連載『柔道整復と超音波画像観察装置』243 超音波画像診断による筋ストレイン評価
2025.06.21
宮嵜潤二(筋・骨格画像研究会)
筋ストレイン(筋損傷)は、スポーツ活動や日常生活で頻繁に発生し、その予防、診断、リハビリテーションは重要な課題である。超音波画像観察は非侵襲的かつリアルタイムに筋組織の状態を評価できるため、筋ストレイン評価に有用と考えられる。本稿では、筋ストレインに対する超音波画像評価の研究動向をレビューする。本レビューは、PubMedを用いて2025年5月31日現在までに公開された文献を検索し、超音波画像が筋ストレイン評価に用いられた11文献を採択した【参考文献一覧】。
筋ストレインは、筋がその伸張限界を超えた際に発生するとされ、筋の硬さや伸張性が損傷リスクに影響を与えることが示唆されている。Yanagisawaら(2011)は、Real-time Tissue Elastography(RTE)が運動後の筋硬度変化を高い再現性で捉えることを示し、超音波画像が筋の変化評価に有用であることを明らかにした。Kayら(2016)は、 (さらに…)