連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』35 腎
2021.09.24
素問第八には「腎は作強の官、伎巧これより出づ」とあります。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』35 腎
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』35 腎
2021.09.24
素問第八には「腎は作強の官、伎巧これより出づ」とあります。 (さらに…)
今日の一冊 ケアとは何か 看護・福祉で大事なこと
今日の一冊 ケアとは何か 看護・福祉で大事なこと
2021.09.24
ケアとは何か 看護・福祉で大事なこと
村上靖彦 著
中公新書 924円
意思疎通が困難な中でサインをキャッチする力はどう養うのか。何かを食べたい、煙草を吸いたい……「その人らしさ」を形作る小さな願いが医療的な「正しさ」と外れた時、どうすれば良いのか。患者が存在の実感を得て、死という逆境に立ち向かうために、ケアラーは何が出来るのか――。大阪大学大学院人間科学研究科教授で「看護の現象学」の第一人者である著者が、当事者やケアワーカーへの聞き取りをもとに、医療行為を超えたところで求められるケアの本質について論考。より良い支援のための、支える営みとは。
『医療は国民のために』326 コロナ禍に東洋医療は何ができるのか?
『医療は国民のために』326 コロナ禍に東洋医療は何ができるのか?
2021.09.10
未曽有の混乱に陥っている「コロナ禍」。これまでに外出自粛に伴い接骨院や鍼灸院への「通院控え」なども起こり、これを書いている8月末現在においても緊急事態宣言の再延長や適用範囲の拡大と、依然として我慢を強いられる状況だ。他の業種に目を移せば、国会議員を抱えていない飲食関連は、まさに「目の敵」とされ、迫害されている感もある。美食家であり無類の酒好きの私にとっては心痛の思いだ。
さて、この長期化するコロナ禍において、私たちの東洋医療はどのような立ち位置で、この事態に接したのかを、今のタイミングで考えてみたい。
(さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』41 レーザーとNK細胞
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』41 レーザーとNK細胞
2021.09.10
レーザーリプロダクション学会の大役を果たし、次はラジオ収録で後ろ倒しになっていたタスクとして、昨年執筆した記事を次回の不妊カウンセリング学会で詳説することになりました。掲載雑誌は『産科と婦人科』。鍼灸師が独自の論考を載せるのは、初ではないかと思われます。お題は「鍼による着床改善について」(本コラムの第32回を参照)。この論考では、鍼灸とレーザーが分離されており、私は鍼灸のみを担当しましたが、今回は総合的に論じていこうと考えています。
ところでレーザーというと、私の世代はどうしてもウルトラセブンの光線を思い浮かべます。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』170 寝違えやギックリ腰が増える時期
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』170 寝違えやギックリ腰が増える時期
2021.09.10
9月12日までとされていた新型コロナの緊急事態宣言が、首都圏や関西圏ではまた延長しそうですね。東京は新規感染者数がピークアウトしたようですが、依然、医療機関の逼迫は続いています。これから寒暖差が激しい時期に入り、体調を崩しやすくなります。平時と同じ医療が受けられない可能性がある今、交通事故も含めて十分にお気を付けください。
ところで、こういう時期になると「寝違え」、いわゆるギックリ腰で受診される患者さんが増えます。だいたい急に寒くなった時と、春先で身体を急に動かし始めた時に起こしやすいのですが、どうして起こるのでしょうか?
