連載『食養生の物語』109 『今できる、食育』

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投稿日:2022.06.24

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 天候不順に世界情勢が重なって原材料が高騰し、食料品の値上げが続いています。燃料費や物流コストも上昇し、どこまで値上げが続くか分からない状況です。「困った」と言う人がおられる一方、さほど影響なさそうな人も見受けられます。食品を購入する際に価格を重視する人が前者で、後者はどちらかというと価格よりも中身・品質を重視しているように映ります。原材料表示を見て、余計な添加物が入っていないか、原料は国内産かオーガニックか、などをチェックする習慣の人ほど値上げへの反応が小さいようです。

 こうした購買行動も、食を通した教育、すなわち「食育」に通じるのではないでしょうか。食育という言葉が最初に使われたのは明治時代の医師・石塚左玄が記した『化学的食養長寿論』だとされています。左玄は「子どもの教育で一番大事で基礎となるものは食育であり、しっかりとした家訓が重要である」としています。教育の基礎となるのが食育。食事を作ってくれる人に感謝し、「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わせ、食事の役割分担をしていくことが躾となり、家訓となっていくのでしょう。

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