「19条合憲」、晴眼者のあマ指師課程新設で大阪地裁も
2020.02.25
2月25日、晴眼者のあん摩マッサージ指圧師の養成課程を規制している「あはき法19条」が合憲であると、大阪地裁で言い渡された。
昨年12月の東京地裁と同様に、新設を認めないとすると判決が大阪でも下された。
(判決等の詳細は、今号発行の本紙で伝える)
「19条合憲」、晴眼者のあマ指師課程新設で大阪地裁も
「19条合憲」、晴眼者のあマ指師課程新設で大阪地裁も
2020.02.25
2月25日、晴眼者のあん摩マッサージ指圧師の養成課程を規制している「あはき法19条」が合憲であると、大阪地裁で言い渡された。
昨年12月の東京地裁と同様に、新設を認めないとすると判決が大阪でも下された。
(判決等の詳細は、今号発行の本紙で伝える)
機能訓練指導員で働く鍼灸師を調査 資格要件緩和の効果、国が検証
機能訓練指導員で働く鍼灸師を調査 資格要件緩和の効果、国が検証
2020.02.25
3月頃に社保審分科会で報告
平成30年度の介護報酬改定に伴い、デイサービス等に配置する「機能訓練指導員」の資格要件に新たに加わった「はり師・きゅう師」の実態を、厚労省が昨秋から調査している。調査結果等は、3月頃に開催を予定している社会保障審議会介護給付費分科会で報告され、次期改定(令和3年度)を含む今後の議論のための資料として活用される。 (さらに…)
ケアマネジャー試験、第22回合格者数 あはき師70人、柔整師107人
ケアマネジャー試験、第22回合格者数 あはき師70人、柔整師107人
2020.02.25
前回より要件厳格化で落ち込み
厚労省がこのほど、第22回介護支援専門員実務研修受講試験の合格者数等を公表した。
受験者数3万509人に対し5,644人(18.5%)が合格した。「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」の合格者数は70人で構成比1.2%、「柔道整復師」は107人で同1.9%だった。なお、台風19号の影響で試験が実施されなかった東北や関東などの13の都県の数字は含まれていない。 (さらに…)
全鍼師会 第13回地域健康つくり指導者研修会 介護予防に「通いの場」提唱
全鍼師会 第13回地域健康つくり指導者研修会 介護予防に「通いの場」提唱
2020.02.25
全日本鍼灸マッサージ師会(全鍼師会)の「第13回地域健康つくり指導者研修会」が2月8日、9日、新宿医療専門学校(東京都新宿区)で開催された。
『行政が導く公的介護保険外サービスの取り組み』と題して、厚労省老健局老人保健課介護予防栄養調整官の日名子まき氏が登壇。介護予防には機能訓練など高齢者本人へのアプローチだけでなく、高齢者を取り巻く環境への取り組み、「地域づくり」も求められていると説いた。その一環として、 (さらに…)
「日本鍼灸医術の形成」研究班主催セミナー 明智光秀は名医だった!?
「日本鍼灸医術の形成」研究班主催セミナー 明智光秀は名医だった!?
