連載『中国医学情報』206 スポーツ選手の鵞足炎に「斉刺」通電鍼+マイクロ波治療―ランダム化比較ほか

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投稿日:2022.05.10

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今回の内容
・スポーツ選手の鵞足炎に「斉刺」通電鍼+マイクロ波治療―ランダム化比較(鍼灸臨床雑誌、2021年7期)
・小児アレルギー性鼻炎への円皮鍼治療の免疫学的効果―薬物とのランダム化比較(上海鍼灸雑誌、2021年12期)

☆スポーツ選手の鵞足炎に「斉刺」通電鍼+マイクロ波治療―ランダム化比較

 遼寧省瀋陽市の軍事体育訓練センター・高琛らは、ランナーやスピードスケート選手に多い鵞足炎に対し、2種の治療法をランダム化比較(鍼灸臨床雑誌、2021年7期)。
 対象=スポーツ選手36例(男28例・女8例)、平均20歳弱・平均罹患期間約2.67日、最近3カ月以内に抗炎症薬治療なし。これをランダムに斉刺群・対照群各18例に分けた。なお「斉刺」とは、中央に1鍼、その両側に各1鍼、計3鍼を刺す鍼法で別名「三刺」。
 治療法=両群とも鍼治療毎日1回30分間、連続6日・休息1日で治療14日。さらにマイクロ波(極超短波)治療(膝関節内側痛点に1回20分間輻射、他は鍼に同じ)も併用。
<斉刺群>①取穴―鵞足結点1(血海穴下1寸、縫工筋筋腹。経験穴)・鵞足結点2(縫工筋・薄筋・半腱様筋の共同停止部。常用阿是穴)。②操作―0.35×40mmの鍼使用。まず鵞足結点1と鵞足結点2に各1鍼、次に両穴の傍ら5mmの部位に各2鍼、得気後に鵞足結点1の3鍼に+極、鵞足結点2の3鍼に-極を接続して通電(疎波、強度は大腿筋が脈打って耐えられる程度)。
<対照群>①取穴―膝眼・血海・梁丘・陰陵泉・陽陵泉・足三里・三陰交。②操作―刺鍼得気後、平補平瀉。
 観察指標=①リスホルム膝評価法(LKS: 跛行・疼痛・腫脹ほか運動機能・症状を0~100点で程度を示す)。②VAS(疼痛を0~10点で評価)。③膝関節能動的屈曲角度(優:ROMが110°以上、良:同上90°以上~110°未満、劣:同上90°未満)。④バイオマーカー:血漿中の炎症性マーカーである高感度CRP濃度(hs-CPR)とIL-1β。
 結果=臨床的効果は、斉刺群:治癒14例・著効3例・無効1例・総有効率94.5%、対照群:治癒9例・著効6例・無効3例・総有効率83.3%。

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