバイス
 セイリン株式会社主催のセミナー『ワールドワイドな鍼灸師を目指そう! 海外鍼灸事情とインバウンド需要への対応』が10月5日に同社東京営業所セミナールーム(東京都千代田区)とオンラインで開催された。
 海外で活動経験のある向井陽子氏(向井鍼灸院院長)、宮口一誠氏(医療専門英会話セラピストイングリッシュ代表)、山川義人氏(Moxafrica日本事務局代表)、松永光将氏(フリーランス鍼灸師)の4名の講師陣が対談を行った。
ビザや鍼灸資格は国ごとに確認が必要
 向井氏は、オーストラリアの鍼灸事情について語った。オーストラリアは、コロナ以降ワーキングホリデーで渡航する日本人が増加し、英語力はもちろん技術、知識などがなければ就労は難しい現状にあるという。鍼灸で働くには、現地の4年制大学で学び資格取得が必要になる。
 しかし、自身が講師も務める、日本で学び保険加入のうえ海外で働ける国際ライセンス 「Japanese needle therapy practitioner(鍼灸セラピスト資格)」で学ぶ、皮下に浅く刺すドライニードルのような手法であれば可能だと紹介した。求人は、都市部は少ないが郊外なら見込みもあると語る。
 山川氏から鍼灸受療の動機について問われると、「審査機関を経て、病院を受診し薬の処方、と受診プロセスが煩雑なため、その前に体を整えたいと考える人が多い」と向井氏は回答。松永氏は、オーストラリアはビザの取得が難しい国の一つだといい、何年勤務したいのかを想定して働く国を選ぶよう伝えた。
日本で外国人を集客するには
 宮口氏は外国人客の取り込みのポイントについて、現在集客業務に携わっている鍼灸院を例に解説。多く来院しているのは駐在している外国人で、駐在・インバウンド問わず、まず情報源とされるのはウェブサイトだと話した。
 重視されやすいのが (さらに…)

第13回日本AT学会学術大会 関係者同士が有機的な連携を

学術・教育あはき柔道整復ほか

 日本アスレティックトレーニング学会(越田専太郎代表理事)の第13回学術大会が愛知県豊田市の中京大学トヨタキャンパスとオンラインのハイブリッドで9月14日、15日の2日間にわたり開催された。大会テーマは『アスレティックトレーニングを支える経験・研究・教育の連携』。
経験と研究を集め、教育へつなぐ
 大会長基調講演で倉持梨恵子氏(中京大学スポーツ科学部)は今大会のテーマについて、「経験・研究・教育の3つがどのように連携していくのか、大会を通して考えてもらいたい」と呼びかけた。
 まず、経験とはATとして現場で選手と向き合う中で得られる様々な情報だといい、研究・教育について、スポーツ現場で働くATとは無縁のように見えるかもしれないが、学会等で経験や知識を共有することで、研究・教育のサポートにつながるとした。
 現在、メタアナリシスやシステマティックレビューはエビデンスとしての信頼度が高く、ATを含む専門家の意見や論説は低いと捉えられている。しかし、彼らの背景には経験や知識が多く積み上げられていると語った。
 その一例として、自身が指導した大学生水泳選手の減量について紹介。一般論として大幅な減量はパフォーマンスの低下につながりやすいとされるが、同選手の希望で77kgから70kgへの減量を行ったといい、結果として、タイムは大幅に縮み、インカレでも優勝したと振り返った。そうしたエビデンスから外れた経験は、それに関わった個人しか持っておらず、だからこそ、学会等でそれぞれの経験を持ち寄り、参加者で共有することが新たなステップになると語った。
ATとしての働き方、求められる能力と資質は
 シンポジウムでは「アスレティックトレーナーのキャリアパス」と題して、整形外科に関わるAT、学校所属AT、起業家ATの3つの立場から、要求される知識や資質について意見が述べられた。 (さらに…)

広告 ×

【入会金0円 シンプルな料金体系】 全国4,000名の柔道整復師に選ばれる日本最大の団体! 40年の歴史を誇る厚労省認可団体全国柔整鍼灸協同組合は、整骨院の経営全体を徹底サポート!

全国柔整鍼灸協同組合OPEN