JATAC第22回全国活動報告会 「脳振盪は侮れない」
2018.03.10
後年に重篤な後遺症も
NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC)の第22回全国活動報告会が2月11日、12日、福岡市内で開催された。
整形外科医で日本ラグビー・トップリーグのチーム「コカ・コーラレッドスパークス」や東福岡高校ラグビー部のチームドクターを務める竹田智則氏が講演を行った。 (さらに…)
JATAC第22回全国活動報告会 「脳振盪は侮れない」
JATAC第22回全国活動報告会 「脳振盪は侮れない」
2018.03.10
後年に重篤な後遺症も
NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC)の第22回全国活動報告会が2月11日、12日、福岡市内で開催された。
整形外科医で日本ラグビー・トップリーグのチーム「コカ・コーラレッドスパークス」や東福岡高校ラグビー部のチームドクターを務める竹田智則氏が講演を行った。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 「こむら返り」では「肉離れ」は起こらないのか?
Q&A『上田がお答えいたします』 「こむら返り」では「肉離れ」は起こらないのか?
2018.03.10
Q.
柔整療養費支給申請書の負傷原因欄に「左大腿部挫傷(夜間に大腿後面がつり肉離れ)、左下腿部挫傷(夜間に下腿三頭筋こむら返り発症のため肉離れ)」と記入して申請したところ、「こむら返りが原因で肉離れは起こらない」との理由で返戻されてしまいました。
A.
大腿後面が「つる」現象はハムストリングス筋の筋痙攣であり、左右にかかわらず起こり得ることです。特に、スポーツ時や筋に疲労が蓄積されている場合などによく発生します。高齢者であれば、夜間に起こることもまれではありません。また、 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』163 どこだ? そいつの臨界は?
連載『汗とウンコとオシッコと…』163 どこだ? そいつの臨界は?
2018.03.10
春が急ぎ足でやってきている。おおよそ3月の春分のあたりで寒さの「荒れじまい」が起こり、寒の戻りがあるものだが、その気配もない。2月の三寒四温が1月の大寒あたりにあったので、『素問』の『運気論』的には、季節のめぐりは太過というところだろう……。
寒暖差が激しくなると体幹部に血流は偏位するが、それを、春ならば木が上にあげるところを、火象と絡み、『難経』的には先の季節の病を出す実邪となり、太陽小腸経の肩貞や天宗に虚熱を張り出させて五十肩様の痺証が多くなる。基礎疾患で症状の出方は異なるものの小腸経の異常を経脉の是動病ではなく、体幹部の臓腑の虚熱の放出空間として症状を現すともいえる。 (さらに…)
連載『未来の鍼灸師のために今やるべきこと』14 女性の価値観を変える~美容業界とのコラボレーションを考える~
連載『未来の鍼灸師のために今やるべきこと』14 女性の価値観を変える~美容業界とのコラボレーションを考える~
2018.03.10
女性にとって、「美」に対する飽くなき追求は幾つになっても終わらないものです。女性が化粧品をはじめとした美容全体にかけるお金は、平均で年間12万円、つまり月で1万円と言われています。化粧やスキンケアは元々セルフケアやセルフコンディショニングの要素を多分に含んでおり、美容を通じて「健康の物差し」を変えるという方法は十分に現実的でしょう。そこで今回は、実際に私が関わっている、美容と身体の健康をコラボレーションさせる二つの試みを紹介します。 (さらに…)
『ちょっと、おじゃまします』 ~無料施術で地域貢献~ おんわ整骨院<大阪府枚方市>
『ちょっと、おじゃまします』 ~無料施術で地域貢献~ おんわ整骨院<大阪府枚方市>