2020.02.25
医者説の根拠の『針薬方』に鍼の言及も
京都大学人文科学研究所「日本鍼灸医術の形成」研究班主催の一般公開セミナー『明智光秀は名医!? だった―転換期の医術と戦国武将』が2月8日、同大学芝蘭会館(京都市左京区)で行われた。研究班班長の長野仁氏(森ノ宮医療大学大学院教授)をはじめ、5人の研究者らが登壇した。
現在「明智光秀医者説」の重要な根拠になっているのは、熊本市内で所蔵されていた16世紀の医術書『針薬方』。幻に終わった信長の上洛計画を記した紙を「裏紙」として用いて記されたものだと、平成26年に発覚して話題となった。
山田貴司氏(熊本県立美術館学芸員)によれば、同書は9枚で構成された小冊子で「後の細川家家臣・米田貞能が足利義昭の使者として各地を訪れる中で記された医学的知識のメモ帳」。「この時代の医書は数多く現存しており、本来ならわずか9葉の本書が注目を浴びた可能性は低い」(長野氏)というが、この件を機に研究が進み、同書が明智光秀の口伝を記した口伝書だと判明したとされた。内容は (さらに…)
催し物案内 「長野式」入門セミナー、大阪で
催し物案内 「長野式」入門セミナー、大阪で
2020.02.25
治療理念から実技まで、体験も
3月15日(日)12時から、新大阪丸ビル新館(大阪市東淀川区)で開催される。講師は長野式臨床研究会大阪支部の森山潤氏。「長野式ってどんな治療をするの?」「一度長野式治療を体験したい」といった治療家や学生が対象。前半は長野式の治療理念や診断法について座学中心で分かりやすく解説し、後半は診断法、処置の実技を披露。治療体験もできる。「長野式治療の実践的な『診断』『治療』、そしてシステマティックな診断から治療への流れを体感できる」と同会。
参加費は8,000円で当日払いも可能(※要事前連絡)。定員になり次第締め切る。申込みは同会大阪支部事務局(FAX 072-601-0873、メール ranman-dou●pu3.fiberbit.net ●を@に)へ。詳細は下記QRコードから。
(さらに…)
青灯社から新刊 『「揉む医療」の探求 日本的身体とはなにか』
青灯社から新刊 『「揉む医療」の探求 日本的身体とはなにか』
2020.02.25
「揉む医療」の探求 日本的身体とはなにか
株式会社青灯社から新刊『「揉む医療」の探求 日本的身体とはなにか』が発行された。著者はフランス・アメリカ・オランダで哲学・医学の両面から人間の身体を研究してきた鍼灸師の藤守創氏。四六判352頁。本体価格3,200円。
「肩や腰の痛みだけではない、心疾患や高血圧などにも骨の歪みが関係していた」――。背骨の歪みを「万病のもと」と捉えて施術を行う手技療法、「藤守式」。祖父、母と三代にわたって受け継がれてきたその技と理論、成果を、歴史や文化、哲学的な側面からも考察して紹介する。
「頸部・胸部の骨の歪みを整え、身体全体の平衡感覚を取り戻した女性」「心疾患による体の不調を脊椎の操作で取り除き、健康と自信を身につけた青年」といった症例も。 (さらに…)
厚労省・平成29年度の保険者別療養費 柔整、市町村国保で125億円減 あはき、健保組合や国保で減少
厚労省・平成29年度の保険者別療養費 柔整、市町村国保で125億円減 あはき、健保組合や国保で減少
2020.02.25
厚労省保険局調査課が昨年12月に公表した『医療保険に関する基礎資料』において、平成29年度の保険者別療養費の状況が示された。柔整は約3,437億円で、前年度より約199億円減った。減少額が最も高いのは、 (さらに…)
植村直己冒険賞に全盲のあはき師・岩本さん
植村直己冒険賞に全盲のあはき師・岩本さん
2020.02.18
冒険家・植村直己をたたえて創設された「植村直己冒険賞」の第24回受賞者に、太平洋をヨットで横断した全盲のあはき師・岩本光弘さん(53歳)が選ばれた。植村直己の出身地・兵庫県豊岡市が2月12日に発表した。
2019年2月に小型ヨットでアメリカ・サンディエゴを出港し、太平洋上約14,000kmを無寄港で航行。55日間で達成した。
