柔整療養費の「施術管理者の新要件」に関する通知等(要旨)
2018.01.25
柔整療養費の受領委任を取り扱う施術管理者に関する要件が、1月16日付の厚労省通知等により一部改正された。4月1日より適用。改正内容の要旨は次の通り。(前ページ参照) (さらに…)
柔整療養費の「施術管理者の新要件」に関する通知等(要旨)
柔整療養費の「施術管理者の新要件」に関する通知等(要旨)
2018.01.25
柔整療養費の受領委任を取り扱う施術管理者に関する要件が、1月16日付の厚労省通知等により一部改正された。4月1日より適用。改正内容の要旨は次の通り。(前ページ参照) (さらに…)
平成27年度の療養費推計値 柔整3,789億円、4年連続減
平成27年度の療養費推計値 柔整3,789億円、4年連続減
2018.01.25
鍼灸394億円、マッサージ700億円
厚生労働省はこのほど、平成27年度の柔道整復、はり・きゅう、マッサージの療養費推計値(医療保険分)を公表した。 (さらに…)
第19回日本スポーツ整復療法学会大会 シンポジウム『スポーツ整復療法学の明日』
第19回日本スポーツ整復療法学会大会 シンポジウム『スポーツ整復療法学の明日』
2018.01.25
谷口氏「保険に頼らない柔整師像を」
伊藤氏「鍼灸師の役割はコンディショニング」
日本スポーツ整復療法学会の第19回大会が昨年12月9日、10日、明治東洋医学院専門学校(大阪府吹田市)で開催された。
大会特別シンポジウム『スポーツ整復療法学の明日』では、学校法人明治東洋医学院理事長の谷口和彦氏が「教育」、明治国際医療大学鍼灸学部教授の伊藤和憲氏が「鍼灸」、同大学保健医療学部救急救命学科准教授の植田広樹氏が「救急」と、三つの立場から講演が行われた。 (さらに…)
柔整3施術所、同一開設者か 受領委任取扱い中止・中止相当
柔整3施術所、同一開設者か 受領委任取扱い中止・中止相当
2018.01.25
関東信越厚生局は昨年12月23日付で、柔整療養費を扱う三つの施術所の施術管理者について、柔道整復施術療養費の受領委任取扱いの中止・中止相当を決定した。処分を受けた施術管理者は (さらに…)
第20回ケアマネジャー試験合格者数 あはき師309人 柔整師167人
第20回ケアマネジャー試験合格者数 あはき師309人 柔整師167人
2018.01.10
厚労省がこのほど、第20回介護支援専門員実務研修受講試験の合格者数等を公表した。受験者数13万1,560人に対し、2万8,233人(合格率21.5%)が合格した。
「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」の合格者数は309人で構成比1.1%、「柔道整復師」は167人で同0.6%だった。
第1回~第20回試験の職種別合格者数の合計をグラフにまとめた(下図)。 (さらに…)
医歯薬出版から新刊 『入門 運動器の超音波観察法―実技編 プローブ走査を中心に』
医歯薬出版から新刊 『入門 運動器の超音波観察法―実技編 プローブ走査を中心に』
2018.01.10
入門 運動器の超音波観察法
実技編 プローブ走査を中心に
医歯薬出版から新刊、『入門 運動器の超音波観察法―実技編 プローブ走査を中心に』が発行された。一般社団法人日本超音波骨軟組織学会編。B5判184頁、本体5,200円。
平成20年に発行された『入門 運動器の超音波観察法』の実技編。肩関節や手指部など部位別で、プローブの当て方と読み取り方を、実際の超音波画像例や図を用いて一つひとつ解説。 (さらに…)
第21回日本統合医療学会 『患者中心の医療』提唱
第21回日本統合医療学会 『患者中心の医療』提唱
2017.12.25
―柔整、あはき業界からも講演多く―
第21回日本統合医療学会が11月25日、26日、東京有明医療大学(東京都江東区)で開催された。NPO法人日本ホリスティック医学協会との共催。テーマは『患者中心の医療(Patient-Based Medicine:PBM)』。