2018.03.10
無料施術で地域貢献
学生時代、バスケットボールをしていた松田優一先生。ケガなどでお世話になったことから治療家に憧れ、高校卒業後、柔整師の資格取得を目指します。並行して学んだオステオパシーが、後の治療の「核」となりました。腰痛だからといって腰だけを診るのではなく、身体全体から身体の使い方、姿勢など多面的にアプローチするオステオパシー。問診には時間をかけているといいます。 (さらに…)
今日の一冊 男が痴漢になる理由
今日の一冊 男が痴漢になる理由
2018.03.10
男が痴漢になる理由
斉藤章佳 著
イースト・プレス 1,512円
「痴漢は性欲をコントロールできないから行為に及ぶ」「痴漢は女性に相手にされない寂しい男である」「肌を露出した女性は痴漢に狙われやすい」。これら痴漢に関するイメージは、全て誤解だという。痴漢は依存症の一種で、痴漢になるのはごく普通の男性であり、その「普通さ」ゆえに性的問題行動が日常に紛れ込んでしまうのだと、精神保健福祉士で社会福祉士の著者は言う。「アジア最大規模」の施設でアルコールやギャンブル、薬物など様々な依存症患者と向き合ってきた経験から、痴漢の実態を解明する。
編集後記
編集後記
2018.03.10
▽11日初日の大相撲三月場所で注目の的は、ジョージア出身の関脇栃ノ心。先場所圧倒的な力で平幕優勝を遂げたのは記憶に新しい。これからも優勝し続けたら七月場所には横綱昇進があるかもね。一方、1月に現役を引退した元幕内双大竜。栃ノ心ほど体格に恵まれず、病気や両肘の故障に苦しむ相撲人生でしたが幕内まで出世したのは立派。今後は「相撲人生で学んだことを通して故郷福島市のために尽くしたい」と柔整師を目指すとか。治療などで支えてもらったから今度は支える側になりたいって。元関取の柔整師に夢が広がります。ちゃんこ料理屋と施術所を一緒に経営してたりすると「あれっ、さっきの先生がちゃんこを持ってきたぞ」って。ともかく、今後双大竜にも注目していきたいですね。(松)
診療報酬の改定内容決定で、次は療養費 慣例に従えば、改定率は0.315%?
診療報酬の改定内容決定で、次は療養費 慣例に従えば、改定率は0.315%?
2018.02.25
具体的な議論は4月以降に
療養費の料金改定に影響する平成30年度診療報酬の改定内容が決定した。改定率は診療報酬全体でマイナス1.19%、医師の人件費などに当たる「本体」部分は0.55%引き上げられることとなった。
柔整、あはき療養費の料金改定は、通常、診療報酬改定と同じ年度に行われ、施行は診療報酬より少し時期を遅らせて実施される。また改定率については、慣例的に診療報酬本体部分のうちの「医科」の改定率の2分の1とされている。今回、「医科」がプラス0.63%だったことを踏まえれば、0.315%近辺のプラス改定になることが見込まれる。
過去、民主党政権時代には「慣例」に反した改定率もみられたが、直近の平成28年度改定では「2分の1」が守られている(下表参照)。現在、柔整・あはきの両療養費検討専門委員会では不正防止策を中心に議論が行われており、特にあはき専門委では往療料加算を引き下げるか否かが大きな争点になっている。料金改定については、4月以降、具体的な議論が展開されていくものと思われる。
札幌市あはき施術費助成 新制度へ
札幌市あはき施術費助成 新制度へ
2018.02.25
国保加入者から全市民(65歳以上)へ
施術対象を健康増進に拡大
札幌市が今秋、65歳以上の市民を対象に、新たな鍼灸マッサージ施術費の助成制度を開始することが分かった。 (さらに…)
『医療は国民のために』242 鍼灸とマッサージの往療料取扱いの相違
『医療は国民のために』242 鍼灸とマッサージの往療料取扱いの相違
2018.02.25
1月31日の第18回あはき療養費検討専門委員会で、保険者から「鍼灸の同意書にも、マッサージと同様に、医師が“往療の必要性”の必要性を記載する項目を入れてほしい」との要望が上がったということを耳にした。
