新型コロナ あはき・柔整業界も自粛ムード
2020.03.10
催しやイベント中止・延期、相次ぐ
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、あはき・柔整業界に「自粛ムード」が広がっている。政府が「今後2週間の大規模イベントの中止や延期」を要請した先月26日頃を境に、業界内の学会やセミナー、講習会や研修などの中止・延期が相次いでいる。併せて、治療の現場でも影響が出ている。
あはき関連では (さらに…)
新型コロナ あはき・柔整業界も自粛ムード
新型コロナ あはき・柔整業界も自粛ムード
2020.03.10
催しやイベント中止・延期、相次ぐ
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、あはき・柔整業界に「自粛ムード」が広がっている。政府が「今後2週間の大規模イベントの中止や延期」を要請した先月26日頃を境に、業界内の学会やセミナー、講習会や研修などの中止・延期が相次いでいる。併せて、治療の現場でも影響が出ている。
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『医療は国民のために』290 広告規制の行方について、「皆さん、本当にこれでいいんですか?」
『医療は国民のために』290 広告規制の行方について、「皆さん、本当にこれでいいんですか?」
2020.03.10
平成30年春から始まった『あはき師及び柔整師等の広告に関する検討会』も既に8回もの会議を重ね、そろそろガイドライン(指針)が決定されようとしている。この機に再度、念押ししたい。業界関係者の皆さん、本当にこれでいいんですか? 中でも、あらゆる場面で「治療」という言葉が使用禁止にされ、施術所名に「整骨院」の名称が使用できなくなるといった理不尽な内容が最近示されたガイドライン案に盛り込まれているという点を、どのように受け止めているのだろうか。
柔整・あはき業界では、このように何かが「決まる、決まった」という際、自らの無能さをごまかすため、「悪いのは厚労省だ」と国のせいにすることがよくある。が、今回の医政局医事課の対応は、そうとばかりはいえない。できれば業界側からの要望を一つでも通そうとの配慮もうかがえる。例えば、あはきの施術所名に「業態名+治療院」を認めるとした原案を厚労省は提示した。ただ、医師会、保険者、自治体、そして患者団体からなる構成員の合意を得なければ、この配慮も意味をなさないのはいうまでもない。
厳しい現状において、残すところは「座長との高度な政治的判断」によるペンディングの箇所であり、この点をいかに業界寄りに仕切れるかどうかだ。「業態名+治療院」はここまでの議論で完全否定されているが、それでも「マッサージ治療院」、「はり治療院」といった名称は、政治的判断によるものであるから今後どうなるか分からない。国はあくまで公平・公正な見地から議論をテーブルに乗せており、敵ではないのは明らかで、決まるのは検討会の席上で顔を合わせている構成員の議論次第だ。
とはいえ、ガイドライン案では単に「治療院」とした施術所名などは認められないとし、「整骨院」もダメというのが基本路線となってしまっている。加えて「鍼灸整骨院」も広告不可。ガイドライン適用後の保健所による指導業務の煩雑さなどの実効性を鑑みて、「遡及適用しない」とは言うが、果たしてこの内容を本当に許していいのか? そもそも「治療」の文言を認めたくないとする理由も、医科・医師との混同により「医業」と紛らわしく、誤解を生じるからだという。残念ながら、本来あはき・柔整は医業の一部にもかかわらず、「医業類似行為」におとしめられているのが現状だ。また、「整骨」という表現も、これだけ認知されているのだから大臣告示に加えるだけで事足りるはずなのに……。不毛ともいえる議論を8回も続けてきた上で、なぜ結局認めないとの結論になるのか、疑問でならない。
それでも、今後ガイドラインは医政局長通知で示され、それ以降は広告に関する指導マニュアルとして浸透していくこととなろう。しつこいと嫌われるのを覚悟でもう一度言おう。「皆さん、治療院・整骨院・鍼灸整骨院が使えなくなっても、本当にいいんですか」。
【連載執筆者】
上田孝之(うえだ・たかゆき)
