連載『中国医学情報』193 人工気道患者の経鼻腸チューブ挿入を容易にする鍼灸(上海鍼灸雑誌)ほか

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投稿日:2021.04.09

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今回の内容
・人工気道患者の経鼻腸チューブ挿入を容易にする鍼灸―薬物単独とランダム化比較(上海鍼灸雑誌、20年4期)
・変形性膝関節症の温灸治療効果―常軌鍼治療とのランダム化比較(中国鍼灸、20年9期)
・産後閉経28例に抜缶と棒灸併用治療(中国鍼灸、20年11期)

☆人工気道患者の経鼻腸チューブ挿入を容易にする鍼灸―薬物単独とランダム化比較

 浙江省温州市中心病院・張暁暁らは、人工気道患者の経鼻腸チューブ挿入で薬物単独と鍼灸併用を比較(上海鍼灸雑誌、20年4期)。
 対象=106例(男69例・女37例、平均70±6歳)―脳血管障害47例・心血管系疾患33例・COPD20例・心肺蘇生後15例・多臓器機能不全8例、いずれも気管挿管・切開、3日で経口摂取不能の見込み、胃瘻栄養摂取不適の疑いあり。これをランダムに、薬単独群50例・鍼併用群56例に分けた。
 治療法=両群とも、挿管前日から常軌の現代薬治療(胃運動促進剤、筋肉注射)3~4日。
<鍼灸>①取穴―足三里・中脘・三陰交・上巨虚・下巨虚・内関・公孫(左右ある穴は両方使用)。②操作―0.30×40mmの鍼を使用。足三里・中脘・三陰交・上巨虚・下巨虚には直刺8~15mm、内関・公孫には直刺5~8mm、得気後に置鍼30分。足三里か中脘には温鍼灸(灸頭鍼)。治療は挿管前日から開始、毎日1回、3日を1クール、未成功者は更に連続3日治療。
 観察指標=挿管48時間後と72時間後にX線像で位置を確認する。
 結果=成功率は、48時間後―薬単独群24.0%(12例)、鍼灸併用群89.3%(50例)。72時間後―薬単独群24.0%(12例)、鍼灸併用群98.2%(55例)。

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