『医療は国民のために』340 「復委任是非」の議論はファクタリング問題抜きには語れない

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投稿日:2022.04.10

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 長年、私は「療養費にはファクタリングは認められない」旨の論調を本欄で積極的に展開してきたが、ここに来てこの話題が再熱するのではと感じている。

 ファクタリングは、医科の診療報酬で実施されて久しく、それを手掛ける専門業者も多数存在する。「将来的に支給される診療報酬を債権譲渡し、金融機関から資金の融通を受ける」ことで、診療報酬は保険医に帰属する債権であるから全く問題はない。一方、療養費はあくまで被保険者(国保は世帯主)が帰属主体である。よって、施術管理者は単に療養費の受取代理人に過ぎず、療養費の支給を求める裁判提訴や審査請求という不服申し立てができないのだ。つまり、「当事者適格がない」とされているのだ。

 とはいえ、施術者団体の一部で、将来施術者が実質的に受け取れる療養費を当て込んで、これを金融機関から現金化し「早期支払い」という形で、保険者からの入金を待たずに所属会員に現金化する実務処理が行われているのは周知のことだろう。

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