全国柔整鍼灸協同組合専務理事、日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会理事長
柔整・あはき業界に転身する前は、厚生労働省で保険局医療課療養専門官や東海北陸厚生局上席社会保険監査指導官等を歴任。柔整師免許保有者であり、施術者団体幹部として行政や保険者と交渉に当たっている。
柔整療養費 第16回検討専門委員会 不正対策等で議論再開
柔整療養費 第16回検討専門委員会 不正対策等で議論再開
2020.03.10
明細書、電子請求化、負傷原因、復委任……
2月28日、都内で「柔整療養費検討専門委員会」が約半年ぶりに開かれ、不正対策等の議論が再開した。今回で16回目を数え、事務局である厚労省から、これまでの議論の進捗状況や今後の実施に向けて検討を要する不正対策等について提示された。
業界側「明細書への負傷部位記載には対価を」
前回までの話し合いの中で、「患者が請求内容を確認できる仕組み」の必要性が合意された点を受け、厚労省は今回、「領収書または明細書に負傷部位を記載する欄の追加」(下画像参照)を新たに提案。
日本柔道整復師会(日整)の三橋裕之氏は、「近年までに様々な不正対策が課され、柔整審査会の権限強化として、一昨年には面接確認の設置も始まり、ひとまずこちらの様子を見てほしい」と訴えたが、健康保険組合連合会(健保連)の幸野庄司氏が、「患者の請求内容確認と審査会強化は別問題だ」と指摘した上で、「領収書を過去に健保連で調査したが、事実と異なる内容で発行されたものも発覚している。ぜひ明細書を発行するように進めるべきだ」と要求した。これを受け、三橋氏は、療養費取扱高が落ち込んでいる上、治療院を一人で経営する柔整師も多い中で大きな負担だと強調し、日整の伊藤宣人氏も、「申請書を手書きしている柔整師もまだ存在する。例えば、500円とか、1,000円とかもらわないと厳しい」と、明細書に負傷部位欄を設けた場合の「対価」を求めた。対価の受け入れに保険者側は難色を示す中、座長の遠藤久夫氏(国立社会保障・人口問題研究所所長)が、「条件付きであれば、検討の余地がある」とまとめ、継続議案とした。
一部位目から負傷原因記載
保険者「必要」、業界側「不要」
そのほかの議題としては、「支給基準の明確化」「柔整療養費の電子請求化」等が挙げられ、厚労省による進捗の説明に加え、業界・保険者双方から意見・発言が出された。(下図参照)
中でも、保険者側が早期実施を強く主張したのが「支給申請書の負傷原因を1部位目から記載すること」だ。幸野氏は、「1部位請求」のうち、3割近くで不正が認められたとの健保連の調査を示し、実施の必要性と合わせて、「もしこれが実施できれば、患者照会の件数も減っていく」と強調した。これに対しては、日整の長尾淳彦氏が、「負傷原因は当然、施術録の中には書いている。それを月に100枚も、200枚もある申請書に書くことに労力がいる」と異議を唱え、三橋氏も、「本当に悪い柔整師は既に1部位目から負傷原因を書いている。この対策を講じるだけで全てが解消するわけではない」と反対した。また、全国柔道整復師連合会(全整連)の田畑興介氏は、負傷原因の記載に対して細かな点まで尋ねてくる保険者の対応が最近エスカレートしていると指摘。質問内容が医学用語にまで及ぶケースもあり、「1部位目から記載」の前に「負傷原因の書き方」を業界・保険者間で整理するのが先だと主張した。
昨年末に報じられた「ギオングループの不正疑惑」の話題を持ち出し、請求代行団体の「復委任」について問題視する発言も聞かれ、厚労省が「論点として初めて出てきたので、各立場の意見を聞きながら検討したい」と述べた。
医科併給を認める日整文書「怪文書」呼ばわり
今回の専門委員会では、健保連から別途資料の提出があった。内容は、日整と全整連の連名で、昨年12月に健保連の各都道府県宛てに送付された「療養の給付(医科等)と柔整療養費の併給不可は誤りで、本来は認められる」との旨を示した文書。幸野氏は、「業界を代表する団体が、健康保険法87条をゆがんで解釈し、しかも一方的に送り付けてきて、はっきり言って怪文書だ」と非難。このような事態となった説明を業界側と厚労省に迫った。三橋氏は、「個別事例の中であいまいな判断をされ、返戻・不支給になっており、その考えを提案として文書で送った。が、時期尚早であったかなと思う」と言葉を濁した。厚労省は、「こういう文書の出され方は遺憾と言わざるを得ない。今後、関係者間でよく話し合い、この件は共有して進めていきたい」と答えた。「審査現場は混乱しており、訂正文書を出してほしい」との幸野氏の問いに対し、「持ち帰って検討する」と三橋氏は返した。