会期中、『あなたが患者ならどの医療を選ぶ―その特徴と科学的根拠』などをテーマに6題のシンポジウムが開催。漢方、ヨガ、温泉療法、放射線治療など多くの医療専門職による講演があり、鍼灸、柔整、あん摩マッサージ指圧分野からの発表も行われ、施術体験コーナーでも、あはき師のブースが設けられた。
福田文彦氏(明治国際医療大学教授)は、『がん患者に対する鍼灸治療』について講演した。国内外のガイドラインを基に、鍼灸は癌の症状緩和のほか、癌治療の副作用軽減、緩和ケア、家族への緩和ケアなど幅広い適応があると紹介した上で、鍼治療による副作用軽減についての研究成果を報告。抗癌剤Paclitaxelの副作用により末梢神経障害を発症した15人に対して週に1回・合計6回、陽陵泉―懸鐘、陰陵泉―三陰交に2Hz、10分間の鍼通電刺激と、太衝への10分間の置鍼を行った結果、しびれに有意な改善が認められたとしたほか、軽減群は年齢が若く、米国立癌研究所が作成した有害事象共通用語規準(NCI-CTCAE)のグレードが低い傾向があったとした。また、投薬開始時から鍼治療で介入したところ、症状の増悪を有意に抑えられ、投薬量も減少したと説明。今後の課題として、既に治療効果が報告されている経絡治療など、施術の手法の違いによる効果の違いを検討する必要があるとした。このほかに、山口智氏(埼玉医科大学東洋医学科)も、片頭痛・緊張性頭痛に対する鍼治療の作用機序について報告し、高位中枢を介して生体の恒常性を正常化する作用が伝統医療の特質だと呼びかけた。
柔整師については東京有明医療大学准教授の櫻井敬晋氏が、主に出血を伴わない急性外傷を対象に固定・整復のほか、東洋医学に基づくリハビリ、再受傷防止の指導などを行い、慢性疼痛を防止する治療計画を作成する役割を持つと説明。綿包帯固定の有効性の報告として、giving-way台を用いて疑似的な足関節内反捻挫を発生させ、心血管用fluoroscopyを用いて骨の動きを可視化し動的な解析を行った結果を紹介した。
マッサージ論文1万6,000件を評価
『あん摩マッサージ指圧療法の歴史、現状、課題』では、藤井亮輔氏(筑波技術大学教授)が登壇。あん摩マッサージ指圧業について、あはき法の解釈を基に「部分的な医業でありながら、医業類似行為でもあるという二元解釈が可能」だとした上で、公的な位置付けがあいまいで医療の本流から外れていると指摘。行政施策の俎上に載せるためには科学的な根拠を示す必要があるとして、『医中誌Web』に掲載された昭和58年から平成26年までの論文を抽出し、エビデンスレベルの高い論文の『構造化抄録(SA)』作成に取り組んだとした。2度にわたる調査で約1万6,000件がヒットしたが、スクリーニングを重ねたところSA作成に至ったのは計30件にとどまり、国内の臨床研究が立ち遅れている現実が確認できたと述べた。また、30件のうち業界内の学会誌で発表された論文は7件(日本手技療法学会4件、日本東洋医学系物理療法学会2件、全日本鍼灸学会1件)で、病院学術雑誌、看護学会雑誌などが主だったことも残念だとした。
昨年実施のあはき業態調査 4千人弱回答から年収330万円(中央値)
昨年実施のあはき業態調査 4千人弱回答から年収330万円(中央値)
2017.12.25
―柔整師免許の有無で収入格差―
平成28年10月から11月にかけて、全国のあはき施術所・業者を対象として実施された「あはき業態調査」の結果を、本紙がこのほど入手した。同調査は、厚生労働行政推進調査事業費補助金の交付を受け、筑波技術大学保健科学部教授の藤井亮輔氏らによって実施され、平成27年の年収や施術所経営に関する意識など、近年のあはき業の実態が浮き上がった。
調査対象2万件のうち、回答したのは4,605人。そのうち、3,836人が現在も営業中であった一方、370人が休業、399人が廃業していた。また、営業している3,836人のうち、8割が晴眼者で、2割が視覚障害者であった。
