第33回経絡治療学会・東京大会 「経絡治療の更なる飛躍と発展」テーマ
2018.04.25
徒弟制ならではの学び、中堅鍼灸師が語る
経絡治療学会(岡田明三会長)の第33回学術大会が3月24日、25日、東京有明医療大学(東京都江東区)で開催された。テーマは、『鍼灸経絡治療の更なる飛躍と発展』。
会頭講演では、大和田征男氏(大和田鍼灸整骨院)が50年に及ぶ臨床経験を振り返り、寒熱を考慮した経絡治療を実践するに至った経緯などを語った。 (さらに…)
第33回経絡治療学会・東京大会 「経絡治療の更なる飛躍と発展」テーマ
第33回経絡治療学会・東京大会 「経絡治療の更なる飛躍と発展」テーマ
2018.04.25
徒弟制ならではの学び、中堅鍼灸師が語る
経絡治療学会(岡田明三会長)の第33回学術大会が3月24日、25日、東京有明医療大学(東京都江東区)で開催された。テーマは、『鍼灸経絡治療の更なる飛躍と発展』。
会頭講演では、大和田征男氏(大和田鍼灸整骨院)が50年に及ぶ臨床経験を振り返り、寒熱を考慮した経絡治療を実践するに至った経緯などを語った。 (さらに…)
柔整国試、次々回から出題数増
柔整国試、次々回から出題数増
2018.04.10
財団設置の委員会が報告
2020年3月実施の第28回柔道整復師国家試験から必修問題数が増加するなど見直しが図られるようだ。柔道整復研修試験財団に設置されている「柔道整復師国家試験改善検討委員会」が3月5日付の報告書の中で示した。同委員会は、国家試験の質の向上を図る目的で平成27年5月に立ち上げられ、委員長の相澤好治氏(北里大学名誉教授)をはじめ、碓井貞成氏(全国柔道整復学校協会会長)、工藤鉄男氏(日本柔道整復師会会長)、櫻井康司氏(日本柔道整復接骨医学会会長)、釜萢敏氏(日本医師会常任理事)らで構成されている。
報告書では、具体的な改善事項として、▽必修問題を従来の30問から50問に増やし、出題範囲を「柔道整復施術の基礎」「保険診療に関する知識」「関係法規に関する知識」とする、▽臨床実地問題について、「柔道整復理論」を含んだ現行の15問程度から20問程度に改める、等を挙げた。今後、出題基準を改訂した上で、2020年3月と、2年後の2022年3月の国家試験で実施に移す予定という。
第35回日本東方医学会 「QOD」テーマにシンポジウム
第35回日本東方医学会 「QOD」テーマにシンポジウム
2018.03.25
最期の「安らかさ」、周囲の希望にも
第35回日本東方医学会が2月25日、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区)で開催された。メインテーマは『健康寿命を楽しく生きる東方医学の知恵』。
シンポジウム『Quality of death(QOD)をめざす東方医療』で、田畑正久氏(佐藤第二病院院長)は、仏教と医療の関係について講演。仏教は生老病死の四苦との向き合い方を模索するものであるが、 (さらに…)
統合医療展2018 日鍼会、セイリン・山正と共に出展
統合医療展2018 日鍼会、セイリン・山正と共に出展
2018.03.10
医師、看護師らもブースに
『第14回統合医療展2018』が1月24日、25日、「医療関係者とヘルスケア産業をつなぐ」をテーマに東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。
『高齢者生活支援サービス展』、『メディケアフーズ展』、『保険外サービス展』との併催。3展合計で約300の企業・団体等が、医療・介護、ヘルスケアに関わる商品やサービスを紹介した。
同展後援団体の一つ、公益社団法人日本鍼灸師会(日鍼会)が、セイリン株式会社(静岡市)、株式会社山正(滋賀県長浜市)と共同で出展した。同師会員らが来場者に、毫鍼とパッチ鍼による無料施術体験を提供するなどしてPR。セイリンと山正は商品紹介スペースを設け、パッチ鍼や台座灸などを配布した。来場者の対応に当たった日鍼会地域ケア推進委員会委員長の松浦正人氏によると、 (さらに…)
日本スポーツ医科学学会 第1回学会東京大会 多職種連携促進など目的に設立
日本スポーツ医科学学会 第1回学会東京大会 多職種連携促進など目的に設立