ここで、往療料加算の取り扱いをまず整理したいが、鍼灸(柔整も同様)の施術に係る往療料加算の必要性はあくまで施術者が判断することになっている。 (さらに…)
【寄稿】柔整業界委員の主張・上 「亜急性」は負傷の範囲を指す
【寄稿】柔整業界委員の主張・上 「亜急性」は負傷の範囲を指す
2018.02.25
田村公伸 氏
日本個人契約柔道整復師連盟常任理事
柔整業界側の委員として、柔道整復療養費検討専門委員会の場で厚労省や保険者らと議論を闘わせている日本個人契約柔道整復師連盟の田村公伸氏から本紙に寄稿があった。専門委員会の在り方に危機感を持ち、亜急性や柔整審査会の問題にも警鐘を鳴らす。
専門委ではもっと「適正化」議論を
今般の社会保障審議会柔道整復療養費検討専門委員会のテーマが、「適正化」ではなく「不正対策」として展開されたことは、柔整業界にとって大変侮辱的な出来事である。逆に国、保険者の今までにない本気度が感じられ、柔整師側はもっと危機感を持ち、業界を挙げて真剣に取り組まなければならない。
◇ ◇ ◇
■亜急性議論について
療養費の支給対象として「負傷の範囲」に用いられてきた「亜急性」という文言は、外力の加わり方であり、外傷の発生機序として負傷原因に関して用いられてきた文言であり、あくまで柔整師が療養費を取り扱う上では「亜急性」は療養費の支給対象の負傷の範囲に関しての説明に用いられてきたものである。
今回検討課題として示された「亜急性の文言の見直し」では、この亜急性という文言が負傷の範囲を示す上で表現がそぐわないという意見から「文言の見直し」という議論になったと考える。ところが柔道整復療養費検討専門委員会においては、「医学的に亜急性の外力というものは存在せず、亜急性期すなわち期間を表すもので外力を表すものではない」という意見から議論の内容が急性期、亜急性期、慢性期など「時間軸」として症状の経過を問うのか、負傷の範囲を問うのか混同された議論に変化し「文言の見直し」から「文言の解釈」へと論点がすり替わってしまった感がある。
純粋に文言の見直しを図るのであれば、当初より「療養費の支給対象の負傷の範囲」を表現している「亜急性」の文言を見直し、「急性又は酷使、反復による外傷性であることが明白な……」と見直すことを提唱したい。これは、当初からの療養費の支給対象の負傷の範囲から逸脱したものではなく、外傷の原因が不明なものまで主張するものでもなく、何ら業務範囲を拡大提示しているものではない。負傷の原因や時期は、患者からの申告により得られる情報であり、患者により「いつ・どこで・どうして・どうなった」が明確に回答できないケース、例えばコンタクト系スポーツで負傷した場合や、継続した日常動作及びスポーツ活動などで負傷した場合では「どうなった」が曖昧なケースが臨床上多くある。これらは本来全て療養費の支給対象の負傷の範囲としてとらえて問題がない症例である。
資料として下記に掲載している「国別のスポーツ外傷とスポーツ障害の取り扱い状況」を見れば、スポーツ障害やスポーツ外傷においても発信が外国である場合、それを日本語に翻訳し医学的に分かりやすいように分類した結果、適切な表現がなされていないことがうかがえる。
また、『最新整形外科学大系 第23巻「スポーツ傷害」』(中山書店、2007年)に記載されているリトルリーグ肘の事例を用いた一文では当該傷害を「野球などで幼弱な発育期の肘に過大なストレスが繰り返し加わった結果、肘関節内顆に発生した病態を言う」と定義しており、「急性発症で骨片に明らかな骨折断端がある剥離骨折と、小骨片や数個に分節した亜急性発症例がある」と分類されている。「亜急性発症」は、overuse により繰り返された外力は組織に負担がかかる状態となり、微少刺激により過大なストレスを引き起こし、その結果病態組織変性が生じるが、痛み等の症状の認知が病態組織変性に遅れた状態で発症するため、「急性発症」と区別した表現で記載されていると示している。医師でもある学者が監修した文献に「亜急性発症」の記載があり、「医学的に亜急性の外力というものは存在せず、亜急性期すなわち期間を表すもので外力を表すものではない」という意見には疑問が生じる。