岩本さんは、先天的な視覚障害に見舞われ、16歳で全盲に。熊本県立盲学校理療科、筑波大学理療科教員養成施設を卒業し、筑波大学付属盲学校鍼灸手技療法科の教諭となる。その後、ヨットの世界に飛び込み、ブラインドセーラーとして活躍する。
大阪で『柔整師・鍼灸師のための展示商談会』、3月22日に
大阪で『柔整師・鍼灸師のための展示商談会』、3月22日に
2020.02.14
『柔道整復師・鍼灸師のための展示商談会 メディカルショー』が3月22日(日)、森ノ宮医療学園専門学校(大阪市東成区)で開催される。ミナト医科学などの治療機器メーカーやダイヤ工業などの医療用品メーカー、セイリン、日進医療器といった鍼メーカー、販売店など約40社が出展、治療、治療院にまつわる商品が一堂に揃う。全国柔整鍼灸協会事務局長の塚原康夫氏が講演を行う『大阪柔整合同同窓会』併催。いずれも入場・参加無料。
詳細を記載したチラシは森ノ宮医療学園校友会のホームページからダウンロードできる。
全鍼師会が療養費と自賠責でアンケート、3月10日まで
全鍼師会が療養費と自賠責でアンケート、3月10日まで
2020.02.13
公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会(全鍼師会)が「療養費を用いたマッサージ施術の実態」と「自賠責保険の取扱い状況」について、アンケート調査を行っている。同師会によると「『変形徒手矯正術』の同意期間延長を国に対して要望するためと、あはきの自賠責保険取扱いを円滑にするため」とのこと。
アンケートへの応募は調査用紙をホームページからダウンロードし、3月10日(火)までにFAX(03-3359-2023)かメール(zensin@zensin.or.jp)で。
全病理、マッサージ診療報酬で要望 推進協7団体での合同提出へ
全病理、マッサージ診療報酬で要望 推進協7団体での合同提出へ
2020.02.10
公益社団法人全国病院理学療法協会(全病理)が、以前より団体独自で提出してきたマッサージ診療報酬等の見直しに関する要望書について、日本視覚障害者団体連合(日視連、昨年10月に日本盲人会連合より改称)などあはき7団体(推進協)の連名での提出とすべく調整していることが分かった。
要望内容は、適切な研修を修了したマッサージ師等の診療報酬を引き上げ、理学療法士(PT)との格差を是正することのほか、理学療法従事者に鍼灸師を組み入れることなど(下記)。ただし、鍼灸師に関する要望については他団体と協議中。
長年にわたり要望続ける
要望を連名とすることは、昨年11月に開催された推進協の会合において、全病理が提案した。全病理は本紙の取材に対し、「PT以外の理学療法従事者が行う消炎鎮痛の点数は、PTと比べて非常に低いものです。また、理学療法従事者を対象として平成4年より実施している運動療法機能訓練技能講習会は、鍼灸師でも受講できるにもかかわらず、受講しても診療報酬、介護報酬の算定要員として認められません。それでも資質向上のために定期的に修了している鍼灸師は存在し、当会にも複数在籍しています。この格差も是正したいと考え、長年要望を続けてきました」とコメントした。厚労省に対し、今年度中の要望書提出を目指して、現在調整中だという。
■全病理の要望内容(概要)
【診療報酬】
・疾患別リハビリテーション料の施設基準における、理学療法士と「運動療法機能訓練技能講習会を受講し、定期的に適切な研修を修了しているマッサージ師等(以下、理学療法従事者)」の診療報酬算定上の格差是正
・消炎鎮痛処置における、理学療法従事者が行う手技療法の評価
・理学療法従事者に「はり師、きゅう師」を加える
【介護報酬】
・指定通所リハビリテーション費において、理学療法従事者を全ての時間帯で算定要員とする
・機能訓練指導員において、理学療法従事者を「リハビリテーション専門職」として位置付ける
セミナー『次世代に繋げたい鍼灸治療』 腹診と背部で全体治療
セミナー『次世代に繋げたい鍼灸治療』 腹診と背部で全体治療
2020.02.10
―「僅三針法」の紹介も―
セミナー『次世代に繋げたい鍼灸治療―一見は百書を凌駕す』が1月12日、13日、大阪市内で開催された。鍼灸治療による疼痛治療研究会主催。