2018.02.25
笹川氏「普段からのコミュニケーションが先行」
織田氏「業界外の付き合い、医師も不得手」
一般社団法人日本スポーツ医科学学会(笹川隆人会長)の第1回学会東京大会が1月21日、東京都内で開催された。一般社団法人診療連携ネットワーク協会(織田聡代表)との共催。
同学会は、公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会でのスポーツ関連の部会における議論を契機に設立された学術団体。鍼灸・マッサージに限らず、柔整師やPT、医師を含むスポーツ分野における医学、トレーニング学、栄養学、情報科学分野全般において、学術の発展及び連携の促進を図ることを設立主旨とする。
講演は主に笹川氏と織田氏の対談形式で進められた。笹川氏は、 (さらに…)
第13回柔整療養費検討専門委員会 亜急性議論、依然平行線たどる
第13回柔整療養費検討専門委員会 亜急性議論、依然平行線たどる
2018.02.10
保険者「支払基金を療養費でも」
1月31日、第13回柔道整復療養費検討専門委員会が都内で開かれた。今回は、検討課題のうち、主に「亜急性」と「1部位目から申請書に負傷原因を記載させること」について議論された。
亜急性については、昨年3月21日の同委員会で厚労省から、亜急性の文言は削除しない上で、①負傷の原因が明らかであること、②身体の組織の損傷の状態が慢性に至っていないものであること、の2点を現行通知に追記する案が示されていたが、合意に至っていない。 (さらに…)
JATI第12回トレーニング指導者研修・交流会 筋温維持でパフォーマンス向上
JATI第12回トレーニング指導者研修・交流会 筋温維持でパフォーマンス向上
2018.02.10
ウオームアップ後から競技直前まで
特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会(JATI)の「第12回トレーニング指導者研修・交流会」が昨年12月17日、帝京平成大学の中野キャンパス(東京都中野区)で開催された。
海外講師招聘講演はオーストラリアストレングス&コンディショニング協会のChris Gaviglio氏と英国ストレングス&コンディショニング協会のPaul J. Read氏が登壇した。 (さらに…)
第19回日本スポーツ整復療法学会大会 シンポジウム『スポーツ整復療法学の明日』
第19回日本スポーツ整復療法学会大会 シンポジウム『スポーツ整復療法学の明日』
2018.01.25
谷口氏「保険に頼らない柔整師像を」
伊藤氏「鍼灸師の役割はコンディショニング」
日本スポーツ整復療法学会の第19回大会が昨年12月9日、10日、明治東洋医学院専門学校(大阪府吹田市)で開催された。
大会特別シンポジウム『スポーツ整復療法学の明日』では、学校法人明治東洋医学院理事長の谷口和彦氏が「教育」、明治国際医療大学鍼灸学部教授の伊藤和憲氏が「鍼灸」、同大学保健医療学部救急救命学科准教授の植田広樹氏が「救急」と、三つの立場から講演が行われた。 (さらに…)
東方医学会 「医鍼薬地域連携研究会」旗揚げ
東方医学会 「医鍼薬地域連携研究会」旗揚げ
2018.01.25
医師と鍼灸師との地域連携を模索
医師(医院)と鍼灸師(鍼灸院)との地域連携の実現に向け、一般財団法人東方医療振興財団(日本東方医学会)が昨年より取り組みを始めている。連携に当たっての課題や今後の展望について、昨年10月より医師、歯科医師、鍼灸師らに参加を呼びかけ、議論を行っている。昨年12月6日に帝京平成大学(東京都豊島区)で行われた2回目の話し合いでは、冒頭に同財団の上馬塲和夫理事長から「医鍼薬地域連携研究会」を正式名称とすることが発表された。「かかりつけ薬局」制度に伴い、患者の服薬情報が一元化される薬局(薬剤師)との連携も念頭に入れた名称であると述べられた。 (さらに…)
第21回日本統合医療学会 『患者中心の医療』提唱
第21回日本統合医療学会 『患者中心の医療』提唱
2017.12.25
―柔整、あはき業界からも講演多く―
