日整、工藤体制5期目へ
2021.07.09
公益社団法人日本柔道整復師会(日整)は、6月27日の通常総会において工藤鉄男氏を会長に再任し、5期目となる体制をスタートさせた。副会長には松岡保氏(福岡県)と三橋裕之氏(東京都)が就いた。
このほか、財務部長に石原誠氏(香川県)、保険部長に伊藤宣人氏(三重県)、学術教育部長兼国際部長に長尾淳彦氏(京都府)、事業部長に竹藤敏夫氏(茨城県)、広報部長に山﨑邦生氏(岡山県)がそれぞれ就任し、計15名の理事が選任された。
日整、工藤体制5期目へ
日整、工藤体制5期目へ
2021.07.09
公益社団法人日本柔道整復師会(日整)は、6月27日の通常総会において工藤鉄男氏を会長に再任し、5期目となる体制をスタートさせた。副会長には松岡保氏(福岡県)と三橋裕之氏(東京都)が就いた。
このほか、財務部長に石原誠氏(香川県)、保険部長に伊藤宣人氏(三重県)、学術教育部長兼国際部長に長尾淳彦氏(京都府)、事業部長に竹藤敏夫氏(茨城県)、広報部長に山﨑邦生氏(岡山県)がそれぞれ就任し、計15名の理事が選任された。
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』39 レーザーリプロダクション学会
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』39 レーザーリプロダクション学会
2021.07.09
私が初めて医師の前で講演したのが4年前、表題の学会が東京で開催された時でした。東京の徐大兼先生から「こんな依頼を受けないか」と言われての登壇。その時の緊張は、今でも覚えています。前夜には徐先生が特上のうなぎをごちそうしてくれました。日本全国から生殖専門医、胚培養士、看護師さんらが参加する、規模は大きくはないですが、紛れもなく生殖医学の学会です。登壇する前に見渡すと、当院の近隣の先生や有名な先生が来られていました。その数、200人くらいだったでしょうか。実は事前に当院に通院中の妊活患者さんの体外受精における採卵成績の整理を進めており、約10年分のデータを当院通院中の医学系研究員の方に統計処理をお願いしました。結果は「有意差あり」となり、その方から「学会で発表しても大丈夫です」と言われたちょうどその時に徐先生から誘われたのです。講演終了後、医師の方々からお世辞のような言葉を頂きましたが、あながちお世辞ばかりではなかったと思ったのは翌年、翌々年と続けて招かれたから。東京、福岡、大阪と続き今回は神戸で、英ウィメンズクリニック院長の苔口昭次先生が学会長。先生が一昨年当院に視察に来られた際、学会で鍼灸の枠を増やしてもらうように依頼、そして調整を頂いた結果、鍼灸師3人が登壇することに。私の推薦で、福岡県の遠藤彰宏先生は「凍結胚移植時の鍼灸・レーザー併用治療」の検証結果を、広島県の田邊美晴先生(香川県厚仁病院生殖医療部門)は「近赤外線照射・鍼灸併用療法継続患者の酸化ストレス値・抗酸化力値の変化」という観点からの考察を、それぞれ発表されます。先鞭をつけた私の役割を引き継いで欲しいと願います。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』166 ファスティング×坐禅
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』166 ファスティング×坐禅
2021.07.09
先日、富士山麓朝霧高原の日月倶楽部にて、「ファスティング×坐禅」をテーマにした2泊3日のイベントを開催しました。梅雨で天候を心配しましたが、滞在中は全く雨に降られることもなく、最高の環境で過ごすことができました。
ファスティング(絶食)のイベントといえば、減量や、オートファジーによる体調・体質改善、糖からアミノ酸へ消費がシフトする代謝変化などを目的とした会が多いようです。過去に参加された方の話を聞いたことがありますが、「基本的に自由時間で途中はコールドプレスジュースを飲んでも良かったが、暇なので夫婦でホテルの部屋で過ごしていると、テレビつけてもレストランの紹介が流れ、だんだんイライラしてきて」と。