参考までに病理学の観点からでも医歯薬出版株式会社から出版されている『病理学概論』によれば「発病から回復に至るまでの経過時間の長短によって疾病を急性、亜急性、慢性に分類することは一般的によく行われている。すべての病気が最初から急性、慢性に分類されているのではなく、臨床経過から見た結果的な分類である」とあり、炎症についての項では「滲出は急性の時期に相当し、増殖は慢性又は亜急性期に相当する」とも記述されている。つまり、急性期=滲出性炎、慢性期=増殖性炎ということであり、経過時間によって分類はされていない。結果的に経過時間の分類に用いる用語としても、初診の段階で急性・亜急性・慢性と分類することはナンセンスである。
変形性膝関節症で関節水腫の事例を用いると、変形自体は長時間の年月をかけたもので、時間で分類するなら慢性であろう。外力で分類するなら、重力という外力により長期間を経て損傷されたものであるから亜急性である。そこにはもちろん、生活環境、労働環境など重力下で起こる微細な外力の積み重ねが大きな要因であることは言うまでもない。しかし、炎症の観点からみれば水腫という滲出が起きているので急性となる。つまり、変形という期間的にみると慢性期であるが、亜急性の外力により水腫という炎症が急性に起きたことになる。これは療養費の支給対象の負傷の範囲としてとらえて問題がない症例である。なぜなら、柔道整復学・理論の観点からいえば亜急性の外力であり、病理学の観点からいえば滲出性の炎症であるので急性である。
学校教育の場でも、外傷の発生機序とした認識のもとで急性、亜急性を区別、使用し柔道整復学においてもその概論は変わることなく教育されている。また病理学もしかりである。
医学分野において発生機序を説明する文言(用語)が存在しないのなら、亜急性を医学的文言に改めるべき議論をすることが本来の文言の見直しであり、世界的な基準を踏まえた上で臨床を行っている柔整師だけではなく養成校・学者・教員等が学術的に検証し議論を進める場を別に設け、そこでの議論としなければ根本的な解決には至らないであろう。
「亜急性」は単に療養費取り扱いの負傷の範囲を説明する文言であること。この文言が曖昧でそぐわないので見直しを図る、との本来のテーマを踏まえ、議論のすり替えをすることなく、療養費・受領委任制度は患者のための制度であることを忘れないよう議論が進むことを希望する。
後編に続く
しんきゅうサミット2018 大浦慈観氏ら、講演や実技供覧
しんきゅうサミット2018 大浦慈観氏ら、講演や実技供覧
2018.02.25
技術・研究・教育の観点から
鍼灸院の口コミサイト「しんきゅうコンパス」を運営するカリスタ株式会社主催の『しんきゅうサミット2018』が1月21日、東京都内で開催された。
公益財団法人杉山検校遺徳顕彰会理事の大浦慈観氏が『腰痛に対する鍼灸治療―鍼一本で患者の身体と心を変える』と題して講演を行った。 (さらに…)
到知出版社から新刊 「人生はあなたに絶望していない V・E・フランクル博士から学んだこと」
到知出版社から新刊 「人生はあなたに絶望していない V・E・フランクル博士から学んだこと」
2018.02.25
人生はあなたに絶望していない
V・E・フランクル博士から学んだこと
致知出版社から新刊『人生はあなたに絶望していない―V・E・フランクル博士から学んだこと』が発行された。著者は心療内科医で、線維筋痛症といった慢性疼痛などの全人的医療を研究している永田勝太郎氏。B6変型判、174頁。本体価格1,300円。