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』23 新型コロナウイルス騒動
連載『不妊鍼灸は一日にして成らず』23 新型コロナウイルス騒動
2020.03.10
3月22日開催予定だった当会、JISRAM公開講座は5月31日に延期になりました。当初、会場のホテルに電話すると、キャンセル料は頂きませんが延期なら早く押さえて下さい、とのこと。確かに騒動が終わったら、それまで中止や延期していた行事が動き始め、早く押さえておかないと会場探しが大変なことになります。そこで5~6月でホテルに空きを聞いてみると5月31日しかないということで、この日程となりました。とりあえず押さえてみたものの、おっと大変、全日本鍼灸学会とかぶっています。でも仕方ないので、このまま実行予定。参加予定者のキャンセルは、今のところ2人だけ。皆さんのご協力に感謝です。
さて、公開講座のテーマは「着床」です。新型コロナウイルスは目に見えない敵として脅威な存在ですが、昔は無菌状態だと思われていた子宮の中も、今や様々な微生物が存在することが分かっています。よく考えたら、子宮の中には各種免疫細胞がいるのですから、感染に対する防御が前提とも言えます。火のないところに煙は立たぬ。同様に、真に無菌なら免疫細胞は不要、です。
ところで、ウイルスは生き物でしょうか。生き物の定義とは何でしょう。外界と隔てられる内部器官を持つこと、自身のコピーを作り出すこと、自活できることなどでしょう。しかしウイルスは自活できません。宿主に入って宿主のDNAに自分のRNAコピーを作らせるのですから、非常に狡猾な増え方です。このように自分だけでは生きていけないものを生き物と呼べるのか、常に議論の的となっています。
ウイルスにもおバカな者、賢い者がいて、おバカな奴は宿主を滅ぼしてしまい、その瞬間、ウイルス自身も全滅です。代表はエイズウイルスです。かたや頭のいい奴はずっと潜んで宿主の中で生き続けます。代表はヘルペスウイルスです。今回の新型コロナウイルスはどちらでしょう?
さて、精子はどうでしょう。精子も、外界と隔てられた器官を持ちますが、自分で増えることはできません。しかし自分で動くことができます。そして卵子に侵入して卵子のDNAと合体し、自分のDNAを後世に伝えようとします。これはウイルスに似ているような。でも自分で泳げる分、ウイルスより生き物らしくないですか?
顕微鏡で精子を観察するとうじゃうじゃと泳いでいて、愛着が湧くというより、ちょっと気持ち悪いです。自分が女性だったら、こんなものが数千万いや一億匹も入ってくることに、違和感すらあります。いずれにしても精子は、子宮から見たら異物です。精子を取り巻く精漿も同様です。精子に対して防御反応が働くと抗精子抗体というものが出来て、精子の動きをブロックしてしまいます。しかしマクロファージは精漿に反応して、妊娠を有利に導きます。この時、子宮のマクロファージは局在的に、または時機的に量的な変動をします。見えないところで色んな連鎖反応が起こっているのです。体外受精や非配偶者間人工授精のように、精漿に暴露されない状態、またはいつも暴露されている精漿と異なる男性からの精子での妊娠では、通常の自然妊娠より妊娠高血圧の発生率が高いことが知られています。
そうすると体外受精では胚移植の数日前に、人工授精はその前後に、避妊をしない性交渉が勧められます。が、医療現場ではなぜか昔からそれを推奨する医師はあまりいません。なぜでしょう。私が思うに、不用意に雑菌が侵入して子宮内に炎症が起こることを避けるためではないかと。炎症は免疫細胞を活性化させるので、体外受精のような一大イベントで、受精卵が攻撃されるリスクを避けるためではないかと思います。ある奥様にこの話をしたら「じゃあ主人のモノを消毒すればいいですか?」と……。
【連載執筆者】