「平成27年1月~12月の売り上げ(事業所・事業者の施術料収入)は、おおよそいくらでしたか?」の質問には、営業をしている3,836人が回答し、平均778.2万円で、中央値(統計学において、標本値を大きさの順に並べた場合、個数nの中央に位置する値)は330万円だった。100万円階級別でみると、最も多いのが「0~100万円」で560人(22.4%)となっており、順に「1,001万円以上」が620人(16.2%)、「101~200万円」が485人(12.6%)、「201~300万円」が370人(9.6%)と続いた。300万円以下の者が44.6%と半数近くを占めており、全体として厳しい経営状況が示された一方、901万円以上が19.7%と、5人に1人が高収入であるとの結果だった。また、平成27年の年収の中央値を企業形態別でみると、法人施術所が600万円で、個人施術所が320万円、出張専門業者が130万円となっていた。
所持免許別(中央値)では、「柔整のみ」が1381.5万円で最多、次いで「鍼灸・柔整」が731.5万円、「あマ指・鍼灸・柔整」が690万円、「あマ指・柔整」が575万円、「鍼灸のみ」が260万円、「あマ指・鍼灸」が240万円、「あマ指のみ」が230万円だった。柔整師免許所持者に比べ、所持していない施術者の収入が軒並み低い現状がうかがえる。また、柔整師免許の有無を晴眼者に限ってみた場合、「免許あり」が960万円で、「免許なし」が350万円となり、年収に大きな開きがみられた。
経営状況、多数が「苦しい」
同調査では、回答時(平成28年11月時点)の経営状況についての質問もあった。回答したのは営業をしている3,836人で、多い順から、「とても苦しい」1,316人、「少し苦しい」1,206人、「まあ順調である」897人、「どちらともいえない」292人、「おおいに順調である」107人、無回答18人となった。全体の傾向として、「苦しい」と感じている施術者が、「順調」と感じている施術者を大きく上回る結果だった。なお、晴眼者・視覚障害者ともに「苦しい」と感じている割合が70%前後を示し、一方で「順調」と感じている視覚障害者は16.8%で、晴眼者の28.3%よりも低かった。
これら施術所経営で苦戦を強いられている背景として、同調査の研究代表者である藤井氏は、「急増する鍼灸院や接骨院の間で業の過当競争が激化し、市場の需給の均等が崩れ始めていることが影響している」と考察。また、柔整師免許の有無で収入に格差が生じている点については、今後、一段と二極化が進む可能性があるとしている。
臨スポ第28回学術集会 野球肘検診を少年球児全員に
臨スポ第28回学術集会 野球肘検診を少年球児全員に
2017.12.25
一般社団法人日本臨床スポーツ医学会(臨スポ)の第28回学術集会が11月18日、19日、都内で開催された。『文化の成熟を示すスポーツ医学―2020年に向けて』をテーマに、スポーツ庁長官・鈴木大地氏による招待講演など、3年後の東京五輪・パラリンピックを意識したセッションのほか、特別講演や教育講演、シンポジウムなどが多数行われた。
シンポジウム『こどもの肘を守る。少年野球における肘障害予防』は、近年、全国各地で実施されている学童期野球選手を対象とした野球肘検診について報告された。徳島大学運動機能外科学の松浦哲也氏は、症状が進行すれば選手生命が危ぶまれる肘離断性骨軟骨炎(肘OCD)は、初期で発見され保存的に修復した症例の予後は術後例よりも良いと解説。ただ、初期で症状を自覚するケースは少なく、野球歴や練習時間といったオーバーユースに関する因子との関連もみられないとして、肘OCDを確実に早期発見するには小学生高学年の全選手に検診を行うべきだと説いた。徳島での取り組みにも言及し、検診で発見された障害の大半は初期例であり、投球・バッティング中止を主体とした保存療法を行い90%以上が修復していると紹介した。奈良県立医科大学地域医療学講座の江川琢也氏は、平成23年から同県で計7回の検診を実施していると報告した。