鍼灸師と精神科の連携強化をめざすAPネットワーク、参加呼びかけ
2025.06.30
鍼灸師(Acupuncturists)と精神科領域の医療従事者(Psychiatrists)がつながり、学び、助け合うための非営利団体『APネットワーク』が参加者を募集している。
APネットワークは、精神科医で昭和医科大学発達障害医療研究所副所長の中村元昭氏が、ストレスケア病棟で約10年に渡り鍼灸研究に取り組んだのち、精神疾患の当事者や予備軍に適切に鍼灸が選択できるシステム構築の必要性を実感し、令和3年12月末に立ち上げたもの。
APネットワークで行っている医療協働のための具体的な取り組みとしては、発達障害や慢性疼痛、依存症、緩和ケアなどをテーマとしたオンライン勉強会を2カ月に1回実施。専門家の講義や質疑、意見交換を行っている。
もう一つの主要な活動は、患者を安心して紹介できる「鍼灸院リスト」の作成。リストへの登録には3年の臨床経験が必須となるほか、学会参加及び卒後研修の修了などの基準を設けている。登録後の紹介においては、患者来院後の報告書の作成や適切なタイミングでの逆紹介を促すなど、信頼関係を構築し協力して患者を診るためのルール作りも進めている。
また「鍼灸院リスト」と併せて、鍼灸を分かりやすく解説する「鍼灸パンフレット」作成に取りかかっているほか、鍼灸師と精神科医療従事者がオンラインで個別ケースの相談ができるシステムづくりにも着手する予定。
6月下旬よりCAMPFIREにてクラウドファンディングを開始
6月時点で鍼灸師、医師、看護師、心理師を合わせ800名程の登録があり、さらなる活動の周知や「鍼灸院リスト」の活用を促すためのホームページ制作のため、6月21日からCAMPFIREにてクラウドファンディングを開始している。終了予定は8月11日。
立ち上げから運営に関わっている東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科助教の松浦悠人氏は、
「私たちは、精神科医をはじめとする医療従事者と鍼灸師が連携し、メンタルヘルスの悩みを抱えている人々に鍼灸という選択肢が届くようにするための活動を行っています。現在の活動の中心はオンライン勉強会や鍼灸院リストの作成ですが、今後はさらに活動を展開していく予定です。もしご興味があれば是非ご参加いただき、東西両医学が連携・共創する医療を共に創り上げていきましょう!」とコメント。
APネットワークへの参加は無料で、心の病を持つ人をみる医療従事者に向け広く募っている。登録はこちら
■CAMPFIRE「APNET」へのクラウドファンディングページへのリンクはこちら