メカニズムについては色々な意見があります。例えば、寝ている間の無理な姿勢で、筋緊張が持続しこむら返りのような異常緊張・痙攣が起きている、圧迫により血液の供給不足、椎間関節の炎症などが原因……、など。ただ、はっきりしたことは分かっていません。一般的に検査しても画像で原因らしき所見をとらえることはできませんので、対症療法が主な治療となります。
当院の漢方外来へも寝違えやギックリ腰で受診される方がいらっしゃいます。芍薬甘草湯のような筋痙攣によく使う処方や、疎経活血湯や四物湯のような血を補う処方で対応しています。芍薬甘草湯は、急性期の筋痙攣に頻用される処方で、こむら返りによく使用します。個人的にも、登山する際にいつも持参し、筋疲労から足がつった時に服用するとすぐに再び歩けるようになるので重宝していました。一方、副作用として甘草による偽アルドステロン症もよく知られていますので、漫然と服用することは避けるよう注意してください。疎経活血湯は、血液や水分の流れを良くし、血液循環や水分代謝を活発にするという意味を持つ名前の処方です。四物湯に桃仁・牛膝を加え、血液循環の改善作用を強化したものです。 (さらに…)
連載『中国医学情報』198 DOR(卵巣予備能低下)に対する電気鍼の効果(上海鍼灸雑誌)ほか
連載『中国医学情報』198 DOR(卵巣予備能低下)に対する電気鍼の効果(上海鍼灸雑誌)ほか
2021.09.10
今回の内容
・DOR(卵巣予備能低下)に対する電気鍼の効果―普通鍼、女性ホルモン治療の3群でランダム化比較(上海鍼灸雑誌、2021年6期)
・前立腺癌根治的治療後の尿失禁には温灸併用治療―骨盤底筋体操とランダム化比較(上海鍼灸雑誌、2021年6期)
☆DOR(卵巣予備能低下)に対する電気鍼の効果―普通鍼、女性ホルモン治療の3群でランダム化比較
上海の海軍軍医大学・趙聖佳らは、DOR患者に対する電気鍼の効果を、普通鍼および女性ホルモン治療と比較(上海鍼灸雑誌、2021年6期)。
対象=DORの 90例、24~39歳、平均33±5歳。これをランダムに、普通鍼・電気鍼・女性ホルモンの3群各30例に分けた。平均罹患期間は普通鍼群5.17±2.29年、電気鍼群5.57±1.95年、ホルモン群5.65±2.30年。
治療法=3群とも計3月経周期治療。
<普通鍼>①主穴―関元・気海・子宮(奇穴、左右)・卵巣(奇穴、左右。位置は恥骨結合中点の3横指上から左右に4横指、すなわち子宮穴の上1.5寸)・腎兪・三陰交・血海・太渓・太衝(以上5穴左右)。②配穴―「肝鬱」:曲泉・陰廉。「痰盛」:陰陵泉・豊隆・中脘。「血瘀」:膈兪。③操作―0.30×50mmの毫鍼を直刺。関元・気海・子宮・卵巣・腎兪・太渓には補法、他の穴は瀉法。行鍼5分間、得気後に置鍼30分間(10分ごとに行鍼1回)。2日1回。月経期間は停止。
<電気鍼>取穴・操作は普通鍼に同じ。得気後に、①関元・気海、②左右の子宮・卵巣(同側を1組)、③左右の三陰交・太衝(同上)、④左右の膈兪・腎兪(同上)、以上4組中の2組に通電(連続波・2Hz・1mA)30分間。2日1回。月経期間は停止。
<女性ホルモン>月経5日目から吉草酸エストラジオール錠剤1mgを毎日1回連続21日服用、月経16日目からプロゲステロン錠剤10mgを追加し毎日1回連続10日服用。停薬後は月経来潮したら5日目から服用再開。
観察指標=治療前と治療1・2・3カ月後の4回、月経3日目に空腹時静脈血のFSH(卵胞刺激ホルモン)・LH(黄体化ホルモン)・E2(エストロゲン)。同上4回の月経終了時の超音波検査による卵巣容積、AFC(胞状卵胞数)、子宮内膜の厚さ、卵巣動脈収縮期最高血流速度(PSV)・血流抵抗指数(RI)・拍動指数(PI)。
結果= (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 柔整療養費を「確実に施術管理者に支払うための仕組み」とは?
Q&A『上田がお答えいたします』 柔整療養費を「確実に施術管理者に支払うための仕組み」とは?
2021.09.10
Q.
8月に柔整療養費検討専門委員会が開かれ、しばらく動きのなかった受領委任の議論が再開されたようですが、どのような観点に着目すべきでしょうか。新たに「療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組み」という検討事項が加えられたようですが……。
A.