医師と理学療法士(PT)による一病院の事業として開始したが、マンパワーと経費面の問題に直面したため、NPO法人を立ち上げ、病院関係者以外からスタッフを募集し、企業等からも寄付金を募った結果、検診費用無料で実施できていると説明。回を重ねるごとに規模も拡大し、当初13人だったスタッフが、現在は医師11人、PT78人、臨床検査技師13人、柔整師4人、栄養士4人など計154人に増えたと話した。京都医療センター整形外科の中川泰彰氏は、平成23年から京都軟式野球連盟とタイアップして実施していたが、受診する選手の数が頭打ちとなったため、年に1回は検診を受けないと翌年の連盟主催の野球大会に出場できないとの規定を設け、検診を義務化して球児の障害を守っているとした。宮崎大学医学部付属病院の帖佐悦男氏や新潟リハビリテーション病院の山本智章氏、西別府病院スポーツ医学センターの馬見塚尚孝氏も加わった総合討論では、検診で障害発生を予防するのは難しいので、早期発見し、治療につなげることが主目的である点が確認された。
厚労省 柔整師ら11人、行政処分
厚労省 柔整師ら11人、行政処分
2017.12.25
―6人が交通事故に絡む詐欺行為―
厚労省は12月4日、療養費を不正請求した者や、その他の刑事事件で有罪判決が確定した者について、柔道整復師、はり師・きゅう師、あん摩マッサージ指圧師ら、計11人の行政処分を決定した。施術費等の名目で保険金をだまし取るなど、交通事故に絡む不正(詐欺・詐欺未遂)は6人だった。処分発効日は12月18日。
処分は以下の通り。
【免許取消】
池田幹男(32、あん摩マッサージ指圧師、有限会社メディカル在宅マッサージセンター・名古屋市中村区)=強姦(懲役5年6月)
【業務停止5年】
口田隆二(46、はり師・きゅう師・柔道整復師、すずらん鍼灸整骨院・石川県小松市)=詐欺、詐欺未遂(懲役3年、執行猶予5年)、山形匡(57、柔道整復師、山形整骨院・福井県敦賀市)=詐欺、詐欺未遂(懲役3年、執行猶予4年)
【業務停止3年】
成安潤平(36、柔道整復師、立田町整骨院・大分県別府市)=詐欺(懲役2年、執行猶予4年)、三浦春夫(60、柔道整復師、三浦接骨院・岐阜市野一色)=保険金の詐取
【業務停止2年】
堀功徳(40、柔道整復師、あさがお整骨院・新潟県新発田市)=詐欺未遂(懲役1年6月、執行猶予3年)、五代伸吾(38、柔道整復師、当時無職)=詐欺(懲役1年6月、執行猶予3年)、岸本知郎(31、柔道整復師、やわら接骨院・岡山県井原市)=詐欺(懲役1年6月、執行猶予3年)
【業務停止3月】
堀口哲也(52、柔道整復師、堀口整骨院・神戸市兵庫区)=療養費不正請求(受領委任取扱い中止)、松浦裕紀(40、柔道整復師、陽だまり接骨院・名古屋市中村区)=療養費不正請求(受領委任取扱い中止相当)、原田泰治(51、柔道整復師、原田整骨院・大阪府東大阪市)=療養費不正請求(受領委任取扱い中止相当)
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』153 ファベラの超音波画像観察
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』153 ファベラの超音波画像観察
2017.12.25
田中 正樹(筋・骨格画像研究会)
ファベラは、腓腹筋外側頭の起始部にまれに見られる種子骨であり、出現率は10%程度だと言われている。ファベラが存在するというだけでは疼痛を引き起こすことはないとされているが、ファベラそのものの骨折や骨軟骨炎、ファベラに圧迫されることによる腓骨神経障害などが発生する可能性があるので軽視はできない。
1977年、ウィーナーらは、ファベラにおける鋭い疼痛・限局した圧痛・膝伸展時痛の3症状が見られる疾患を「ファベラ症候群」と報告している。これら3症状のほかに腰部前屈制限や膝伸展制限があり、起立位におけるかかと立ち及びつま先立ちで、膝関節後面外側顆に疼痛を認めることもある。ファベラ症候群は、診察する者に疾患の概念が無い場合、膝関節炎や半月板損傷、腸脛靱帯炎などと混同されてしまうケースがある。