中村一徳(なかむら・かずのり)
京都なかむら第二針療所、滋賀栗東鍼灸整骨院・鍼灸部門総院長
一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)代表理事
鍼灸師
法学部と鍼灸科の同時在籍で鍼灸師に。生殖鍼灸の臨床研究で有意差を証明。香川厚仁病院生殖医療部門鍼灸ルーム長。鍼灸SL研究会所属。
今年の鍼灸師国家試験を展望する
今年の鍼灸師国家試験を展望する
2020.03.10
芦野 純夫(前厚生労働教官(元国家試験評価委員)/横浜医療専門学校学術顧問)氏による講評
昨年の国試は、前年の厳し過ぎた試験結果が批判された反動から、一転して難易度を下げ、合格率が押し上げられた。とはいえ今回は旧カリキュラムの終わりの年であり、不合格者の“積み残し”を少なくするため難易度は前年並みになると見ていた。実際、解剖・生理など午前の基礎医学までどれも標準的な問題であり、受験生も安堵したことだろう。 (さらに…)
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』134 コロナショック
連載『織田聡の日本型統合医療“考”』134 コロナショック
2020.03.10
こんなに新型コロナウイルスの騒動が長引くとは思いませんでしたが、大変な状況になっています。 不正確な情報がメディアやSNSで流布されて、その情報を基にした国民の不適切な行動が問題になっています。マスクが売り切れ、トイレットペーパーや米が買い占められて、薬局の前には日々行列ができています。その一方、自粛モードで消費が落ち込み、デパートは閑散とし、旅館のキャンセルも続出。 鍼灸や柔道整復の治療院の経営も大変ではないでしょうか。 (さらに…)
大阪地裁「19条合憲」、昨年の東京地裁と同じ
大阪地裁「19条合憲」、昨年の東京地裁と同じ
2020.03.10
晴眼者のあマ指師課程新設めぐる裁判
あはき法19条の規定によって、晴眼者のあん摩マッサージ指圧師養成課程の新設が認められなかったのは不当だと、学校法人平成医療学園が国を相手に訴えた裁判で、2月25日、大阪地裁は「法的規制は不合理とはいえない」と判断し、訴えを退けた。
三輪方大裁判長は、当日の判決で、視覚障害者のあん摩マッサージ指圧師の収入は概して低いなどの諸事情を鑑みると、規制措置は相応の必要性・合理性を有するとして、原告側の主張は全て採用できないと結論付けた。
今回の判決内容は、昨年12月16日に東京地裁が下した「19条合憲」と、同様のものとなった。判決後、原告側は記者会見を開き、控訴する方針を示した。
現代書林から新刊 『抗認知症薬の不都合な真実』
現代書林から新刊 『抗認知症薬の不都合な真実』
2020.03.10
抗認知症薬の不都合な真実
株式会社現代書林から新刊『抗認知症薬の不都合な真実』が発行された。医学博士の長尾和宏氏とフリーライターの東田勉氏の共著。A5判30頁。本体価格500円。 (さらに…)
連載『中国医学情報』180 谷田伸治
連載『中国医学情報』180 谷田伸治
2020.03.10
☆前立腺肥大症50例に次髎・中髎穴の鍼通電―刺鍼深度をランダム化比較
北京中医薬大学東直門病院・兪立豊らは、前立腺肥大症患者で鍼通電の刺鍼深度をランダム化比較(鍼灸臨床雑誌、19年11期)。
対象=50例をランダムに試験群(深刺)・対照群(浅刺)各25例に分けた(脱落者が試験群2例・対照群3例)。試験群:平均(64.74±9.75)歳・平均罹患期間(8.63±3.42)年、対照群:平均(66.05±5.67)歳・平均罹患期間(9.28±2.91)年、両群に有意差なし。
治療法=取穴―次髎・中髎穴。操作―試験群:0.30×75mmの鍼で斜刺(60~75mm)、提挿捻転し得気後、局部にだるく腫れた感覚、鍼感を持続させ前陰部に放散させてから通電(連続波・20Hz)30分。対照群:0.25×40mmの鍼で直刺(25~40mm)、捻転法で局部にだるく腫れた感覚の出現のみ、通電は試験群に同じ。両群とも週3回、計4週間治療。
観察指標=IPSS(国際前立腺症状スコア)、QOL(生活の質)、Qmax(最大尿流量)、PVR(残尿量)。