薬剤師で鍼灸師の南利雄氏(壺中天薬局・南鍼灸院)は、江戸時代の医師は実証主義で、「万病一毒説」を唱えた吉益東洞は陰陽五行説を否定していたと説明。現代でも、臨床においては無理に五行に当てはめることなく全体で診て治療に臨むべきだと説いた。江戸期の医書には脈診の記載は少なく、腹診が重要視されていたと指摘。脈診よりも腹診の方が分かりやすく誰もが習得しやすいとして、腹診と背部を基本とした全体治療を指南した。「一つの道具だけでは家が建てられないのと同様に治療道具にも種類があった方が良い」と解説。火鍼や長針、員利鍼といった臨床で実際に使用している鍼を実技を交えて披露し、細絡刺絡や皮膚刺絡なども行った。また、「鍼灸師にお勧め」の書籍として鍼灸素霊会編著『経穴の使い方 鍼の刺し方』や劉玉書編『刺鍼事故』などを紹介。『経穴の使い方 鍼の刺し方』は経絡治療の大家であった上地栄の講義をまとめたものだが、脈診よりも腹診を推奨している点が興味深いと述べ、『刺鍼事故』は中国の草医、いわゆる素人による事故例集だが、防止策や解決策も掲載されており参考になると話した。
循環器内科医の西田晧一氏(西田順天堂内科院長)は、数十年に及び鍼灸治療を臨床に取り入れてきた経験から、疾患によっては鍼灸でしか治らないものもあると説明。中国に起源を持つという、わずか三つの配穴で全身を治療する「三針法」に独自のアレンジを加えた「僅三針法」を紹介した。僅三針法は整形外科的疾患から内科的疾患にとどまらず、鬱病や認知症といった精神疾患にも効果があると解説。難病とされる線維筋痛症の原因は患者本人も自覚していない持続する精神的緊張にあると指摘し、僅三針法でその緊張を取り、付随する身体症状にも用いて症状が寛解した症例を提示した。
ほかに、「臨床歴70年」の松林康子氏による実技や佐藤崇司氏(千葉大学大学院医学研究院整形外科学)の研究発表が行われた。
催し物案内 鍼灸師・歯科医師が講演と実技、函館で
催し物案内 鍼灸師・歯科医師が講演と実技、函館で
2020.02.10
―『実践!! 臨床歯科東洋医学』テーマに―
3月14日(土)16時半から、サン・リフレ函館(北海道函館市)で開催される。函館鍼灸マッサージ師連絡協議会(函鍼連)主催、函館歯科医師会後援。
鍼灸師・歯科医師で、日本スポーツ歯科医学会認定医や美容鍼灸の会「美真会」顧問、アスレティックトレーナーなど、様々な肩書を持つ関根陽平氏が登壇。歯科医師の立場から、また東洋医学的な視点からも、顎関節症・不正咬合・オーラルフレイル・口腔機能低下症などについて解説し、歯科領域と東洋医学の「相性の良さ」にも触れる。「明日から使える鍼灸実技」も披露する。
参加対象は医療系国家資格所持者で参加費5,000円。申込みは函鍼連事務局(TEL/FAX 0138-41-8901)もしくは函館歯科医師会(TEL 0138-23-3650/FAX 0138-23-4765)へ。申込締切りは3月9日(月)。
催し物案内 JISRAM第3回公開講座、京都で
催し物案内 JISRAM第3回公開講座、京都で
2020.02.10
―『免疫を学んで着床を知る!』テーマに―
3月22日(日)10時から、アークホテル京都(京都市中京区)で開催される。
JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)代表理事・中村一徳氏の『はじめの言葉 免疫基礎の基礎』、同事務局長・徐大兼氏の『鍼による子宮内膜受容能の変化についての論文解説』、醍醐渡辺クリニック胚培養室主任・野々口耕介氏の『ERA、EMMA、ALICEについて(着床の阻害要因を知る)』、大手前大学副学長・大橋一友氏の『生殖免疫の基礎』、兵庫医科大学准教授・福井淳史氏の『子宮NK細胞について』が行われる。
参加費は昼食代・懇親会費込みで12,000円。定員100名、申込締切りは2月末日。申込みはメールに「JISRAM公開講座受講希望」と明記の上、①郵便番号、②住所、③氏名、④電話番号(携帯及び固定)、⑤メールアドレス、⑥所属(院名または学校名)を記入して中村氏(メール hari9pearl.ocn.ne.jp)まで。