ただ私が企画したのは、ファスティングを「健康のため」に行うものではありません。ストレスリダクション、アンガーコントロールなど、上手にストレスを回避するための手段としてのファスティングです。僧籍持ちの医師独特のイベントになったと思います。 (さらに…)
連載『中国医学情報』196 武漢で重症新型コロナ肺炎患者17例に鍼併用治療(中国鍼灸)ほか
連載『中国医学情報』196 武漢で重症新型コロナ肺炎患者17例に鍼併用治療(中国鍼灸)ほか
2021.07.09
今回の内容
・武漢で重症新型コロナ肺炎患者17例に鍼併用治療(中国鍼灸、21年5期)
・乳癌術後のリンパ浮腫60例で常軌治療と灸頭鍼併用治療とをランダム化比較(上海鍼灸雑誌、19年6期)
・脊髄損傷による尿失禁67例で常軌治療と鍼併用治療とをランダム化比較(上海鍼灸雑誌、19年6期)
☆武漢で重症新型コロナ肺炎患者17例に鍼併用治療
広州中医薬大学第二付属病院・尹鑫らは、武漢雷神山病院の重症COVID-19に鍼治療した経験を報告(中国鍼灸、21年5期)。
対象=17例:男8例・女9例、41~81歳・平均62±13歳、入院時発症時間8~66日・平均24.8±16.1日。いずれも重症(呼吸数:≧30回/分、SpO2:≦93%、PaO2/FiO2:≦300mmHg、胸部画像24~48時間内病巣進展:>50%)。基礎疾患:高血圧8例・冠性心疾患6例・糖尿病5例・脳血管疾患3例。
治療法=<基礎治療>採血、CT検査、呼吸管理、現代医薬治療。
<鍼治療>①主穴―太渓・代謝穴(下腿内側正中線・内果上8寸・脛骨内側後縁、肝経との交会点)・止喘穴(前腕掌側・曲沢と大陵との連線上・腕横紋と肘横紋との連線で上から1/3)。②配穴―発熱に曲池・合谷、痰濁に豊隆、胸悶に内関、周身酸痛(だるく痛い)に外関を追加。③操作―0.25×40mmのディスポ鍼で直刺10~20mm。深度は鍼下の「気至る感覚」で調整。補法:提挿補法を主とし鍼下得気、捻転を配合、置鍼約2分間。瀉法:鍼下得気、軽挿重提(軽く刺入し強く引き上げる)、捻転角度大、時間やや長く、その後素早く抜鍼。虚実挟雑の患者には、平補平瀉法、得気を限度とする。入院期間中は毎日1回治療。
<中薬治療>①虚証―主方の四逆湯を加減。②実証―麻杏甘石湯、大柴胡湯加減など。
結果=17例の平均入院期間は15日、うち3例は危険状態となりICUに転科、その他は退院。自覚症状は、著効8例・有効6例・無効3例。CT検査は7例が改善。8主要症状(発熱・乾咳・乏力・気促[息切れ]・胸悶・咳痰・口乾・食欲減退)の消失率は50~75%。 (さらに…)
笠間書院から新刊 「日本疫病図説」
笠間書院から新刊 「日本疫病図説」
2021.07.09
日本疫病図説
有限会社笠間書院から新刊『日本疫病図説』が発行された。著者は作家で民俗学者の畑中章宏氏。A5判120頁、1,760円。
疱瘡や麻疹など、様々な感染症に見舞われてきた日本。病原体の存在が知られていなかった時代には、感染症はもののけや怨霊、悪鬼など、目に見えない存在によってもたらされるものと信じられてきた。 (さらに…)
2019年度自賠責における柔整施術費 前年度より44億円減少、4年連続
2019年度自賠責における柔整施術費 前年度より44億円減少、4年連続
2021.07.09
平均施術費は減少傾向ストップ
2019年度の自賠責保険における柔整施術費は約600億円で前年度より約44億円減少した。損害保険会社で構成される損害保険料率算出機構が毎年春に発行する『自動車保険の概況』で発表。施術件数は22万280件で1万6,738件減少した。いずれも2016年度から減少が続いており、2019年度は特に大きく減少した。平均施術費は27万2,236円で692円増加。医療費全体の施設別割合(総医療費約3,305億円)では、柔道整復が18.1%、医療機関が81.4%(約2,690億円)、歯科や鍼灸マッサージを含む「その他」が0.5%(約15億円)だった。下記に過去8年の施術費等の推移を掲載する。 (さらに…)
Q&A『上田がお答えいたします』 「患者照会」について柔整師に相談してはダメ?
Q&A『上田がお答えいたします』 「患者照会」について柔整師に相談してはダメ?
2021.07.09
Q.
健保組合の療養費に係る患者照会書面に、「ご回答に当たっては柔道整復師に相談しないでください」などと書かれています。
A.