50歳を迎えようとしていた頃、末梢から筋肉が萎縮していき、寝たきりになる病に冒された著者。絶望の淵から彼を這い上がらせたのは、師であり、アウシュビッツ強制収容所を生き抜いたビクトール・フランクル博士が遺した言葉だった――。一人の医師が、血の滲む苦しみの末、多くの患者のために難病から立ち直る姿を追う一冊。
(さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』86 鍼灸マッサージ師、柔整師も薬の情報の入手を
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』86 鍼灸マッサージ師、柔整師も薬の情報の入手を
2018.02.25
医師や薬剤師だけでなく、鍼灸マッサージ師・柔整師にとっても、来院する患者さんがどんな薬を服用しているのかを知っておくことは非常に有効です。そのために薬の情報をぜひ知っておいていただきたいのですが、本屋に行って薬の本を探しても、医師や薬剤師が用いる非常に分厚い辞書のような本か、『家庭の医学』的な簡単な説明が載っている、これまた分厚い本がほとんどでしょう。さらに最近では、ジェネリック薬品(後発薬)が非常に多くなってきていて、実際に患者さんから飲んでいる薬を教えてもらっても、その薬を書籍の索引から見つけることができない場合が少なくありません。薬に関わる情報の環境は大きく変わっていて、今やインターネットを使うのが、最も正確で、かつ最も適切な情報を、タダで入手することができます。多くの人がこのことを知らないようです。
先日、私たちは『現場で役立つ薬のホント~種類・飲み方・副作用~』(織田聡・織田しのぶ・平井みどり編著、技術評論社)という本を上梓しました。よくある辞書や辞典のような本ではなく、正確な薬の情報をインターネット上から無料で手に入れて、その情報をいかに読み込むかということなどを紹介している本です。
医療機関を受診し、処方箋をもらって調剤薬局に行くと、薬と一緒に薬の説明書(薬剤情報提供文書)を渡してもらえるかもしれません。しかし、その説明書には非常に簡単な薬の解説しか書いてありません。一方、薬局でOTC薬(Over The Counter薬:処方箋を必要とせずに購入可能な医薬品)を買うと、「化粧箱」の中に詳細な説明書が入っていますね。実は病院で処方される医薬品の場合も、同じような説明書(添付文書)があるのですが、薬局で箱から出して袋に詰められる際に破棄されています。この説明書をインターネット上から無料で入手することは誰にでも可能で、薬剤情報提供文書よりも、薬の本よりも、もっと詳しい薬の情報を得ることができるのです。Google などの検索サイトから「薬の名前 添付文書」で検索すると、多くの情報が結果として表示されますが、ぜひ製薬メーカーが作成したものを直接入手するようにしましょう。
なお、この添付文書は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が取りまとめています。『現場で役立つ薬のホント』では、このPMDAでの添付文書の入手の仕方、入手した添付文書の読み方も解説していますので、ぜひとも本屋で手に取ってみてください。
【連載執筆者】
織田 聡(おだ・さとし)
日本統合医療支援センター代表理事、一般社団法人健康情報連携機構代表理事
医師・薬剤師・医学博士
富山医科薬科大学医学部・薬学部を卒業後、富山県立中央病院などで研修。アメリカ・アリゾナ大学統合医療フェローシッププログラムの修了者であり、中和鍼灸専門学校にも在籍(中退)していた。「日本型統合医療」を提唱し、西洋医学と種々の補完医療との連携構築を目指して活動中。
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』155 牽引型骨端症(セーバー病)の超音波観察