あん摩マッサージ療養費 都道府県別支給状況 厚生労働省『平成30年度 療養費頻度調査』から
あん摩マッサージ療養費 都道府県別支給状況 厚生労働省『平成30年度 療養費頻度調査』から
2020.02.10
調査は、平成30年10月の1カ月間に行われた施術に係る療養費支給申請書が対象。支給申請書のうち、全国健康保険協会管掌健康保険で全件、国民健康保険で5分の1、後期高齢者医療制度で10分の1の割合で抽出している。1件当たりの平均支給額は約31,110円。なお、平成30年10月より再同意期間が「6カ月ごと」に引き伸ばされ、口頭同意の廃止や施術報告書の導入といった運用の変更があった。『平成29年度 療養費頻度調査』を基に、昨年度の金額と、そこからの増減比率も掲載した。
要介護認定調査、柔整師やあはき師も4月から実施可能
要介護認定調査、柔整師やあはき師も4月から実施可能
2020.02.06
介護サービスを受ける際に必要になる「要介護認定」の調査員に、柔整師やはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師を含む21職種(保健、医療、福祉に関する専門職)が資格要件に4月から加えられる見通しだ。厚労省老健局が2月3日に発表した。
ただ、今回の要件緩和は、市区町村が社会福祉協議会等の「指定事務受託法人」に調査を委託する際に限定される。さらにその上で、介護現場での実務経験が5年以上なければならない。
新たに対象となった21職種について、厚労省は「認定調査を(ケアマネジャーに代わり)補完的に可能とするもの」としている。
日本伝統医療看護連携学会 第1回設立記念総会・学術大会 「伝統医療」「看護」の連携へ向け発足
日本伝統医療看護連携学会 第1回設立記念総会・学術大会 「伝統医療」「看護」の連携へ向け発足
2020.01.24
昨年末、あはき・柔整などの伝統医療と看護の連携を模索し、学術の発展や社会貢献を目指して、『日本伝統医療看護連携学会』(佐竹正延会長)が発足。昨年12月18日には、第1回の総会・学術大会が仙台市青葉区の仙台赤門短期大学で開催された。講演やシンポジウムでは、伝統医療と看護はともに全人的であり親和性が高いということが、異口同音に言及されていた。
―ともに『全人的』で高い親和性―
佐竹会長(仙台赤門短期大学学長)は開会のあいさつで、看護学も医学にならい、実証科学を踏襲しているが、それは方法論としての側面であると指摘。看護することの本来的意義から見れば、看護学では人間を全体的・全人的に把握する傾向があるのは歴然としており、一方、伝統医療もまた「パーツではなく全体」として人間を捉えていると述べ、二つの分野が連携することで相互に利益を与えて学際的な発展を遂げ、ひいては社会福祉にも貢献できるよう願うと語った。
鍼灸師と看護師が担う「在宅」
シンポジウム『医療連携の未来を拓く―融和』は村上理恵氏(なの花訪問看護ステーション仙台訪問看護師/鍼灸りえる院長)、柴田克実氏(晩翠通り治療院院長)、亀井啓氏(亀井接骨鍼灸治療院院長)、佐藤喜根子氏(仙台赤門短期大学教授)が登壇した。村上氏は、在宅療養中の末期癌患者や要介護状態の利用者の便秘や浮腫、痛みなどの症状緩和に対して鍼灸治療を行っていると説明。その際、患者宅にある各事業所の記録などから他職種のケア内容や患者の状況を把握し、自分の施術記録も残すことで情報を共有していると述べた。看護師や利用者の家族に温灸の指導をしたり、指圧のツボの位置をマーキングしたりするなどのアドバイスを行い、看護師とともに症状緩和に取り組むケースもあると解説。治療院では、地域包括支援センターを通じて患者に介護予防教室を紹介するなど、個々に適した社会資源につなげるようにしていると話した。柴田氏は十数年携わってきたリンパ浮腫治療について、治療が受けられる医療機関の情報が入って来ない、施設を見つけても予約が一杯ですぐに治療が受けられない、といった患者の現状を紹介。医療リンパドレナージを行えるのは医師や看護師のほか理学療法士や作業療法士、あマ指師なども含まれるとして、それぞれの立場からリンパ浮腫治療に関わっていくことが望ましいと語った。亀井氏は『疼痛の本質を探る―治療のピットホール』、佐藤氏は『東洋医学と看護の「融和」』をテーマに講演を行った。
