連載『汗とウンコとオシッコと…』196 脱力
2020.12.10
このまま行けば紅蓮の色を醸し出すはずの紅葉が、「寒の戻り」ならぬ「暖の戻り」で汚くなった。急に寒くなり春のような「三寒四温」の気候が続き、結果、身体は春と勘違いして微妙に弦脈が出て来る。そうなると金剋木の状態の血流に至り、仙腸関節痛や膝、心痛、咳嗽などが出てきてややこしい季節であった。人によるが温かさで脈管が緩み、遊走性の疑似炎症の神経伝達不良の痛みが出て、患門辺りが痛む人も多く見られた。そこでようやく鉛色の雲が出てきて冬が到来し、体幹部に血が集まって血圧が上がり、通常の冬らしい広範囲に背面の病症が現れる状態に至ったわけだ。
「久しぶりやな、岩垣の婆さん」
と、相変わらず横柄な横転先生。70歳前でやせ形で、アクティブに動きバレエを続けている女性が来院した。 (さらに…)