第21回日本統合医療学会が11月25日、26日、東京有明医療大学(東京都江東区)で開催された。NPO法人日本ホリスティック医学協会との共催。テーマは『患者中心の医療(Patient-Based Medicine:PBM)』。
会期中、『あなたが患者ならどの医療を選ぶ―その特徴と科学的根拠』などをテーマに6題のシンポジウムが開催。漢方、ヨガ、温泉療法、放射線治療など多くの医療専門職による講演があり、鍼灸、柔整、あん摩マッサージ指圧分野からの発表も行われ、施術体験コーナーでも、あはき師のブースが設けられた。
福田文彦氏(明治国際医療大学教授)は、『がん患者に対する鍼灸治療』について講演した。国内外のガイドラインを基に、鍼灸は癌の症状緩和のほか、癌治療の副作用軽減、緩和ケア、家族への緩和ケアなど幅広い適応があると紹介した上で、鍼治療による副作用軽減についての研究成果を報告。抗癌剤Paclitaxelの副作用により末梢神経障害を発症した15人に対して週に1回・合計6回、陽陵泉―懸鐘、陰陵泉―三陰交に2Hz、10分間の鍼通電刺激と、太衝への10分間の置鍼を行った結果、しびれに有意な改善が認められたとしたほか、軽減群は年齢が若く、米国立癌研究所が作成した有害事象共通用語規準(NCI-CTCAE)のグレードが低い傾向があったとした。また、投薬開始時から鍼治療で介入したところ、症状の増悪を有意に抑えられ、投薬量も減少したと説明。今後の課題として、既に治療効果が報告されている経絡治療など、施術の手法の違いによる効果の違いを検討する必要があるとした。このほかに、山口智氏(埼玉医科大学東洋医学科)も、片頭痛・緊張性頭痛に対する鍼治療の作用機序について報告し、高位中枢を介して生体の恒常性を正常化する作用が伝統医療の特質だと呼びかけた。
柔整師については東京有明医療大学准教授の櫻井敬晋氏が、主に出血を伴わない急性外傷を対象に固定・整復のほか、東洋医学に基づくリハビリ、再受傷防止の指導などを行い、慢性疼痛を防止する治療計画を作成する役割を持つと説明。綿包帯固定の有効性の報告として、giving-way台を用いて疑似的な足関節内反捻挫を発生させ、心血管用fluoroscopyを用いて骨の動きを可視化し動的な解析を行った結果を紹介した。
マッサージ論文1万6,000件を評価
『あん摩マッサージ指圧療法の歴史、現状、課題』では、藤井亮輔氏(筑波技術大学教授)が登壇。あん摩マッサージ指圧業について、あはき法の解釈を基に「部分的な医業でありながら、医業類似行為でもあるという二元解釈が可能」だとした上で、公的な位置付けがあいまいで医療の本流から外れていると指摘。行政施策の俎上に載せるためには科学的な根拠を示す必要があるとして、『医中誌Web』に掲載された昭和58年から平成26年までの論文を抽出し、エビデンスレベルの高い論文の『構造化抄録(SA)』作成に取り組んだとした。2度にわたる調査で約1万6,000件がヒットしたが、スクリーニングを重ねたところSA作成に至ったのは計30件にとどまり、国内の臨床研究が立ち遅れている現実が確認できたと述べた。また、30件のうち業界内の学会誌で発表された論文は7件(日本手技療法学会4件、日本東洋医学系物理療法学会2件、全日本鍼灸学会1件)で、病院学術雑誌、看護学会雑誌などが主だったことも残念だとした。
臨スポ第28回学術集会 野球肘検診を少年球児全員に
臨スポ第28回学術集会 野球肘検診を少年球児全員に
2017.12.25
一般社団法人日本臨床スポーツ医学会(臨スポ)の第28回学術集会が11月18日、19日、都内で開催された。『文化の成熟を示すスポーツ医学―2020年に向けて』をテーマに、スポーツ庁長官・鈴木大地氏による招待講演など、3年後の東京五輪・パラリンピックを意識したセッションのほか、特別講演や教育講演、シンポジウムなどが多数行われた。