新型コロナの影響もあってか、1年4カ月ぶりに専門委員会が開催されました。この間、水面下で交渉や調整もあったでしょうが、議論再開で問題点がかなり明確になってきましたね。具体的には、①明細書の義務化、②不適切な患者の償還払い、③療養費を施術管理者に確実に支払うための仕組み、の3点に検討テーマが集約されました。 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』205 負・スパイラル
連載『汗とウンコとオシッコと…』205 負・スパイラル
2021.09.10
今年は『素問』にある五運六気の動きにピタリと当てはまり、湿度が高く雨が多く、気温があまり上がらなかった。日照量が少ないので野菜の生育や実りが悪く価格が高騰し、主婦を困らせている。秋に至り、鉛色の雲が多く、空気は急激に冷たくなった。海の魚も10月頃から動き出すものが一月早く出回り、今年の冬は寒そうな予感が漂っている。そんな季節の病は決まって下腹部のうっ血から生じる腹満、下腹部の緊張から連動しての下肢痛、腰痛などが多く、還流が足りなくなり、虚ではあるが上焦部で激しい病を呈することが多いだろう。今回は、それを先取りしたような患者のお話だ。
「呼吸がしづらくなってパッと目が覚めて、すごく動悸がするんです。調べても心臓も肺も大丈夫って言われるばかり。普段からは身体全体がだるくて、右の肩が痛くて、腰が痛くて、足の膝の内側も痛くて…… (さらに…)
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』7 VR/AR
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』7 VR/AR
2021.09.10
現実と仮想世界の狭間を取り払う技術が、今注目を浴びています。VRとは「Virtual Reality=仮想現実」の略称で、コンピュータにより人工的に作り出される仮想の空間をあたかも現実かのように体験する技術です。一方、ARは「Augmented Reality=拡張現実」の略。現実世界にコンピュータで構築した仮想現実を付け加え、拡張する技術です。分かりやすい例では、現実の視界に重ねて道案内や店舗情報などを浮かべる眼鏡(スマートグラス)が挙げられます。どちらも仮想現実を作るという意味では同じですが、VRはすべて仮想現実、ARは現実+仮想現実という違いがあります。コロナ禍で外出できない中、VRやARを利用した新しい体験価値が注目を浴びています。
これらの技術は医療にも取り入れられつつあります。例えばVR技術は、医療分野では三次元の人体構造をVR上で再現し、手術の具体的なプランを立てる練習を行うなどの応用がされています。鍼灸の領域でも、 (さらに…)
今日の一冊 新型コロナワクチン 本当の「真実」
今日の一冊 新型コロナワクチン 本当の「真実」
2021.09.10
新型コロナワクチン 本当の「真実」
宮坂昌之 著
講談社現代新書 990円
大阪大学名誉教授で、免疫学の第一人者の著者。昨秋時点では「当面打たない」と表明していたワクチンを、データの蓄積を受け今年6月「打たない選択はない」と述べ、実際に接種したことで話題となった。慎重な姿勢でエビデンスの蓄積を見守ってきた著者ならではの視点で、「新型コロナはただの風邪か」「ワクチンは効くのか、安全なのか」といった疑問を、科学的論拠を提示の上で平易に解説。元の日常を取り戻せる日を展望する。近藤誠氏、内海聡氏といった代表的「反ワクチン」論者の著作の問題点も指摘する。
『医療は国民のために』325 全ては“整体”に結集するのか!?
『医療は国民のために』325 全ては“整体”に結集するのか!?
2021.08.25
身体の不調を起こしたので「揉んでもらった」とか、「体の歪みを治してもらった」といった患者側の声をよく耳にすることがある。肩こりや腰痛に伴う疼痛・機能障害に対し、「体を整える」ということで、単に「整体」を選択し、自費メニューにもかかわらず、整体院の門戸を叩く者が後を絶たない状態が随分続いている。
そもそも整骨と整体、またはカイロプラクティックの違いについては、施術者側からすれば、それぞれ別の施術であることは理解・認識されているが、受け手である患者・利用者にとってはこれらを区別し、明確な相違点を見出すことは難しい。もっとも患者にしてみれば、「とにかく痛みを取ってもらいたい」ので、楽になればそれで良いのだ。
「整体院」といえば、理学療法士(PT)がその資格を隠して看板を掲げて手技施術を行っている現状にあることから、柔整師やあはき師からは、あまり歓迎されていない。また、カイロプラクターもどちらかと言えば否定的見方をしている者が多い(カイロ自体は、アメリカではドクターに準じた位置づけから、国内で不当に扱われていると主張する者もいる)。では、法令的にはどう規定されているのかだが、ご承知の通り、柔整師やあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師は国家資格である一方、整体師やカイロプラクターには国家資格がなく、各業界内で民間の認定資格制度はあるものの、公的なお墨付きは得られてはいない。
ただし、整体やカイロプラクティックという手技療法自体は、「指圧」の中に法律上含まれている。整体は人の健康を目的とした「保健」を行うのであるから、カイロプラクティックなども含め、国の免許制度の立ち位置としては、現行法上では「あん摩・マッサージ・指圧師」の免許を取得して正々堂々と施術をすれば問題ないのである。つまり、カイロや整体等の手技療法は全て「指圧」と総称されているのだ。これについては、著名な先生が過去の法令的変遷をひも解きながら、柔整・あはきの免許制についての位置づけをきちんと発信されているが、業界団体自体がこれを受け入れず、認めてない悲しい現状にある。行政にいたってはこれを全く理解できず、このことから実際の法令的な仕切りに乗らず、現在に至っているといえる。