結果=試験群(23例):著効13例・有効8例・無効2例・総有効率91.30%、対照群(22例):著効4例・有効14例・無効4例・総有効率81.82%。
☆慢性前立腺炎60例で現代薬単独と八髎穴刺鍼併用とをランダム化比較
浙江省寧波市中医院・兪静玉らは、非細菌性の慢性前立腺炎患者で現代薬単独、八髎穴刺鍼(深刺)併用2群をランダム化比較(上海鍼灸雑誌、19年12期)。
対象=60例、これをランダムに単独群・併用群各30例に分けた。単独群:平均(55±9)歳・平均罹患期間(12.53±4.00)カ月、併用群:平均(54±8)歳・平均罹患期間(14.27±4.35)カ月。
治療法=両群ともレボフロキサシンとタムスロシン塩酸塩を毎日1回服用、計2カ月。
<併用群>取穴―上髎・次髎・中髎・下髎穴。配穴―「湿熱下注証」(尿道灼熱・陰嚢湿潤・舌紅苔黄膩ほか):行間・豊隆・陰陵泉、「気滞血瘀証」(会陰部や下腹部などに腫れや痛み・尿刺痛・舌の紫暗や瘀斑ほか):血海・太衝・期門、「肝腎陰虚証」(腰膝だるく力ない・手足のほてり・めまい・遺精や早漏・舌紅少苔ほか):太渓・肝兪・腎兪、「腎陽不足証」(寒がり・手足冷たい・腰膝だるく痛む・インポテンツや早漏・舌淡苔薄白ほか):関元・気海・腎兪。操作―0.30×40/70mmの鍼。70mmの鍼で上髎・次髎・中髎には内下方に斜刺、下髎には直刺、深度各穴50~60mm、ゆっくりと小幅に提挿捻転し前陰部と肛門部に鍼感を放散。配穴は、40mmの鍼で15~30mm刺入、柔和な提挿捻転手法。各穴手法2~3分、置鍼30分(行鍼2回)。2日1回、計2カ月治療。
観察指標=米国国立衛生研究所慢性前立腺症状スコア(NIH-CPSI)・前立腺触感スコア・前立腺周囲組織圧痛スコア・前立腺圧出液。
結果=臨床効果は、単独群:回復(NIH-CPSI減少90%以上)1例・著効(同60~89%)6例・有効(同30~59%)15例・無効(同30%未満)8例・総有効率73.3%、併用群:回復4例・著効16例・有効9例・無効1例・総有効率96.7%。また、前立腺液の検査の結果、局部炎症の要因となるIL-8とTNF-αの値は、併用群が単独群より有意に低下していた。
☆疲労型の未病47例に吸い玉治療
広西中医薬大学・栄亮均らは、未病(原文「亜健康」)の患者への吸い玉治療を報告(中国鍼灸、19年11期)。
対象=同大付属第一病院推拿科外来の47例(男22例・女28例、脱落3例)、年齢22~40歳・平均(33±6)歳、疲労状態持続期間3~15カ月・平均(9.3±2.9)カ月。いずれも、疲労型未病の診断基準(肉体的/精神的疲労の持続期間3カ月以上、明確な原因が不明、明確な疾病診断ができない、ほか)に符合。
治療法=週1回、合計4回治療。
背部循経走缶法―背部の督脈・膀胱経にワセリンを塗布し、最初に膀胱経、最後に督脈で、吸い玉を上下に往復して走缶法を行う。皮膚に紅潮あるいは瘀斑ができるのを限度とする。毎回10~15分間。
観察指標=①肉体的/精神的疲労、②思考力/記憶力低下、③意欲低下、④睡眠不良、⑤食欲不振、以上5つの主要症状をVASで10段階評価。
結果=臨床効果は、著効(症状改善率70%以上)24例・有効(同30~69%)20例・無効(同30%未満)3例。
【連載執筆者】
谷田伸治(たにた・のぶはる)
医療ジャーナリスト、中医学ウォッチャー
鍼灸師
早稲田鍼灸専門学校(現人間総合科学大学鍼灸医療専門学校)を卒業後、株式会社緑書房に入社し、『東洋医学』編集部で勤務。その後、フリージャーナリストとなり、『マニピュレーション』(手技療法国際情報誌、エンタプライズ社)や『JAMA(米国医師会雑誌)日本版』(毎日新聞社)などの編集に関わる。
Q&A『上田がお答えいたします』 講義やセミナーに「クリニック」表記はダメ?
Q&A『上田がお答えいたします』 講義やセミナーに「クリニック」表記はダメ?
2020.03.10
Q.
最近、「クリニック」という言葉には「講義・セミナー」という意味があると知りました。私はスポーツ医科学の講義の依頼を受けることが少なくありません。自院の名称に「クリニック」を用いて「医院」と勘違いさせるようなことは違法なのは知っていますが、「○○○スポーツ医科学クリニック」や「○○○スポーツ障害クリニック」というように、講義やセミナーのタイトルに使うのは可能でしょうか。
A.