ファベラ症候群が疑われる際に超音波画像観察装置(エコー)を用いる場合、ファベラ周囲の軟部組織やfabello-femoral(ファベロ・フェモラル)関節を観察していかなければならない。ファベラには、骨性ファベラと軟骨性ファベラがある。骨性ファベラは音響陰影を伴う高エコー像、軟骨性ファベラは卵円形の低エコー像として描出される。正常例の後外方長軸走査では、大腿骨外側顆の関節面が半円状の高輝度線に描出されるが【画像①】、骨性ファベラが出現する画像では、ファベラより深部は無エコーとなり、ファベロ・フェモラル関節は見ることができない【画像②】。また、短軸走査でもファベラより深部の関節面は無エコーになり、描出されない【画像③】。その場合は膝外側走査を行い、大腿外側顆とファベラが同時に描出されるようにする【画像④】。
ファベラによる疼痛の原因は、関節症性変化や軟部組織の炎症、滑膜炎などが考えられる。よってエコー画像の着目点は、関節面の不整、ファベロ・フェモラル関節周囲の低エコー像などだが、ファベラと外側顆によってアーチファクト(虚像)が映ることがあり、それらが低エコーを有するので、その影を炎症画像と混同しないように注意しなければならない。
エコーでファベラを観察する際は、エコーの特性をよく理解してプローブを当てる方向を考慮し、アーチファクトの存在も意識しつつ、鑑別につなげる必要がある。
『高度実践柔道整復師コース』開設 平成30年4月、日体大が大学院に
『高度実践柔道整復師コース』開設 平成30年4月、日体大が大学院に
2017.12.10
日本体育大学は平成30年4月から、大学院に保健医療学研究科修士課程を設置して『高度実践柔道整復師コース』を開設する。同コースでは「高度の臨床技量(柔道整復術)を有する臨床現場の指導者」及び「柔道整復師養成施設(大学)等の教員(柔道整復の教育者・研究者)」を養成するとしており、入学対象は柔整師の有資格者もしくは取得見込みの者。
同大学によれば、高度実践柔道整復師とは、「研究者としての資質」「臨床家としてのプロフェッショナリズム」「科学的根拠に基づく柔道整復術」「臨床現場での指導力」を備えた柔整師となっている。
詳細は同大学ホームページ(http://www.nittai.ac.jp/gakubu/graduate/medical_health/)を参照。
第26回日本柔道整復接骨医学会学術大会 スポーツ後は「温めろ」
第26回日本柔道整復接骨医学会学術大会 スポーツ後は「温めろ」
2017.12.10
運動生理学の観点から
第26回日本柔道整復接骨医学会学術大会が11月3日、4日、『地域のゲートキーパーとしての柔道整復師―安心・安全な柔道整復の提供のために』をテーマに大阪市内で開催された。
札幌医科大学医学部細胞生理学講座の當瀨規嗣氏が、『新しい運動生理学―スポーツケアを中心に』と題して特別講演を行った。スポーツ後の身体の冷却は、疲労や痛みからの回復とは無関係であることが近年の研究で分かってきていると述べ、冷却はむしろ回復を遅らせると指摘。 (さらに…)
平成26年度の療養費推計値 柔整3,825億円、3年連続減
平成26年度の療養費推計値 柔整3,825億円、3年連続減
2017.07.25
はり・きゅう380億円、マッサージ670億円
厚生労働省はこのほど、平成26年度の柔道整復、はり・きゅう、マッサージの療養費推計値(医療保険分)を公表した。柔整は前年度より30億円減の3825億円だった。100億円規模の減少が続いた平成24、25年度に比べ、減少幅は狭まったものの、3年連続の減少となった。はり・きゅうは380億円(前年度比4・3%増)、マッサージは670億円(同5・2%増)となっている。
なお、平成26年度は、同年4月より料金改定が施行された年で、税率が8%となった消費税への対応として、0・68%増の改定率で施術料等が引き上げられている。
