連載『織田聡の日本型統合医療“考”』164 ヘルステックイベント(その2)
2021.06.10
前回、ヘルステック(HealthとTechnologyを掛け合わせた造語)分野のイベントで私が講演した内容を記しました。さらに順を追って詳しく解説します。改めて、私が掲げたヘルスケア領域のベンチャーに望むサービスは、
1)社会保障費に負担をかけない
2)サービスの質を下げない
3)人材の補強・雇用の創出
です。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』164 ヘルステックイベント(その2)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』164 ヘルステックイベント(その2)
2021.06.10
前回、ヘルステック(HealthとTechnologyを掛け合わせた造語)分野のイベントで私が講演した内容を記しました。さらに順を追って詳しく解説します。改めて、私が掲げたヘルスケア領域のベンチャーに望むサービスは、
1)社会保障費に負担をかけない
2)サービスの質を下げない
3)人材の補強・雇用の創出
です。 (さらに…)
連載『中国医学情報』195 武漢の新型コロナ肺炎患者42例での管鍼治療の効果(上海鍼灸雑誌)ほか
連載『中国医学情報』195 武漢の新型コロナ肺炎患者42例での管鍼治療の効果(上海鍼灸雑誌)ほか
2021.06.10
今回の内容
・武漢の新型コロナ肺炎患者42例での管鍼治療の効果(上海鍼灸雑誌、21年4期)
・不妊症100例で火鍼点刺治療と現代医薬治療とをランダム化比較(上海鍼灸雑誌、21年4期)
・老年性の尿失禁72例で普通鍼法と鍼温灸併用法とをランダム化比較(上海鍼灸雑誌、21年4期)
☆武漢の新型コロナ肺炎患者42例での管鍼治療の効果
上海中医薬大学付属岳陽中西医結合病院・侍鑫傑らは、武漢雷神山病院で2020年2月19日~3月28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に管鍼治療をし、満足すべき効果を得たと報告(上海鍼灸雑誌、21年4期)。
対象=42例:普通型33例・重型9例(年齢や男女の例数は未記載)。
鍼治療法=中国針灸学会のCOVID-19診療方案などを参考にしたが、陰圧室内での手袋を3層にした状態(ほかに防護服・防護眼鏡・マスク・帽子・フェイスガードなども着用)での中国式鍼の操作は不便なので、日本式の管鍼(0.25×40mm)を採用。
①取穴―基礎穴:合谷・内関・曲池・列欠・足三里・太衝。不眠・多夢:申脈・照海を追加、腹痛・腹脹・食欲不振:三陰交を追加。
②操作―足三里・三陰交・合谷・内関・曲池・太衝・申脈・照海は直刺0.5~1寸、列欠は上向き斜刺。得気後に進鍼を停止。各穴は平補平瀉法、置鍼30分間。毎回単側刺鍼、隔日に反対側刺鍼。連続治療12日あるいは患者退院まで。
結果=全員が治癒あるいは好転し退院。胸部不快感・胸痛・倦怠感・動悸が激しくなる・焦慮・緊張・食欲不振・不眠などの症状は、いずれも明らかに改善あるいは寛解。治療後の不良反応や併発症なし。
現代医学的治療の記載はほとんどないが、31例(73.8%)が純中医治療(代表症例紹介の1例は中薬も併用)とあることから、残り11例は現代医薬併用例と思われる。 (さらに…)
医学書院から新刊 「標準免疫学 第4版」
医学書院から新刊 「標準免疫学 第4版」
2021.06.10
株式会社医学書院から新刊『標準免疫学 第4版』が発行された。監修は大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授の宮坂昌之氏。小安重夫氏(理化学研究所理事)、椛島健治氏(京都大学大学院教授)編。AB判432頁、8,250円。 (さらに…)
月次支援金 施術所も対象、6月16日から
月次支援金 施術所も対象、6月16日から
2021.06.10
宣言・まん防での減収を毎月支援
3度目の緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の影響を受けた個人事業主等の支援策「月次支援金」の受け付けが、6月16日から始まる。既に国が実施している「一時支援金」の要件や仕組みを用いており、施術所も給付対象に盛り込まれている。