シンポジウム『こどもの肘を守る。少年野球における肘障害予防』は、近年、全国各地で実施されている学童期野球選手を対象とした野球肘検診について報告された。徳島大学運動機能外科学の松浦哲也氏は、症状が進行すれば選手生命が危ぶまれる肘離断性骨軟骨炎(肘OCD)は、初期で発見され保存的に修復した症例の予後は術後例よりも良いと解説。ただ、初期で症状を自覚するケースは少なく、野球歴や練習時間といったオーバーユースに関する因子との関連もみられないとして、肘OCDを確実に早期発見するには小学生高学年の全選手に検診を行うべきだと説いた。徳島での取り組みにも言及し、検診で発見された障害の大半は初期例であり、投球・バッティング中止を主体とした保存療法を行い90%以上が修復していると紹介した。奈良県立医科大学地域医療学講座の江川琢也氏は、平成23年から同県で計7回の検診を実施していると報告した。医師と理学療法士(PT)による一病院の事業として開始したが、マンパワーと経費面の問題に直面したため、NPO法人を立ち上げ、病院関係者以外からスタッフを募集し、企業等からも寄付金を募った結果、検診費用無料で実施できていると説明。回を重ねるごとに規模も拡大し、当初13人だったスタッフが、現在は医師11人、PT78人、臨床検査技師13人、柔整師4人、栄養士4人など計154人に増えたと話した。京都医療センター整形外科の中川泰彰氏は、平成23年から京都軟式野球連盟とタイアップして実施していたが、受診する選手の数が頭打ちとなったため、年に1回は検診を受けないと翌年の連盟主催の野球大会に出場できないとの規定を設け、検診を義務化して球児の障害を守っているとした。宮崎大学医学部付属病院の帖佐悦男氏や新潟リハビリテーション病院の山本智章氏、西別府病院スポーツ医学センターの馬見塚尚孝氏も加わった総合討論では、検診で障害発生を予防するのは難しいので、早期発見し、治療につなげることが主目的である点が確認された。
あはき等法制定70周年記念の集い 70年ひとつの節目、現状即した改正も
あはき等法制定70周年記念の集い 70年ひとつの節目、現状即した改正も
2017.12.10
「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」が今年で制定70年を迎えたことを祝し、11月5日、『あはき等法制定70周年記念の集い』が東京有明医療大学(東京都江東区)で開催された。主催は、鍼灸関連7団体で構成するあはき等法推進協議会(推進協)。
同法は、昭和22年12月20日に法律第217号として制定。当初は「あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法」であったが、数回の名称変更ののち、昭和45年に柔道整復師に関する部分が分離、独立した結果、現行の名称になった。 (さらに…)
レポート 米国・AIMCでのトリガーポイント鍼治療講義
レポート 米国・AIMCでのトリガーポイント鍼治療講義
2017.12.10
この度、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコにあるAIMC Berkeley(Acupuncture and Integrative Medicine College, Berkeley:バークレー鍼・統合医療専門職大学院)にて、痛み治療の一つである「トリガーポイント鍼治療」に関する講演をさせて頂く機会を得ました。 (さらに…)
第26回日本柔道整復接骨医学会学術大会 スポーツ後は「温めろ」
第26回日本柔道整復接骨医学会学術大会 スポーツ後は「温めろ」
2017.12.10
運動生理学の観点から
第26回日本柔道整復接骨医学会学術大会が11月3日、4日、『地域のゲートキーパーとしての柔道整復師―安心・安全な柔道整復の提供のために』をテーマに大阪市内で開催された。
札幌医科大学医学部細胞生理学講座の當瀨規嗣氏が、『新しい運動生理学―スポーツケアを中心に』と題して特別講演を行った。スポーツ後の身体の冷却は、疲労や痛みからの回復とは無関係であることが近年の研究で分かってきていると述べ、冷却はむしろ回復を遅らせると指摘。 (さらに…)
第11回JATIトレーニング指導者研修・交流会 リオ五輪女子バレーチームの栄養指導を解説
第11回JATIトレーニング指導者研修・交流会 リオ五輪女子バレーチームの栄養指導を解説
2017.07.25
国際学会、2018年までの開催を視野に
NPO法人日本トレーニング指導者協会(JATI)の第11回トレーニング指導者研修・交流会が昨年12月18日、東海大学高輪キャンパス(東京都港区)で開催された。