健保組合は「患者さんと施術者が口裏を合わせて事前に相談してから書面回答をすれば、療養費の要件を全て満たした回答しか得られないため、不支給処分にできない」と考えているわけです。患者さんが自分の考えだけで照会文書に回答すると、「①負傷原因:特にない、自然に痛くなった、②いつからですか:数年前から慢性症状として、③あなたはケガをしましたか:ケガをしていない」というようになるでしょう。今や多くの患者さんは、 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』203 減るものと増えるもの
連載『汗とウンコとオシッコと…』203 減るものと増えるもの
2021.07.09
6月の夏至を過ぎても朝晩は涼しい気候だ。日中はむっとするし、夏のように夕立が多く、しかも局所的に大粒の雨をもたらしている。これから本格的に梅雨に突入しようというのになんだかうすら涼しく、発汗阻害されてしまうことで、秋のような頸部や肩周囲の痛みも比較的多く見られている。
ましてやコロナ禍で人が動かないが故に、ストレスで食べて熱のこもる、大青竜湯が効くのではないか、と思えるような陽明の熱が絡む痛みが非常に多い。
年の頃は40代前半、比較的がっしりとした、テニスをしている上田さんという女性が腰痛で来院していた。全国レベルではないが、なんでも小さい大会ではよく優勝しているとかで、仕事と家事をこなす元気な2児の母だ。試合中に腰を痛めたらしく、一度は治療して緩解したものの、1週間たって再び来院したというのがこれまでの経緯である。
「あれ? まだ腰痛治っとらんのかいな? おかしいな……」 (さらに…)
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』5 5Gとウエアラブルデバイス
連載『鍼灸師・柔整師のためのIT活用講座』5 5Gとウエアラブルデバイス
2021.07.09
ここ数年の情報通信技術(ICT)の進化には目を見張るものがあります。コンピューターの性能や速度は年々向上し、価格は下がり、身近なものになっています。またインターネットの活用によって生活は一変し、ICTの恩恵は生活の隅々まで及んでいます。新型コロナウイルスの蔓延により、コミュニケーションの在り方から価値観に至るまで変容を迫られたこともあり、ICTは生活に欠かせない存在になりました。それは、健康・医療の分野でも同じであり、健康管理から診察技術に至るまで、様々なところにICTが応用され、実装されつつあります。そこで今回からは、ICTの進化と健康・医療の関係について考えたいと思います。
近年、特に注目されているのが5G(第5世代移動通信システム)技術です。特徴は多接続・高速大容量・低遅延の三つで、同時にたくさんの情報をリアルタイムで記録することが可能となります。そのため血圧計や万歩計、体重計などのデバイスからの情報を同時に記録・収集・分析し、様々な臨床応用ができるようになりました。近年急速に普及している腕時計式のウエアラブルデバイスでは、歩行数はもちろん心拍数やそこから導かれるストレス、疲労点数、睡眠状態など様々な解析が行えます。記録できる項目も日々進化し続けており、海外では体温や血中のヘモグロビンa1c値、血糖値まで測定が可能です。また、腕時計式に限らず、衣服や靴の中にセンサーを組み込んだり、顔認証や指紋認証などと組み合わせて生体情報を測定する技術も進歩しています。そうなると、高齢者や慢性疾患を対象とした場合、治療室での診察で得られる一時点の生体情報よりも、日頃の生体情報(生活ログ)の方が日常を反映している可能性が高く、診察で重視されるようになります。そして5G技術を活用して多くの世代のたくさんのデータをリアルタイムで集められれば、医療情報と様々なデータを掛け合わせて解析することで病気を予測し最適な治療を行うことが簡単にできるようになるのです。さらに、5Gは大容量のデータを低遅延で集められることから、オンライン診療や遠隔地での診察の補助のほか、遠隔地での手術にも応用可能です。
医療分野での5G技術活用が進む中、鍼灸の情報のほとんどは電子化されていません。仮に電子カルテなどで一部電子化されていても、現在市販されている電子カルテでは医療情報や生活ログにアクセスできないので、診察の補助や病態予測には活用できません。どのような生体情報を集め、病態予測や診断に貢献するのか、そしてその情報から医療・健康の中の鍼灸治療の立ち位置をどのように確立していくのかなど、医療・健康を取り巻く情報コミュニティーでは待ったなしの状態なのです。そのために、我々は東洋医学的な生活情報を記録できるアプリを独自に開発するとともに、生活情報と連動した電子カルテの開発を進めており、生体情報から病態を予測できるシステムを今年度中に低価格で提供できるように準備しています。