「無資格だ」と一括りにして、整体の悪口を寄ってたかって言っているようだが、整体やカイロは法令的には「指圧業」であって、正しくは「無免許の指圧業」ということになる。このことから、あん摩・マッサージ以外の手技療法は、あくまで「全ては指圧に結集する」というのが正解で、「全ては整体に結集する」のではない。業界人や行政のみならず、多くの国民がこれを理解できていない(知らない)現況を認識すべきだろう。
【連載執筆者】
上田孝之(うえだ・たかゆき)
全国柔整鍼灸協同組合専務理事、日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会理事長
柔整・あはき業界に転身する前は、厚生労働省で保険局医療課療養専門官や東海北陸厚生局上席社会保険監査指導官等を歴任。柔整師免許保有者であり、施術者団体幹部として行政や保険者と交渉に当たっている。
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』7 接骨院併設の緩和型の現状と強み
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』7 接骨院併設の緩和型の現状と強み
2021.08.25
今回は、介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)のうち、接骨院等の施術所でも実施主体となれる「基準緩和型通所介護事業」(緩和型)について、現場での取り組みを説明します。
私の事業所では、体験利用のお問い合わせをいただいた後、管理者が時間調整を行い、受け入れています。当日は、管理者が「体験利用シート」に氏名・要介護度・住所・キーパーソン(主介護者)・利用希望日・利用動機についてアセスメント(課題抽出)します。そして、機能訓練指導員が中心となり、身体の不具合やご希望に沿った機能訓練の実施、身体評価を行います。その後、地域の担当包括支援センター相談員へ体験利用の報告をFAXにて送付。体験利用者が、実際に利用を希望されれば、自宅にて重要事項の説明をし、利用契約を締結します。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』169 改正薬機法と医療法、知的財産権
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』169 改正薬機法と医療法、知的財産権
2021.08.25
新型コロナウイルスの緊急事態宣言がまたもや対象区域拡大・期限延長されました。当院でも陽性者が出ていて、なかなか収まらないですね。感染者数も重傷者数も各地で過去最多を記録(執筆時の8月19日時点)しており、死亡数が比較的増えていないのが幸いといったところです。入院ができない状況が続き、保健所の業務はオーバーフロー。感染しないことも大切ですが、事故や熱中症などにも十分気を付けて、救急受診が必要にならないようにしましょう。 (さらに…)
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』197 筋膜・筋周膜・筋線維束の観察
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』197 筋膜・筋周膜・筋線維束の観察
2021.08.25
田中 正樹(筋・骨格画像研究会)
当院で患者に接する際には、柔整施術を施行するにあたって、問診、視診、触診を行う。これと同時に超音波観察を行い、身体内部の状態を把握することは、適切な処置を行うだけでなく、患者の疑問にダイレクトに答え、インフォ-ムドコンセントを実現するために重要なアシストツールである。捻挫や打撲などの患部の身体内部を観察し、損傷範囲や損傷程度、回復状態などを視覚的に理解することは、患者、施術者ともに大きな安心材料であり、社会復帰、競技復帰のタイミングの把握につなげることが出来る。超音波画像を確認し状態を理解するためには、健康体の正常な抽出画像を理解することが必要となる。また、超音波プロ-ブは、単純X線写真や、CT・MRIのような広範囲のスクリ-ニング検査が困難なことから、狭小範囲の画像を連続抽出して、状態を理解しなければならない。
筋肉組織の超音波検査では、筋膜・筋周膜・筋線維束がどのように抽出されるかと理解することが重要であり正常画像として認識する必要がある。複数の筋線維が筋周膜によって包まれたものが筋束であり、複数の筋束が筋膜によって包まれたものが筋である。大腿四頭筋の短軸画像では、表層の筋膜が高エコ-に抽出され、筋腹には筋周膜を示す複数の高輝度な点を認める【図①】。長軸画像では、比較的低輝度の筋線維束と高輝度の筋周膜が配列しているのが見てとれる【図②】。【図③】では大腿外側広筋の高度な血腫貯留部位の低エコ-像が見てとれるが、当院での場合、ここまでの血腫貯留の病態は見てとれず、部分的な筋束や筋周膜の途絶を確認出来る【図④】。
Q&A『上田がお答えいたします』 鍼灸療養費申請に同意書を付けたのになぜ不支給なの?
Q&A『上田がお答えいたします』 鍼灸療養費申請に同意書を付けたのになぜ不支給なの?
2021.08.25
Q.
鍼灸療養費で神経痛の施術に同意する旨の医師の同意書を添付して健保組合に申請したところ、「神経痛は医療機関で診断されていない」と不支給になっています。納得できません。
A.
