今日の一冊 残念な「オス」という生き物
2019.09.10
残念な「オス」という生き物
藤田紘一郎 著
フォレスト出版 972円
ギアナイワドリのモテないオスはカップルの交尾を妨害するが、すればするほど仕返しで自分の交尾も妨害されやすくなる。フォツリス・ベルシコロルというホタルのメスは交尾を終えると他種のオスを騙して餌にする……生物界には残念なオスが数多く生き、それでも命を燃やして交尾を目指す。そんな逸話に始まり、「ミック・ジャガーがモテる理由」などヒトに飛んだ話は、イースター島滅亡の背景や一夫一妻制の限界といった社会問題にまで迫る。「カイチュウ博士」として知られる著者が軽妙に語る、悲しきオスの物語。