申請は月単位で、外出自粛等の影響を受けた月の売上高が、2019年または2020年の同月に比べて50%以下に減少した個人事業主に最大10万円/月(法人は最大20万円/月)が支給される。(給付額の計算方法は上記参照)
Zoomイベント第4回『政治×鍼灸』 「鍼灸が求められるためのヒント」鍼灸師市議会議員・桐木氏が語る
Zoomイベント第4回『政治×鍼灸』 「鍼灸が求められるためのヒント」鍼灸師市議会議員・桐木氏が語る
2021.06.10
鍼灸師が「政治」について語り合うオンラインイベント『政治×鍼灸』が4月19日に開かれた。4回目となる今回は、鍼灸マッサージ師でありながら、東京都多摩市議会議員として市政に携わる桐木優氏がゲストに招かれ、「社会に求められる鍼灸」について鍼灸師議員という立場から語った。
エビデンス構築、医療の中の立ち位置、行政への提案方法
桐木氏は現在、市議3期目で健康福祉常任委員会委員長を務めるかたわら、おもと鍼灸治療院の院長として1日に5、6人の患者の臨床に当たっている。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 鍼灸師もワクチンを打てる?
Q&A『上田がお答えいたします』 鍼灸師もワクチンを打てる?
2021.06.10
Q.
著名人がSNSで「特例法を作れば獣医でも消防士でも鍼灸師でもワクチン接種はできる」との書き込みをされていますが、どうなのでしょう。
A.
新型コロナウイルスのワクチン接種の「打ち手」が大幅に不足しており、その打開策として歯科医師、既に退いている看護師、薬剤師、救急救命士及び臨床検査技師をその担い手として検討するといったニュースを受けて、高須クリニックの高須克弥院長がツイッターでコメントした件ですね。 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』202 反発
連載『汗とウンコとオシッコと…』202 反発
2021.06.10
六月間近になっても秋のような涼風が吹いていた。観測史上最も早い梅雨入りだというが、むしっとする感覚がなく、風を受けると寒さを感じる。例年なら体幹部に熱がこもり、眠れなかったり動悸がしたり、発汗が不足して肩が痛み、また、経絡現象を引き起こせば、陽経の流れの上で、関節などが腫れたり、引き攣ったりする病が多い。しかし今年は、春先のような眩暈を訴える人が多い。コロナ禍で思うように行動ができずイライラするだけでなく、外気の影響も多分にあるようだ。大人に限らず子供たちも放熱不足に陥り、夜泣きや落ち着きの無い木気の暴走状態に陥っているようだ。
「先生、やっと母を連れて来ました」
という50代前半の女性患者に付き添われて、80歳近い老婆が来院した。名前は星野さん。杖を突き、明らかに股関節に異常がある歩行運動だ。体幹部が大きく太り四肢は細い。顔つきは目が丸く、やや色が白いのが第一印象だった。 (さらに…)
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』4 未来のプラットフォームを考える
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』4 未来のプラットフォームを考える
2021.06.10
現代は、予測不能な「VUCA」の時代といわれています。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の四つの単語の頭文字をとった造語で、取り巻く社会環境の複雑性が増し、次々と想定外の出来事が起こり、将来予測が困難な状況を意味します。そんな時代に社会は、新しい製品や技術の開発よりも仕組み、プラットフォームの開発に力を入れています。コロナ禍で名前を聞くようになった「Uber Eats」を例に考えてみましょう。 (さらに…)
今日の一冊 中医養生のすすめ 病院にかかる前に
今日の一冊 中医養生のすすめ 病院にかかる前に
2021.06.10
中医養生のすすめ 病院にかかる前に
藤田康介 著
東洋学術出版社 2,860円
