連載『柔道整復と超音波画像観察装置』224 特発性炎症性筋疾患における超音波画像診断の有用性

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投稿日:2023.11.25

柔道整復連載

宮嵜 潤二(筋・骨格画像研究会)

 特発性炎症性筋疾患(idiopathic inflammatory myopathies:IIM)は、骨格筋の炎症とともに筋力低下や筋痛を伴う疾患の総称である。1975年にBohanとPeterにより提唱された古典的な基準で骨格筋の炎症性障害に加えて定型的な皮疹の有無による多発性筋炎(polymyositis:PM)と皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)とされていた。

 これらは鍼灸や柔整の領域においても学校教育や研究がなされており知られているが、2017年にヨーロッパリウマチ学会(EULAR)、アメリカリウマチ学会(ACR)により発症年齢、筋力低下、定型的皮疹、嚥下障害、血液所見、筋病理所見による新たな分類(成人および若年のIIMのEULAR/ACR分類基準)が公表され、無筋症性DM(amyopathic dermatomyositis:ADM)及び封入体筋炎(inclusion body myositis:IBM)、免疫介在性壊死性ミオパチー(immune-mediated necrotizing myopathy:IMNM)を含めたIIMの分類がなされた(Lundberg IE, Arthritis Rheumatol. 2017)。

 近年では臨床的な骨格筋障害だけではなく、皮膚、関節、肺、心疾患、悪性腫瘍等の臨床症状を有する筋炎スペクトラムという概念も提唱されている(Barsotti S, Immunol Med. 2018)。

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