【連載執筆者】
伊藤和憲(いとう・かずのり)
明治国際医療大学鍼灸学部長
鍼灸師
2002年に明治鍼灸大学大学院博士課程を修了後、同大学鍼灸学部で准教授などのほか、大阪大学医学部生体機能補完医学講座特任助手、University of Toronto,Research Fellowを経て現職。専門領域は筋骨格系の痛みに対する鍼灸治療で、「痛みの専門家」として知られ、多くの論文を発表する一方、近年は予防中心の新たな医療体系の構築を目指し活動を続けている。
今日の一冊 1は赤い。そして世界は緑と青でできている
今日の一冊 1は赤い。そして世界は緑と青でできている
2021.07.09
1は赤い。そして世界は緑と青でできている
望月菜南子 著
飛鳥新社 1,430円
1は赤い。2はピンク、3は緑で4は晴天の青空のようなイメージ。5は緑、6と8はよく似ていて、前者は紺色に近い青紫色で後者はそれに白い絵の具を足して少し薄くしたような色――。著者である女子大生は一つの刺激に対して二つ以上の刺激を感じ取る「共感覚」の持ち主で、文字に「色」を感じるのだ。文字と色の組合せで覚えるため九九は得意だった一方、源氏の将軍の名前は全てピンクに見えてしまい日本史には苦心したといった過去に触れつつ、自分らしく前向きに生きていこうとする彼女の手記。
編集後記
編集後記
2021.07.09
▽身近でワクチン接種の話題が一気に増えました。接種券が届いたこともありますが、先日は幼稚園で働く妻から余剰ワクチンが出たからどうしようと相談も受けました。6月以降、全国的に接種が加速しているので当然と言えば当然ですが、一方でワクチン供給不足で「職域接種の申請休止」や「1回目の接種予約の取り消し」と不安なニュースも。ただ、これまでの混乱やオリンピックのドタバタ劇もあり、もうそんなに驚かなくなりました。それよりも先日、東京の大規模接種会場である施術者がワクチン接種後、医師の指示による待機時間も無視して会場を後にしようとしたと業界関係者から聞きました。しかもやや暴言も吐いたとも。もう驚く以上にこんな話題は勘弁したいです、優先で接種しているのに。(和)
新型コロナワクチン施術者の優先接種、全国に波及
新型コロナワクチン施術者の優先接種、全国に波及
2021.06.25
各地の大規模会場や予約で優先的に
6月以降、新型コロナワクチンの全国的な接種加速を受け、柔整師やあはき師を優先職種に認める例が拡大している。いち早く「優先接種者」に加えた東京都の築地大規模会場では6月25日から64歳以下の施術者への接種を始めるという。その他の自治体でも、集団接種の優先職種に追加したり、キャンセル時に余ったワクチンを優先で接種できるよう認めたりと、地域の事情に合わせた優先枠へ組み入れられている。
6月8日から運営を開始している築地大規種会場では、都から柔整師・あはき師の接種希望者名簿を作成する依頼が事前にあった。柔整・あはきの各業界団体が都内在住・勤務の施術者に呼びかけ、希望者リストを取りまとめて都に提出。6月25日より順次接種が行われる予定だ。また都は、6月下旬に3カ所目となる接種会場・都庁南展望室ワクチン接種センターを開設し、同センターでも施術者の接種を行うとしている。
鍼灸大学が職域接種、対面授業増へ
県や市単位の高齢者向け集団接種会場の中では (さらに…)
日鍼会、要氏が新会長 全鍼会長・日保連理事長ともに再任
日鍼会、要氏が新会長 全鍼会長・日保連理事長ともに再任
2021.06.25
5月から6月にかけて、主だったあはき師団体の総会が開催され、令和3年度からの新体制が決まった。
公益社団法人日本鍼灸師会(日鍼会)は6月13日に定時代議員総会を開き、新会長に要信義氏を選出。昨期会長を務めた小川卓良氏は出馬せず、会長交代となった。副会長には、中村聡氏、安田政寛氏、南治成氏が選ばれた。
公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会(全鍼師会)は5月23日の定時総会において、3期目となる伊藤久夫会長が再選された。副会長に廣野敏明氏、長嶺芳文氏、往田和章氏、石川英樹氏が選ばれ、新しく設けられた会長補佐には中野義雄氏が就いた。また、日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会(日保連)も上田孝之理事長が続投。6月16日に定時総会が行われ、副理事長に勝浦政夫氏、専務理事に渡部典郎氏とともに再任された。
