『ちょっと、おじゃまします』 ~鍼灸を身近に楽しく~ 鍼灸ユニット『moxies』
2019.05.25
「思っていたより熱くない!」「温かい……」「ちょっと熱いかな」。4月のある日、東京・原宿のイベントスペース「VACANT」から、こんな声が漏れ聞こえていました。誰かが「全然熱を感じません」と言うと、「あ、それはかなりの重症だからなんですよ~」という声が。その瞬間、笑いが沸き起こりました。声の主は、この日開かれたイベント『moxies(モクシーズ)の東洋医学講座』の講師、鍼灸師の亀割文子さん。彼らは、棒灸のかざし合いっこをしていたのです。
文子さんは同じく鍼灸師である夫・透さんと鍼灸ユニット『moxies』を結成、自宅や治療院のある山梨をはじめ東京や京都、香川、広島など全国でワークショップや出張治療を行ってきました。透さんによると「鍼灸師にとっては身近な鍼灸も、周りの人には敷居の高いもの。鍼灸治療を身近に、楽しく感じてもらい、健やかな人が一人でも増えることを目標に活動しています」とのこと。今回おじゃました講座は文子さんの「ソロ活動」で、気の概念や気滞、気虚について講義した後、棒灸による施灸を参加者が2人1組で互いに行うというものでした。参加したのはほとんどが一般の女性でしたが、男性の姿も。みな鍼灸に興味があるといい、セルフで台座灸をしている、パッチ鍼を使っている、という方もいました。講座で使用した冊子と棒灸に加え、パッチ鍼、ハーバルバスエッセンスをお土産として配布。バスエッセンスの中身はよもぎとラベンダーですが、よもぎは亀割さん夫婦の自宅近くに自生しているもので、ラベンダーは友人が栽培しているものだとか。イベント終了時、参加者たちの表情は心なしか来た時よりも和らいでいるようでした。
今後の展開について透さんは「よもぎを使ったお灸は自然の産物であり、土に還るサステイナブル(持続可能)な医療資源。お灸以外にも、よもぎを利用した様々な健康法を取り入れていきたいです」と話しています。
【鍼灸ユニットmoxies】
HP http://www.moxies.jp/
▼一般の方へ向けたワークショップ。東洋医学の概念を講義した後、棒灸を指導