藤沢市鍼灸・マッサージ師会 「杉山和一像」除幕式
2021.06.10
倉塚会長「鍼灸広げる一歩に」
「杉山和一検校生誕410年記念像」の除幕式が5月9日、江島神社(神奈川県藤沢市)で行われた。記念像は昨年、和一の生誕410年を記念し、ゆかりの地である同社内に建立されたもの。設置したのは一般社団法人藤沢市鍼灸・マッサージ師会が設立した「杉山検校銅像建立委員会」。
今回の除幕式は、毎年5月に開催されている墓前祭「杉山祭」に合わせて開催された。本来は昨年5月の予定だったがコロナ禍の影響で延期。昨年9月、少数の関係者のみで奉告祭とお清め祓いが行われ、一般公開が開始されていた。像は鍼と管を手にし、台座には和一が生前残したとされる「よばばゆけ 呼ばずば見舞へ 怠らず 折ふしごとに おとづれをせよ」と、患者の様子を常に気にする心得を呼びかける和歌が刻まれている。
除幕式には、同師会会長の倉塚充夫氏、江島神社宮司の相原圀彦氏のほか、杉山検校遺徳顕彰会理事長・吉田勉氏、藤沢市長の鈴木恒夫氏らが参加。倉塚氏はあいさつで、「この像を第一歩として、鍼灸を全国、世界に広げ、藤沢や江の島の観光も含めて発信していきたい」と語った。
【杉山和一】
1610-1694。管鍼法の創始者で、世界初の視覚障害者教育施設とされる「杉山流鍼治導引稽古所」を開設した江戸時代の鍼灸師・検校。「検校」は、中世・近世日本の盲官の最高位。江の島には管鍼法考案にまつわる逸話が残されている。