区 分
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
柔道整復
3,933
4,023
4,068
4,085
3,985
3,855
3,825
対前年度伸び率
2.70%
2.30%
1.10%
0.40%
-2.50%
-3.20%
-0.80%
はり・きゆう
267
293
315
352
358
365
380
対前年度伸び率
8.10%
9.70%
7.50%
11.80%
1.80%
1.80%
4.30%
マッサージ
374
459
516
560
610
637
670
対前年度伸び率
10.30%
22.70%
12.40%
8.50%
9.00%
4.50%
5.20%
国民医療費
348,084
360,067
374,202
385,850
392,117
400,610
408,071
対前年度伸び率
2.00%
3.40%
3.90%
3.10%
1.60%
2.20%
1.90%
(注1)平成21年度までは保険局医療課、平成22年度以降は保険局調査課とりまとめの推計
(注2)柔道整復、はり・きゆう、マッサージ別の療養費の算出について
○全国健康保険協会管掌健康保険(平成20年9月以前は政府管掌健康保険)、健康保険組合、船員保険、日雇特例被保険者、共済組合については推計値を、国民健康保険、後期高齢者医療制度について実績値を使用。
○なお、健康保険組合、船員保険、日雇特例被保険者、共済組合及び国民健康保険の柔道整復、はり・きゅう、マッサージ別の統計が無い又は無かった年度については、
・平成20年度以前の日雇特例被保険者については、療養費総額の実績値に全国健康保険協会管掌健康保険の柔道整復等の各々の割合を乗じ推計。
・平成21年度以前の船員保険、共済組合については、それぞれの療養費総額の実績値に全国健康保険協会管掌健康保険の柔道整復等の各々の割合を乗じ推計。
・平成22年度以降の国及び地方公務員共済組合については、療養費総額の実績値に健康保険組合の柔道整復等の各々の割合を乗じ推計。
保険者機能を推進する会、大阪で柔整問題研修会 大阪社団、「適正化理念」の進捗説明
保険者機能を推進する会、大阪で柔整問題研修会 大阪社団、「適正化理念」の進捗説明
2017.07.25
「広告違反の施術所に不支給を」との提案も
昨年12月22日、大阪府内で開かれた一般社団法人保険者機能を推進する会の『第7回柔整問題研修会』で、公益社団法人大阪府柔道整復師会(大阪社団)が、昨年発表した「療養費適正化理念」の実施状況等を説明した。療養費の適正化策を強力に推し進める保険者団体の勉強会に柔整団体が招かれるのは異例といえる。推進する会理事の長嶺秀一氏(太陽生命健保組合常務理事)は「大阪社団には適正化理念をさらに進めてもらい、私たちもできる範囲で後押ししたい」と述べた。
登壇したのは大阪社団副会長の布施正朝氏。適正化理念を発表した昨年3月から11月までの進捗を報告した。「負傷の徴候の認められない患者への医科受診指導を促進する」との理念では、初検料のみの申請書件数を集計しており、3月施術分で全体の0・04%だった割合が、11月施術分には0・18%に上がったと説明。また、医師への患者紹介用の様式も作成し、整形外科医からも了解をもらっていると述べた。違法広告への対応については、昨年8月に同会会員に向けて自主改善を求める指導通知を出し、今年3月までの徹底を図っているほか、改善された事例を近日中にホームページで公表していくとした。布施氏は、適正化理念の遂行は「府民のための公益社団法人」としての取り組みであるとし、「大阪社団は決して保険請求団体ではない」と強調。最後に、参加した保険者に向けて、「明らかに違法広告を掲示している施術所には不支給決定を出してほしい」と提案した。留意事項通知の中の「通則1」の「療養費の支給対象となる柔道整復の施術は、柔道整復師法に違反するものであってはならないこと」との記載が根拠になり得ると言い添え、業界自らも不正行為を許さないといった姿勢を示した。
