連載『柔道整復と超音波画像観察装置』194 内果下方の遊離骨片による後脛骨筋腱炎

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投稿日:2021.05.25

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後藤 陽正(筋・骨格画像研究会)

 後脛骨筋は足部の底屈及び内返しに強く関与し、内側縦アーチに重要な働きをしている。後脛骨筋麻痺や後脛骨筋腱の変性あるいは断裂では後天的な扁平足を生じ、後脛骨筋腱機能不全症では後脛骨筋腱が加齢による変性を引き起こし、多くの成人期扁平足の原因となり、中年以降の女性に好発する。足部のアーチにはトラス機構(衝撃吸収機構)、ウィンドラス機構(足部安定性機構)があり、足部にとって重要な働きを担っている。ゆえに後脛骨筋及び腱に障害が起こると前述の機構は破綻し、後天的な扁平足を呈するようになる。後脛骨筋及び腱の炎症による症状は内果下方の後脛骨筋腱に沿った痛みや腫脹が特徴的である。扁平足の進行とともに踵部が外反を呈し、外果との間で軟部組織が挟み込まれ、次第に足部外側にも疼痛が生じるようになる。今回は、内果下方の遊離骨片による後脛骨筋腱炎を発症した症例を紹介する。

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