あはき・柔整療養費の検討専門委員会 施術管理者の要件、あはきにも
2019.09.25
実務経験1年、出張専門以外で
9月6日に開かれた第21回あはき療養費検討専門委員会と第15回柔整療養費検討専門委員会では、消費増税対応の料金改定以外の議題も話し合われた。
あはき専門委では、柔整で既に義務化されている「施術管理者の要件(実務経験と研修受講)」をあはき療養費にも導入することを前提とし、厚労省から具体案が提示された。実務経験の期間については「当面1年間」で、実務経験の受け入れ先となる施術所の形態として「出張専門は含めない」と提案された。研修に関しては、「16時間、2日間以上の講義」や「研修実施主体は公益財団法人」、「新卒者に対する緩和措置としての特例設置」など、柔整とほぼ同様の実施内容が示された。今後、令和2年度中をめどに、導入時期を決定していくとした。往田和章氏(全日本鍼灸マッサージ師会副会長)は、「研修科目の案を見ると、職業倫理、適切な保険請求といった項目が並び、資質の向上や多職種連携を深めていくために必要と考える。しかし、健康保険を取り扱う施術管理者のみを対象としている上、受領委任参加率も健保組合で10%台と少ない状況にある。あはき受領委任を医療資源として活用するためにも、保険者の参加を厚労省で推し進めてほしい」と要望した。
■あはき受領委任の施術管理者の要件(案)
・導入時期は令和2年度中 (導入後、新たに施術管理者になる場合には実務経験と研修受講が必要となる)
・実務経験の期間は当面1年間
・実務経験は出張専門以外の施術所で
・研修時間は合計16時間、2日間以上
・緩和措置として、新卒者や導入当初に実務
経験要件を満たしている者等への特例設置
■あはき受領委任への参加保険者数(8月時点)
・協会けんぽ48(100%)
・健保組合226(16%)
・国保1785(95%)
・後期高齢者医療44(94%)
柔整専門委では、「支給基準の明確化」や「電子請求に係るモデル事業の実施」など、ここ数年来議論されてきた議題や見直し事項の進捗が厚労省より説明された。そんな中、柔整側の委員からは「保険者の行き過ぎた患者照会でルール違反も見られるが、保険者間で是正しようとの対応は行われているのか」「各都道府県の柔整審査会の審査員を公表できないのか」といった発言があった一方、保険者側からは「電子請求の仕組み作りを進めていくのは構わないが、署名の問題をまず解決すべきではないのか」「広告検討会でガイドライン作成が議論中だが、広告違反者を受領委任中止にできるよう規定してほしい」との意見が出た。