また当日は、推進する会所属の健保組合などによる事例発表が複数行われた。柔整だけでなく、鍼灸・マッサージ療養費の取組事例も取り上げられ、不適切な請求に対して不支給決定を出したケースなどを中心に報告された。
近畿厚生局 施術録作成ソフト広告で注意喚起 『近畿厚生局・ 厚生労働省が了承』否定
近畿厚生局 施術録作成ソフト広告で注意喚起 『近畿厚生局・ 厚生労働省が了承』否定
2017.07.25
ワンクリックで「予測カルテ」?
近畿厚生局医療課は1月6日付で、管轄地域の柔道整復施術所に対し、『柔道整復施術所に対する施術録作成ソフトの販売広告について(お知らせ)』と題する通知を行った。一部の施術録作成ソフトの広告で「近畿厚生局・厚生労働省が了承」との表記がなされているとした上で、近畿厚生局が特定の販売会社に対し、このような保証を行うことはないと注意喚起した。
本紙の取材によれば、当該文面を用いた広告が昨年12月頃、施術所宛てに送付されていることが確認できた。「厚生局が認めるカルテ」「ワンクリックで自動的に予測カルテを作成」といった内容で、これまでにソフトを使用した者が近畿厚生局から呼び出し通告を受け、処分に至ったことはないとうたっている。
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』60 『混合介護』への期待と課題
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』60 『混合介護』への期待と課題
2017.07.25
1月18日の社会保障審議会の検討専門委員会で厚生労働省は、健康保険を用いた施術を行う鍼灸・あん摩マッサージ指圧師が、療養費の水増しなどで、平成20年度以降に36府県で約5万5千件、約9億5千万円以上の不正を行ってきたと報告し、対策強化の方針を打ち出しました。41兆円を超える医療費に比べれば、受療率の下がり続ける鍼灸やマッサージの療養費など微々たるものではないか、と思われる方もいるかもしれません。しかし、いずれにせよ、医療介護の公費から私費へのコストシフティングが一層加速されることは明らかです。
厚労省の報告の2日前には、東京都豊島区が、家事などの保険外サービスと介護保険サービスを組み合わせる『混合介護』を、国家戦略特区制度を利用して始める方針だと発表しました。今年度中に特区申請し、早ければ2018年度にも導入される見通しだといいます。『混合介護』については以前にもこの紙面でも言及しましたが、現状でも禁止されているわけではありません。ただし、保険内外のサービスを明確に区分することなど一定の条件を求められるため、一体的に提供するケアプランを立てるのは困難であるといえます。昨年には公正取引委員会が厚労省側に対し、混合介護の弾力化を求める報告を公表しました。
現在の混合介護は患者さん宅に様々な業者が出入りしており、中には宗教法人が布教活動の一環として生活支援のボランティアサービスを行っている例まで見受けられます。在宅診療に従事する医師の立場としては、こうした情報が医師に全く入ってこない現状に、大きな問題を感じています。出入り業種を整理し、患者さんの情報を多職種・多業種間で共有し、保険診療を軸足としながらも様々なサービスの選択肢を戦略的に編成し、適正かつ効率的なサービスを提供できる形が望ましいと考えています。
今、このようなサービスの編成はケアマネジャーがその役割を担っていますが、求められる能力が高度化しているといわれます。ここに混合介護という、保険外のサービスを含めて検討しながらケアプランを組み立てる仕組みを持ち込めば、ケアマネジャーの負担が一層大きくなる恐れがあります。また、ケアプランが属人的で、ケアマネジャーによってプランの質に格差が生じているとの指摘もある中で、ここに自費のサービスが入ってくると、適正性をどう担保するのかも大きな課題だといえます。