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』155 牽引型骨端症(セーバー病)の超音波観察
2018.02.25
後藤 陽正(筋・骨格画像研究会)
少年スポーツに関わる治療家にとって、成長期に発生する骨端症は厄介なものである。個人差はあるが、競技パフォーマンスや成績に大きく影響するからだ。骨端症は圧潰型と牽引型に分類される。圧潰型は原因不明で、血行が障害されて骨壊死を引き起こしたり、処置を誤ると変形性関節症へ移行してしまったりすることもある。牽引型は、骨強度が未発達な時期に繰り返し外力が加わることで骨端核が損傷を受けて発症する。過度なスポーツ活動が誘因のため、罹患者にとってスポーツ自体が苦痛なものとなってしまうこともある。牽引型にはオスグッド・シュラッター病とセーバー病があり、オスグッド・シュラッター病は大腿四頭筋の過度な牽引により脛骨粗面部に裂離損傷が引き起こされ、セーバー病は下腿三頭筋・アキレス腱と足底筋群・足底筋膜の張力によって踵骨隆起部が分節化する。セーバー病は小学生高学年、オスグッド・シュラッター病は中学生の時期に好発し、いずれもスポーツ活動の休止や、成長軟骨板の閉鎖時期が近付くことによって症状は治まる。今回は、セーバー病に罹患した症例を紹介する。
患者は少年柔道クラブに所属する12歳の男子。左右の踵骨部に疼痛があり、下腿三頭筋の柔軟性の低下や足底部のアーチ低下などを呈していたため、セーバー病と判断した。疼痛は3カ月前に発現し、徐々に増強してきたとのこと。骨端核と足底部の状態を把握する目的から超音波画像観察装置(エコー)による観察を実施した。エコーでは、音波の侵入度合いによって分節の度合いが観察できる。【画像①】は左側の踵骨部の画像で、分節を示唆する音波の侵入が強いことが見て取れる。【画像②】は右側の踵骨部の画像。分節を示唆する部位の音波の侵入は左側に比べると弱い印象を受ける。【画像③】は左右の足底部の画像である。骨表層の筋群が高エコーになっており、縦アーチの消失による慢性的伸張状態が筋萎縮を引き起こしていると推測される。
セーバー病では踵骨隆起部の観察だけでなく、足底部の組織状態を把握することも重要である。アーチ崩れによる慢性的な筋の伸張状態は筋力低下を引き起こし、症状を更に悪化させる要因にもなる。画像を通じて足底筋群の説明をすることで自宅でのトレーニングの必要性を患者に理解してもらえば、結果的に治療効果の向上につながると考える。
※画像はいずれもクリックで拡大
日本スポーツ医科学学会 第1回学会東京大会 多職種連携促進など目的に設立
日本スポーツ医科学学会 第1回学会東京大会 多職種連携促進など目的に設立
2018.02.25
笹川氏「普段からのコミュニケーションが先行」
織田氏「業界外の付き合い、医師も不得手」
一般社団法人日本スポーツ医科学学会(笹川隆人会長)の第1回学会東京大会が1月21日、東京都内で開催された。一般社団法人診療連携ネットワーク協会(織田聡代表)との共催。
同学会は、公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会でのスポーツ関連の部会における議論を契機に設立された学術団体。鍼灸・マッサージに限らず、柔整師やPT、医師を含むスポーツ分野における医学、トレーニング学、栄養学、情報科学分野全般において、学術の発展及び連携の促進を図ることを設立主旨とする。
講演は主に笹川氏と織田氏の対談形式で進められた。笹川氏は、 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 なぜ私たち柔整師がこんなにも攻撃されるのですか?
Q&A『上田がお答えいたします』 なぜ私たち柔整師がこんなにも攻撃されるのですか?
2018.02.25
Q.
厚労省の発表では、柔整療養費が4年連続でマイナスだとか。高齢の患者さんが整形外科に流れているからではないでしょうか。
A.