今まさに業界広告規制の指針としてのガイドラインが示されようとしている時、タイムリーなご質問です。 (さらに…)
マッサージ療養費 施術行為別・疾患別頻度 厚労省『平成30年度 療養費頻度調査』から
マッサージ療養費 施術行為別・疾患別頻度 厚労省『平成30年度 療養費頻度調査』から
2020.03.10
調査は、全国健康保険協会管掌健康保険、国民健康保険及び後期高齢者医療制度における平成30年10月の1カ月間に行われた施術に係る療養費支給申請書が対象。支給申請書のうち、全国健康保険協会管掌健康保険で全件、国民健康保険で5分の1、後期高齢者医療制度で10分の1の割合で抽出している。 (さらに…)
連載『汗とウンコとオシッコと…』187 緩んで開いて腰を打って開いて
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2020.03.10
今年の春は早い! 3月上旬に早咲きの桜に鶯の鳴き声がするとは……。異常気象が当たり前になった近年、何を基準に考えていいやら悩むところだが、それでも古典を基準にすれば、この春は暖かさが強く、血管の緩みによる神経伝達異常と発痛物質が漏れる遊走性の痛み、関節の弛緩による問題が多く見られ、『難経・五十難』の実邪に属す症状が非常に多い。世間では新型コロナウイルスにより世界経済に打撃があり、馬鹿者がトイレットペーパーを買い漁るという石油ショックさながらの光景も繰り広げられた。「落ち着いて対応する日本人の美徳」は何処へ行ったことやら……。そうして人を慌てさせるのも、血管の緩みによる心拍数増加が引き起こすセロトニン分泌不良が成せる業かもしれない。
70代前半の、松代某という口の達者な老婆が通院していた。主訴は急に左脚に力が入りにくくなり、時おり坐骨神経痛様の痛みが出るという。 (さらに…)
連載『医療再考』13 病院の医学から家庭の医学へ―モバイルとIoT
連載『医療再考』13 病院の医学から家庭の医学へ―モバイルとIoT
2020.03.10
医療は日々進歩しています。特に病気を見つける検査技術の進歩は目覚ましく、今日の医学の礎となっているといっても過言ではありません。しかしながら従来、検査から得られる情報の多くは検査日に限ったある一時点の断片的な情報であり、全ての病気を見つけ出すことは困難でもありました。しかし、ウエアラブルデバイスの進歩により、日々の連続した情報の取得が可能となったのです。そのため、病気の診断や解析にも、病院で行う検査だけでなく、日々の生活情報(生活ログ)を活用しようという動きが盛んとなっています。
現在本邦で一般的にみられるウエアラブルデバイスでは、心拍数やそこから算出されるストレス度、さらには歩行数(活動量)や睡眠深度などが測定可能ですが、海外では体温や発汗量、血糖値などを測定できるウエアラブルデバイスも存在しており、その測定項目は日々増え続けています。 (さらに…)
『ちょっと、おじゃまします』 ~『全員がメンテナンス』目指し~ 大阪府高槻市<よしだ整骨院>
『ちょっと、おじゃまします』 ~『全員がメンテナンス』目指し~ 大阪府高槻市<よしだ整骨院>
2020.03.10
「『全員がメンテナンスで通院している整骨院』。それが私の理想です」――そう語るのは、よしだ整骨院の院長、吉田達也先生です。吉田先生が柔整師を志したのは学生時代、中学の野球部、高校のバドミントン部と続けて怪我に見舞われ、手技に支えられた経験からでした。ただ、「PTと柔整師、どちらを志すかは最後まで迷いました」とのことで、実際に話を聞きに行ったりもした末、仕事の自由性を重視して柔整師を目指したといいます。 (さらに…)
今日の一冊 からだと病気のしくみ講義
今日の一冊 からだと病気のしくみ講義
2020.03.10
からだと病気のしくみ講義
仲野 徹 著
NHK出版 737円
体の隅々まで酸素や栄養分を運搬する血液は「血液系」で、それを滞りなく動かすのは「循環器系」である。そして、末梢へと運ばれる酸素は「呼吸器系」で取り込まれ、栄養は「消化器系」が消化して吸収し、血液系、循環器系を通じて運ばれていく。これら4つのシステムとそれぞれにまつわる病気について、『こわいもの知らずの病理学講義』などの著書で知られる病理学教授の著者が分かりやすく、ときに面白おかしく解説。「グアテマラ人の血液型は9割以上がO型」といった豆知識も随所に散りばめられている。
編集後記
編集後記
2020.03.10
▽新型コロナウイルスの影響で様々なイベントが中止・延期を余儀なくされていますね。この業界も例外ではなく、直近の取材が全てキャンセルになってしまいました。 (さらに…)