【連載執筆者】
織田 聡(おだ・さとし)
富山医科薬科大学薬学部卒。中和鍼灸専門学校中退。
富山医科薬科大学医学部卒後、富山県立中央病院などで研修、アリゾナ大学統合医療フェローシッププログラム修了。
平成25年に日本統合医療支援センターを設立し、代表理事を務める。
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』142 腱組織に対する超音波エラストグラフィー研究の 現状について
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』142 腱組織に対する超音波エラストグラフィー研究の 現状について
2017.07.25
宮嵜 潤二(筋・骨格画像研究会)
超音波エラストグラフィー(Real time tissue Elastography : RTE)は、2003年に日立メディコ(現日立製作所)が世界で初めて開発・製品化した技術で、非侵襲的に組織弾性を測定するものである。この技術は、主に乳腺腫瘍領域や、近年では肝線維化診断への応用などで発展してきた。08年以降、各社がRTEの製品化に参入しており、現在、機器の小型化、高解像度化に伴い、筋骨格系に対する応用も広がっている。しかし、腱や靭帯に対する研究が現状どのようになされているかは明らかではない。そこで今回は、RTEによる腱・靱帯に関する研究文献の数などから、同分野における研究の現状を調査した。
検索対象は、03年以降の、ヒトの腱に対してRTEを使用した研究の英語論文とした。検索はPubmedを使用して、キーワードを「ultrasound(超音波)」・「elastography」と、「tendon(腱)」「ligament(靱帯)」「muscle(筋)」で行った。
結果を【図1】に示す。筋骨格系に関する論文は03年から散見されるが、08年頃から大きく増加している。08年以降はシーメンス、GE、東芝、フィリップスなどの各社がRTEに参入し始めた年であることが要因だと考えられる。
12年頃まで論文数の伸びは停滞するも、13年から再び大きく増加している。なお12年以降には、Shear wave imaging方式の Shear Wave Elastography(SWE)の使用が急増している【図2】。
10年にSSI、12年にはシーメンスから相次いでSWEの新しい機器が発表されたこととの関連が考えられる。SWEは、用手的加圧を必要とするStrain imaging方式と比べて、剪断弾性波の伝搬速度により測定することで、定量性に優れているため、研究用途の応用が進んでいるものと推察される。RTEを用いた腱組織に対する研究報告のうち、14年以降の29%(66文献中19文献)がSWEを使用しており【図3】、 SWE普及との関連も示唆された。
RTEによる腱組織研究の対象組織別の論文の内訳を、【表】に示す。腱を対象とした論文の47.3%がアキレス腱の研究で、膝蓋腱と合わせると約60%を占めていた。これらのことから、アキレス腱や膝蓋腱など大径の組織に比べて、細径の腱や組織に対してRTEを使用するには課題があるものと考えられた。
【表】腱組織における対象別の論文数(110文献中)
tissue
n
%
Achilles tendon
52
47.3
pateller tendon
12
12
flexor tendon
9
9
rotator cuff
6
6
Systematic Review
3
3
extensor tendon
2
2
ACL
2
2
others
24
24
本調査において、筋骨格系に対するRTE研究では、近年、腱組織に対してSWEを使用した研究が増加していることが明らかとなった。今後はアキレス腱や膝蓋腱以外の腱組織に対するアプローチが重要であると考えられた。
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