「青団」。春、清明節の頃に中国の江南地域でよく食べられるいわゆるヨモギ餅。夏、同地域では『黄帝内経素問』の「春夏養陽」の考えに則りあえて熱いお灸をすえるという。秋は来たる冬の寒さに耐えるため薄着をし、冬にはゆがいた鶏を丸ごといただく――。中医師で上海在住歴26年の著者が中医学の養生の知恵を、四季の養生をメインに、約300枚の写真とともに紹介。医療関係者は患者指導に、一般の人は毎日の健康ガイドに。中国文化にも随所で触れており、養生書でありながらエッセーとしても楽しめる。
編集後記
編集後記
2021.06.10
▽緊急事態宣言が延長され、該当地域の住民としてはもうウンザリ……。とはいえ休日の過ごし方ももう慣れたもので、特にウォーキングが心身のリフレッシュになっています。先日少しコースを変えたところ、空き地にビワの木が実を付けているのを発見。「ビワといえばビワの葉灸」とのコメントを添えSNSに写真をアップ。鍼灸関係の方々からそこそこ「いいね」をいただきました。今が旬のビワ、小さい頃に食べた味が思い出されます。実がなるかどうか分からないけど、狭い庭にでも植えてみようかな。ところで件の空き地、元は家が建っていたような感じでした。近年、主のいない空き家や空き地が問題になっていますよね。継ぐ者の無さそうな我が家も数十年後、ビワの木がある空き地になってたりして……。(前)
あはき療養費 7月から「過度頻回は償還払いへ」
あはき療養費 7月から「過度頻回は償還払いへ」
2021.05.25
「2年間で5カ月以上&月16回以上」目安
7月から、あはき療養費で「過度の長期・頻回施術」に該当する患者を償還払いのみ(受領委任から除外)とする仕組みが導入されることが正式に決まった。厚労省が4月28日付の通知で示した。事実上の「回数制限」といえ、今後の請求件数に影響を与えそうだ。 (さらに…)
『医療は国民のために』319 柔整もあはきも「慢性の痛み対策」に果敢にチャレンジを
『医療は国民のために』319 柔整もあはきも「慢性の痛み対策」に果敢にチャレンジを
2021.05.25
現在、新型コロナウイルス感染症への対応に、日本はもちろん、全世界が追われているが、今しばしの辛抱で必ずや好転に向かうと願ってやまない。そして、この次に必ずやってくるのが「慢性の痛みへの対策」だと私は思っている。 (さらに…)
全国鍼灸マッサージ協会 賠償保険セミナー 事故トップ3は火傷・骨折・気胸
全国鍼灸マッサージ協会 賠償保険セミナー 事故トップ3は火傷・骨折・気胸
2021.05.25
灸痕の説明、実物見せるなど入念に
一般社団法人全国鍼灸マッサージ協会主催の賠償保険セミナー『週に一度は起きている?「まさか…」の事故も? ―施術で起きる事故トップ3』が3月24日、オンラインで開催された。講師は同協会で賠償責任保険を担当している中野祐治氏(エル・クリエートシステム株式会社常務取締役)。 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』4 求められる機能訓練指導員とは
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』4 求められる機能訓練指導員とは
2021.05.25
皆様はじめまして、NPO法人介護予防研究会で理事を務めています若井晃と申します。今回から3回、連載を担当させていただきます。私は柔整師、理学療法士、ケアマネジャーとして医療・介護の現場で従事しており、現在、医療法人太長会のグループ法人が運営するサービス付き高齢者向け住宅の支配人及び各介護保険事業所の運営管理者をしています。業務の中では、関わる高齢者の方々をフレイル状態や要介護状態に陥らせないために日々考え、悩んでおりました。 (さらに…)
上田孝之氏の新刊 予約受付中 「療養費問題の最前線 令和2年度版」
上田孝之氏の新刊 予約受付中 「療養費問題の最前線 令和2年度版」
2021.05.25
本紙で連載執筆中の上田孝之氏(元厚労省療養指導専門官)の新刊『療養費問題の最前線 令和2年度版―知らないと損する療養費の現状』が、5月31日、株式会社日本医療福祉新聞社から発行される。B5判203頁、1,650円(税込)。現在予約受付中。