ほかに、佐竹会長の学術大会長講演『医学にあるもの、医学にないもの』、矢野忠氏(明治国際医療大学学長)の『東洋医学の再発見―医療連携の可能性』と谷口初美氏(九州大学大学院教授)の『補完代替医療(CAM)と看護ケア』の特別講演2題、『看護・介護の場での小さいゴムボールを使ったリハビリテーションの一考察』(藤井裕文氏・ふじい接骨院院長)など一般口演10題、ポスター発表3題が行われた。
『鍼灸5G』 鍼灸学生がイベントを開催
『鍼灸5G』 鍼灸学生がイベントを開催
2020.01.24
―津田昌樹氏、建部陽嗣氏が参画―
昨年12月21日、大阪市東成区の森ノ宮医療学園専門学校で「鍼灸5G」が開催された。
鍼灸学生を中心としたイベントで、「5G」は「学生の、学生による、学生のための、学術が好きになる学会」の略。発起人は大阪行岡医療専門学校長柄校鍼灸科3年の岸井広樹さんで、アドバイザー・座長に鍼灸業界向けウェブマガジン『ハリトヒト。』代表の津田昌樹氏と『閃く経絡』の翻訳者・建部陽嗣氏を招聘。学生、鍼灸師、業界関係者ら約50名が参加した。
前半は学生による研究発表、後半は学生、鍼灸師に加え、商品・サービス等を出展していた企業関係者らも交えたディスカッションを行った。研究発表は岸井さんの『耳鍼の痩身効果について』と、もう1名の学生による『皮膚刺激が人体に与える影響』の2題で、前者はマグレイン(チタン粒)と偽鍼(セイリンのパイオネックス)を使用して耳ツボの痩身効果を検証、後者は皮膚刺激に関する文献を集めてまとめたもの。耳ツボ効果の検証において、体重の減少に関してはマグレインと偽鍼で大きな違いは無かったものの、体脂肪率はマグレインの群で有意に低下しており、津田氏はこの点が「面白い」と指摘。「ではなぜそうなったのか?」との疑問を立てて次の研究につなげてほしいと述べ、フロアから「VASとは何か?」との質問があった際には、学生のうちから学術用語に触れ、その意味を知ってもらいたいと呼び掛けた。文献研究については演者が発表したのち、建部氏がそのスライドをアレンジしたものを披露。研究テーマのイメージに合ったフォントや色、背景を使う、キーワードの文字サイズを大きくする、参考文献はタイトルだけでなく表紙も使う、といった「魅せる」作り方をレクチャーした。ディスカッションでは「流派や団体が多すぎて業界の全体像が分からない」「横のつながりも縦のつながりもない」といった意見を上げた学生や、他校生と話してみて初めて「養成校の実技教育の質・量にバラつきがあること」が分かり、「卒後のスタートラインで既に経験値に差がある」と指摘した学生もいた。
岸井さんは『ハリトヒト。』の書籍化第2弾のクラウドファンディングのリターンとして津田氏の「講演権」を取得。これを契機に、学生が「主役」に、鍼灸師が「参加者」となって互いにコミュニケーションが取れ、また学生は他校生とも交流できるイベントを目指して今回の催しを企画したという。
催し物案内 労働・雇用の「基本」をレクチャー
催し物案内 労働・雇用の「基本」をレクチャー
2020.01.24
―社労士と鍼灸師が学生や院経営者へ、東京で―
セミナー『学校では教わらない働き方の基本の“き”』が3月1日(日)11時から、『鍼灸院のための日本一カンタンな雇用の基本の“き”』が13時半から、東京医療福祉専門学校(東京都中央区)で開催される。
講師は、社労士の國安院ゆみ氏(社会保険労務士事務所FAILNAUGHT代表)と鍼灸師の米倉まな氏(まな鍼灸堂院長)が務める。午前の部では鍼灸学生や転職を希望する鍼灸師に向けて労働や社会保険の知識を、午後の部では開業鍼灸師や開業を考えている鍼灸師を対象に経営・雇用の基本をレクチャーする。詳細はホームページ(https://sq-koyou.jp/2019/12/30/hello-world/)。
(さらに…)