『医療は国民のために』321 柔整師・あはき師への新型コロナワクチン優先接種に思うこと
『医療は国民のために』321 柔整師・あはき師への新型コロナワクチン優先接種に思うこと
2021.06.25
6月2日、東京都の小池百合子知事より、新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場における集団での優先接種対象に、柔整師や鍼灸師を含める旨が公表されたのは周知の通りだろう。斯界にとっては朗報であり、これを皮切りに施術者の優先接種が他の府県にも拡大しているようだ。
とはいえ、当方・全国柔整鍼灸協同組合(全柔協)は、昨年12月付で内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室宛てに、医療従事者に準じた施術者の優先接種に向けた要望書を提出しており、施術に際して患者と「密」になるという業種の特性を考慮に入れれば、もう少し早い時期に優先接種対象に認められても良かったのではと感じている。
しかしながら、以前より一部の業界関係者からは、コロナ感染症の長期化による施術所経営への影響などを耳にしていたので、施術者が優先的に接種を受けられることで、少しでも前向きになることは期待できるのではないだろうか。 (さらに…)
【経絡治療対談――基礎理論の統一化を図ろうとする動きがある今】第2回・岡部系と井上系の経絡治療をいかに残していくか?
【経絡治療対談――基礎理論の統一化を図ろうとする動きがある今】第2回・岡部系と井上系の経絡治療をいかに残していくか?
2021.06.25
【第1回】【第2回】【第3回】【第4回】
日本で生まれた伝統鍼灸「経絡治療」。1939(昭和14)年に「弥生会」という新人の会が発足して以来、その先人たちの意思が引き継がれてきた。しかし、時代の流れのなかで、その思想が失われつつあるのではないか――。経絡治療学会会長の岡田明三氏と日本鍼灸研究会代表の篠原孝市氏は、そう警鐘を鳴らす。また、その危機感こそが、一度は袂を分かった両会が今、再び手を携えようとしている理由だという。
対談第2回となる今回は、岡部系と井上系がどんな疾患を得意としたのか、また、現在の鍼灸業界に対して抱いている違和感について話してもらった。(鍼灸ジャーナリスト・山口智史)
経絡よりもビジュアルを重視する治療への危機感
――経絡治療学会が岡部系と井上系に分かれて、岡部素道は多くの患者を同時に診るために置鍼に、井上恵理氏は手早く患者を診るために、接触鍼にたどり着いたそうですが、それぞれどんな疾患に効果を発揮しやすいのでしょうか。
岡田 岡部先生が導入した置鍼は、交感神経の緊張を取り除くには最適で、不眠や慢性疾患に対してよく効きます。
篠原 井上先生も、岡部先生と大きな違いはなく、慢性疾患を主に扱いました。そしてそれに対応するため「全体」を考慮した治療、つまり経絡の補寫を鍼灸の最重要事項としました。経絡治療は、なによりも近代化された社会の慢性疾患を扱うための治療法であり、併せて急性病にも対処できるものですから。その意味で、井上先生と岡部先生の方向性は終生一致していました。両先生の違いは、やはり、経絡治療という枠の中での病態観や診察の枠組みということになろうかと思います。
――岡部系と井上系が一緒にやっていくとのことですが、なぜ今なのでしょうか。 (さらに…)
第52回現代医療鍼灸臨床研究会 鍼通電療法の臨床テーマに
第52回現代医療鍼灸臨床研究会 鍼通電療法の臨床テーマに
2021.06.25
血流増に鍼通電の意義示唆
第52回現代医療鍼灸臨床研究会が4月25日、オンラインで開催された。テーマは鍼通電療法の臨床活用。
基礎講座「臨床に活きる鍼通電療法の実際」では、山口智氏(埼玉医科大学東洋医学科准教授)が講演した。鍼への通電を周波数によって「低頻度として1~10Hz程度、筋の単縮」と「30~100Hzで筋の強縮(山口氏は60Hz程度を愛用)」の2種に分け、低頻度は疼痛、麻痺、筋緊張、交感抑制・副交感緊張といった症状、高血圧・消化器症状などに、高頻度は片頭痛、片麻痺、顔面神経麻痺、交感緊張・副交感抑制といった症状、気管支喘息などに有効だとした。通電を行う刺鍼部位の経穴は多くが四肢から体の中央に対するものだと述べ、代表的な例として、呼吸器の症状では合谷から孔最、 (さらに…)
薬機法改正 鍼等の添付文書、原則廃止へ
薬機法改正 鍼等の添付文書、原則廃止へ
2021.06.25
外箱にQRコードなど