今年初め、厚労省から平成27年度の療養費の推計値が発表されました。おっしゃる通り、柔整の療養費は対前年度比36億円減で4年連続のマイナスです。療養費が抑制され続けた結果、柔整業界が縮小しているのは、廃業の届出数を確認するまでもなく肌で感じられますね。 (さらに…)
連載『食養生の物語』57 クセが強いが万能薬、セロリ
連載『食養生の物語』57 クセが強いが万能薬、セロリ
2018.02.25
おととし解散した某アイドルグループに「セロリが好きだったりするのね」と歌われたように、好き嫌いの分かれる野菜の代表格として知られるセロリ。冬から春にかけては季節が陰から陽へと転化するため、この時期に旬を迎える葉物野菜にはアクの強いものがいくつかあり、中でもセロリの香りは独特。良い香りと思う人がいれば別の人からは嫌われるという変わった性質を持った香りです。日本では、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、加藤清正が持ち帰ったのが最初で「清正ニンジン」と呼ばれていたようです。江戸時代にオランダ人が長崎に持ち込んだ品種が「オランダ三つ葉」と呼ばれたとの記載もあります。いずれにしても、やはり特有の香りが日本人には受け入れられず、洋食文化が定着するまではなかなか広まらなかったようです。 (さらに…)
連載『アロマテラピーをたずねて』93 不眠症の改善にバイオレットリーフ
連載『アロマテラピーをたずねて』93 不眠症の改善にバイオレットリーフ
2018.02.25
フランス南部、コート・ダジュールで冬の最大のイベントといえば、ニースのカーニバルです。2月の中旬から15日間にわたって、中心地のマセナ広場で繰り広げられます。特に、海岸通りのプロムナード・デ・ザングレを練り歩く「花のパレード」は圧巻で、蘭の花やバラ、グラジオラスなど地元で栽培された花で豪華にアレンジされた何台ものフロートがパレード。フロートに乗った美女から、観客に次々と花が投げられていきます。 (さらに…)
『ちょっと、おじゃまします』 ~ストレッチングで患者さんのため~ 大阪府枚方市<からだ運動工房 香里整骨院>
『ちょっと、おじゃまします』 ~ストレッチングで患者さんのため~ 大阪府枚方市<からだ運動工房 香里整骨院>
2018.02.25
『運動で健康な身体をつくる』を掲げる「からだ運動工房」香里整骨院。柔整施術とストレッチングを中心に、地域の健康増進に取り組んでいます。
院長の与儀先生が治療家を志したのは、営業職として飛び回っていた20代の頃。「この仕事は『ありがとう』と言われることがない」「人のためになるような仕事を」――そんな思いで転職を決め、知人の紹介で整骨院の門を叩きました。「いかにも昔ながら」だという院で患者さんとの接し方や言葉遣いを叩きこまれる一方、専門学校で出会ったのがストレッチング。「間違ったストレッチングで逆に身体に負荷をかけている指導者も多い」そうで、日本ストレッチング協会で基本に徹した技術を学んだ結果、卒業を前に最高資格である講師の認定を受けました。
免許取得後、3年間の雇われ院長の経験を経て地元で開業。閑静な住宅地の地域性に合わせて民家を改装、素朴な門構えを目指しました。特徴はやはりストレッチングで「ほぼ全ての患者さんに運動の指導をする」とのこと。症状にもよりますが、多くの場合に必要なのは「『インナーユニット』のスイッチを入れる」ことだといいます。腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋を指し、これらの筋肉に意識して力を入れられるようになると、身体の軸が安定し、ブレや余分な動きが減って、膝や股関節の痛みの多くが改善するそうです。身体を鍛えている方でも、インナーユニットは意識できていないことが多いとか。坂道が多い立地もあり、多くの患者さんから「坂を登るのが楽になった」と喜ばれています。
近隣の公民館では毎月健康教室を開いてストレッチングを指導。当初3、4人だった参加者も今は毎回20人ほどで、高齢者だけでなく、健康を意識する50代ぐらいの方も。健康教室を切っかけに来院する患者さんも多いといいます。「家でも自分でトレーニングできるように」という方針もあり、患者さんが継続して来院するのは長くても2カ月程度。それでも口コミで患者さんの伸びは順調で、「将来は施術者を増やしつつ、より運動に力を入れていきたいですね」と展望を語ります。
▲民家を改装した院内には多くのトレーニング器具が
▲地域の公民館での健康教室
与儀健太先生
平成20年平成医療学園専門学校卒業、同年柔道整復師免許取得。37歳