「医師による適当な治療手段のないもの」について、以前は厚生省保険局医療課長通知(昭和46年4月1日保険発第28号)により先行医療の義務、すなわち鍼灸療養費の受療前には必ず医科の診療実態を求め、保険医療機関における療養の給付を受けても所期の効果の得られなかったもの又はいままで受けた治療の経過からみて治療効果があらわれていないと判断された場合に療養費を支給するとされていました。 (さらに…)
連載『食養生の物語』99 飽きない食欲の秋
連載『食養生の物語』99 飽きない食欲の秋
2021.08.25
「秋には辛いものが良いの?」と尋ねられることがあります。東洋医学を学び始めると直面しがちな問題ですね。五行論でいう「五味」で、秋には「辛」となっていることから、辛いものを食べると良いと解釈されることがあるようです。ですが、こうした時にいわゆる辛いものとしてイメージされがちなスパイスや香辛料の類は、発汗を促して毛穴を開かせます。真夏には向いているものですが、気温が下がって空気が乾燥してくる秋からの季節になっても毛穴を開かせていることで風邪にダメージを受けて、風邪を引きやすくなってしまうのです。
秋は五味では「辛」、五色では「白」ですので、白くて辛いものと考えてみましょう、大根・生姜・白ネギなどが該当します。発汗まではさせない程度に、気・血を巡りやすくさせる発散作用はあるものと理解します。
中でも「白くて辛い」の代表格といえば、大根おろし。 (さらに…)
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』34 肝
連載『あはき師・絵本作家 かしはらたまみ やわらか東洋医学』34 肝
2021.08.25
肝は素問第八に「肝は将軍の官、謀慮これより出づ」とあります。 (さらに…)
今日の一冊 疫病の精神史――ユダヤ・キリスト教の穢れと救い
今日の一冊 疫病の精神史――ユダヤ・キリスト教の穢れと救い
2021.08.25
疫病の精神史――ユダヤ・キリスト教の穢れと救い
竹下節子 著
ちくま新書 902円
コロナ禍の2020年3月。ローマ・カトリックの首長フランシスコ教皇は宗教を超えたあらゆる「善意の人々」に向け、病者のため、苦しむ人々のために共に祈ろうと呼びかけた。また、これに先立ち、「赦しの秘跡」に関する教令を発出。多くの司祭が葬儀などの儀礼中に感染する危機的状況を受け、通常の手続きなしに信者に免償の恵みを付与するものだった――新型コロナ、ペスト、赤痢、コレラ、スペイン風邪。古来人類が直面してきた疫病と宗教の関わり、疫病と戦ったとされた聖人たち、医学と宗教の関係を追う。
『医療は国民のために』324 医師が療養費同意書交付料を算定しない理由とこれに伴って生じる問題
『医療は国民のために』324 医師が療養費同意書交付料を算定しない理由とこれに伴って生じる問題
2021.08.10
あはき療養費において保険医が施術に同意書を交付した場合、その医師は診療報酬明細書により療養費同意書交付料100点(1,000円)を算定するのだが、以前よりなぜか算定しないケースが散見される。
この療養費同意書交付料は、同意書交付を促進する意味合いが込められているとともに、患者への診察等の手間を考えて、医師が「ただ働き」にならないように設けられたものだ。また、医師が患者やあはき施術者をおもんぱかって、「医科との併給・併用」(不支給処分)と判断されないように算定を避けているという場合も考えられるが、それはとんだ勘違いで、医師が診療報酬明細書に傷病名をきちんと記入し、診察・検査・療養費同意書交付料に係る療養の給付を算定したとしても、具体的な治療行為を行っていない限りは、厚労省通知によって医科との併給・併用とは判断されないことになっている。
それではなぜ医師は算定しないかというと、「医師仲間から嫌われてしまう」からだ。 (さらに…)
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』40 Serendipity
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』40 Serendipity
2021.08.10
Serendipity(セレンディピティ)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見することで、『セレンディップの3人の王子』という寓話にちなんだ造語です。フレミングが行っていた菌の培養シャーレの中で不潔な環境で発生してしまった青カビから、ペニシリンを発見したのはセレンディピティですが、目の前の事象を洞察力豊かに推測したから。ノーベル賞受賞の契機にもこのような例が多数あります。私が鍼灸レーザー療法中の患者の採卵成績が約3カ月で好転することに気付き、1,400個の受精卵の進捗について有意差を得たのも小さなセレンディピティと言えるかもしれません。それを更に体内受精の領域にまで拡張検証し、8月22日のレーザーリプロダクション学会で発表します。 (さらに…)