8月1日に施行される改正薬機法(旧薬事法)に伴い、医薬品等の製品に同梱されていた添付文書は原則として廃止され、電子的な方法で閲覧することが基本となる。管理医療機器である鍼灸鍼も例外ではなく、メーカー各社は対応を始めている。具体的には、外箱等にQRコードやバーコードなどを表示し、添付文書情報にアクセスできるように。必要に応じ初回納品時などに紙媒体による情報提供も併用。いずれも最新の情報を提示し、改訂時には医療機関や薬局等に確実に届ける仕組みを構築する。
5月には主だった鍼メーカー十数社がオンラインで会合を行い、 (さらに…)
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』5 機能訓練指導員のアプローチとは
連載『介護予防研究会による柔整師・鍼灸師のための介護保険講座』5 機能訓練指導員のアプローチとは
2021.06.25
接骨院や鍼灸院でのアプローチと、介護保険事業所(デイサービスなど)における機能訓練指導員のアプローチの違いは何でしょうか?――以前、仙台市で開催された多職種連携がテーマの介護予防推進フォーラムにパネリストとして参加した際に会場から受けた質問です。外から見れば、この違いって分かりづらいようです。
今回はこの違いを含め、柔整師や鍼灸師の資格を生かし、機能訓練型デイサービスで活躍するためのスキルを概説します。また、介護予防に取り組まれておられる先生方からも聞いた事例や方法なども交えて紹介します。
まず言えることは、柔整師や鍼灸師は独立完結型であるのに対し、機能訓練指導員は多職種とチームを組んでアプローチを進めていくことです。そして、アプローチについては、その目的が異なります。柔整師は治療による骨関節の痛みの緩和等を行う一方、機能訓練指導員は機能を向上させて体力低下を防ぎ、生活能力の維持や向上が目的となります。接骨院の治療でも簡単な機能訓練は実施しますが、介護施設での機能訓練方法としては足腰の痛みを手技や物理療法で緩和してから筋力向上練習や歩行訓練を行います。また、 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』165 スポーツファーマシストを知っていますか?
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』165 スポーツファーマシストを知っていますか?
2021.06.25
このたび、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が認定する「公認スポーツファーマシスト」になりました。最近はアスリートと関わる機会も増え、昨年より講習を受けていました。医師ではたぶんこの認定の取得者はいないでしょうね。スポーツファーマシストとは、アンチ・ドーピング規則に関する知識を有する薬剤師のことです。ドーピングはご存じでしょうが、意図せずに「うっかり」摂取しても違反となるので、普段の食生活やサプリメントの知識も必要となります。つまり、アスリートや彼らを診療する医師を支える薬剤師と考えていいでしょう。
ドーピングは、古くは古代ギリシャ時代から行われていたようで、最も古い記録としては1865年の水泳競技大会で使用されたようです。その後、1928年に国際陸上競技連盟が薬物の使用を禁止してその他の競技に広がり、ドーピング検査は1966年から始まります。 (さらに…)
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』195 学校教育現場でのエコー画像と今後の国家試験での出題について
連載『柔道整復と超音波画像観察装置』195 学校教育現場でのエコー画像と今後の国家試験での出題について
2021.06.25
松本 尚純(筋・骨格画像研究会)
今年の「第29回柔道整復師国家試験」において、初めてエコー画像の出題があったことは記憶に新しい。徒手検査との組み合わせだったため、問題の難易度としては比較的やさしいものではあったが、学校教育の現場では、これからいよいよエコー画像が本格的に国家試験問題として出題されてくる、という思いである。
非開放性で保存療法が可能なのが柔道整復の適応であるが、その判断もまた視診や触診、徒手検査といったある種、柔整師としての経験によるものが大きなウエートを占めている。あってはならないことだが、経験の浅い柔整師にとってはその判断を誤る場面も存在するだろう。柔整師にとって国家資格はその身分を得るだけではなく、国民の安心安全を守り、ケガにより失われる国家的、地域的経済損失のカバーも任されていると筆者は考える。労災の施術料金が健康保険に対して高い設定になっているのも、「早く働けるようにしてください」ということにもつながっており、うなずける。 (さらに…)