『ちょっと、おじゃまします』 ~ストレッチングで患者さんのため~ 大阪府枚方市<からだ運動工房 香里整骨院>
2018.02.25
1067号(2018年2月25日)、ちょっと、おじゃまします、紙面記事、
『運動で健康な身体をつくる』を掲げる「からだ運動工房」香里整骨院。柔整施術とストレッチングを中心に、地域の健康増進に取り組んでいます。
院長の与儀先生が治療家を志したのは、営業職として飛び回っていた20代の頃。「この仕事は『ありがとう』と言われることがない」「人のためになるような仕事を」――そんな思いで転職を決め、知人の紹介で整骨院の門を叩きました。「いかにも昔ながら」だという院で患者さんとの接し方や言葉遣いを叩きこまれる一方、専門学校で出会ったのがストレッチング。「間違ったストレッチングで逆に身体に負荷をかけている指導者も多い」そうで、日本ストレッチング協会で基本に徹した技術を学んだ結果、卒業を前に最高資格である講師の認定を受けました。
免許取得後、3年間の雇われ院長の経験を経て地元で開業。閑静な住宅地の地域性に合わせて民家を改装、素朴な門構えを目指しました。特徴はやはりストレッチングで「ほぼ全ての患者さんに運動の指導をする」とのこと。症状にもよりますが、多くの場合に必要なのは「『インナーユニット』のスイッチを入れる」ことだといいます。腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋を指し、これらの筋肉に意識して力を入れられるようになると、身体の軸が安定し、ブレや余分な動きが減って、膝や股関節の痛みの多くが改善するそうです。身体を鍛えている方でも、インナーユニットは意識できていないことが多いとか。坂道が多い立地もあり、多くの患者さんから「坂を登るのが楽になった」と喜ばれています。
近隣の公民館では毎月健康教室を開いてストレッチングを指導。当初3、4人だった参加者も今は毎回20人ほどで、高齢者だけでなく、健康を意識する50代ぐらいの方も。健康教室を切っかけに来院する患者さんも多いといいます。「家でも自分でトレーニングできるように」という方針もあり、患者さんが継続して来院するのは長くても2カ月程度。それでも口コミで患者さんの伸びは順調で、「将来は施術者を増やしつつ、より運動に力を入れていきたいですね」と展望を語ります。
▲民家を改装した院内には多くのトレーニング器具が
▲地域の公民館での健康教室
与儀健太先生
平成20年平成医療学園専門学校卒業、同年柔道整復師免許取得。37歳