全国柔整鍼灸協同組合専務理事として、保険者や行政との折衝などで全国を飛び回っている著者。その令和2年度の活動内容や本紙連載記事、業界への提言などをまとめた、「療養費のマニュアル」的事例集。「柔整・あはき療養費の法制化」の必要性を説く業界内外へ向けた提言も掲載する。
予約はオンラインショッピングサイト「Amazon.co.jp」から(販売ページはこちら)。
柔整療養費の施術管理者研修 今夏開催分で追加募集を
柔整療養費の施術管理者研修 今夏開催分で追加募集を
2021.05.25
5月26日から始まる
柔整療養費の受領委任を取り扱う上で、受講が義務化されている「施術管理者研修」の今夏開催分について5月26日から二次募集が始まる。7月から9月までのオンライン研修でそれぞれ100名程度を追加募集する。申込み期間は6月15日までだが、各回定員に達したら終了する。
なお、10月から令和4年3月までの開催予定も公表されている。 (さらに…)
連載『先人に学ぶ柔道整復』二十六 星野良悦(前編)
連載『先人に学ぶ柔道整復』二十六 星野良悦(前編)
2021.05.25
(前/中/後)
顎関節脱臼の整復から骨格模型を着想
今回から「星野木骨」と呼ばれる世界初の骨格模型を作った星野良悦(1754-1802)について取り上げます。
蘭学者で、町医者でもあった良悦は、江戸時代中期に「身幹儀」という世界で最初の原寸大の精巧な男性骨格模型標本を作製します。この身幹儀は2004年に国の重要文化財として指定されました。良悦とともに、大槻玄澤が著した『身幹儀説』の記載を中心にその生涯をみていきたいと思います。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』163 ヘルステックイベント(その1)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』163 ヘルステックイベント(その1)
2021.05.25
先日、あるイベントへの登壇を依頼され、オンラインですが久しぶりに外部での講演を行いました。参加者は「スタートアップ企業」「スタートアップ企業と提携を希望する大手企業」「ベンチャキャピタル」などの方々で150名ぐらい集まったと聞いています。『HealthTech領域における、成功へ導く課題と解決策』をテーマに、健康情報連携機構の代表理事という立場で幅広い観点からお話しました。 (さらに…)
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』194 内果下方の遊離骨片による後脛骨筋腱炎
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』194 内果下方の遊離骨片による後脛骨筋腱炎
2021.05.25
後藤 陽正(筋・骨格画像研究会)
後脛骨筋は足部の底屈及び内返しに強く関与し、内側縦アーチに重要な働きをしている。後脛骨筋麻痺や後脛骨筋腱の変性あるいは断裂では後天的な扁平足を生じ、後脛骨筋腱機能不全症では後脛骨筋腱が加齢による変性を引き起こし、多くの成人期扁平足の原因となり、中年以降の女性に好発する。足部のアーチにはトラス機構(衝撃吸収機構)、ウィンドラス機構(足部安定性機構)があり、足部にとって重要な働きを担っている。ゆえに後脛骨筋及び腱に障害が起こると前述の機構は破綻し、後天的な扁平足を呈するようになる。後脛骨筋及び腱の炎症による症状は内果下方の後脛骨筋腱に沿った痛みや腫脹が特徴的である。扁平足の進行とともに踵部が外反を呈し、外果との間で軟部組織が挟み込まれ、次第に足部外側にも疼痛が生じるようになる。今回は、内果下方の遊離骨片による後脛骨筋腱炎を発症した症例を紹介する。 (さらに…)
中外医学社から新刊 「イラスト解剖学 第10版」
中外医学社から新刊 「イラスト解剖学 第10版」
2021.05.25
株式会社中外医学社から新刊『イラスト解剖学 第10版』が発行された。版を重ねるたびに解剖用語の記憶術といった付録の追加やフルカラー化などを経てきた、ベストセラーの最新版。著者は杏林大学特任教授の松村讓兒氏。B5判912頁、8,360円。 (さらに…)