『リオ五輪に向けた全日本女子バレーボールチームのコンディショニング』として、管理栄養士で、同チームのほかに野球日本代表チーム『侍ジャパン』、野球の上原浩治選手や大谷翔平選手など、多くの一流選手のサポートを行ってきた大前恵氏が講演。同チーム発足1年目、2014年のワールドグランプリで日本が銀メダルを得た頃は、まだカロリー計算や試合中の水分補給が不十分で、「金メダルを取ったらこれが常識になってしまうかも」と危惧していたと明かし、食事と栄養指導の重要性を強調。▽体格やポジション、選手特性に合わせて目標体重・体脂肪率を設定し、十分な炭水化物・蛋白質を摂取、▽外で摂った食事も写真をメールで送らせて栄養を計算、▽練習中は計器を付けて消費カロリーを測定、▽試合中の消費カロリーが1000㌔㌍を超えると必ず30分以内に炭水化物を摂る、▽スナック菓子は禁止するが、定義は100㌘中10㌘以上が脂質のものとし、和菓子などは自由――といった取り組みを紹介した。女性選手の傾向として、筋肉を付けることを嫌がる、隠れて間食するなど管理が難しい一方で、制限をかける意義を一人ひとりが理解しさえすれば、継続して守る力には長けていると説明。特に若い選手では、身体が大きいこと、あるいは痩せることのメリットや、どういう食べ物が夢を叶えるために良いのかといった説明を丁寧に行い、早い段階で正しい食習慣を身に付けることが重要となるとした。
国際シンポジウムでは、JATIと提携関係を結んだ豪州及び英国のストレングス&コンディショニング協会から、それぞれエミリー・ノーラン女子アドバイザー委員長、ブリジット・スワレス副理事長が来日し、両国のトレーニング指導普及や、指導者の地位向上の取り組みについて語った。座長を務めたJATIの長谷川裕理事長は、各国の団体と関係を深め、アジアのトレーナーを集めた国際学会の開催を2018年初頭までに目指すとの展望を示した。
このほか、『打撃系格闘技種目におけるチームトレーニング』(大野隆成氏・岐阜市役所)など12の講演・実技が行われた。
WFAS Tokyo/Tsukuba2016 実行・運営委員会 「10年後の実行委員会に残すべき事柄」総括
WFAS Tokyo/Tsukuba2016 実行・運営委員会 「10年後の実行委員会に残すべき事柄」総括
2017.02.25
鍼灸界の結束、次のステップへ
昨年11月5日、6日、23年ぶりに日本で開催された鍼灸の国際学会、WFAS Tokyo/Tsukuba2016を締めくくる総括の場として、2月5日、実行・運営委員会が東京都内で行われた。「10年後の実行委員会に残すべき事柄」を議案として大会を振り返った。
各種調査では、大会来場者から「現在の日本鍼灸を知る上で大変意義のある大会」「多くの海外の方も興味深く見学されていた」と実技を中心に好意的な評価が寄せられた一方、来場者やスタッフから「演者を増やし過ぎて一人当たりの講演時間が短い」「スタッフの負担配分が偏った」といった指摘もあった。また、「中国の演者が、血液が付着した酒精綿を再度使用した」「線香を持参して着火した演者がいた」などのトラブルも挙げられた。形井秀一副会頭は、フランスの団体間で起きた衝突を報告。同国の法律では鍼灸施術は医師が行う一方、EU法の加盟国の事情を反映する原則から非医師系の鍼灸関連団体も存在し、両者が参加していたという。形井氏は「他国に介入はできないが、事前に関係を知っておけば柔軟に対応できる」と、参加者の事情に通じておくことを呼びかけた。
なお、大会後に発売された、全実技セッションの様子を収めたDVDは既に2百枚以上を製作したといい、今後も長期的に受け付けていくとされた。
第20回日本統合医療学会 柔整師に「エコー」の使用を推奨
第20回日本統合医療学会 柔整師に「エコー」の使用を推奨
2017.02.10
擦過鍼、認知症の症状改善に有用
第20回日本統合医療学会が昨年12月23日から25日まで、東北大学医学部星陵キャンパス(仙台市青葉区)で開催された。テーマは『統合医療に科学の光を日本から』。
シンポジウム『医業類似行為・相補代替療法の社会化に向けて―現状と課題』の演者のうち、鍼灸・柔整業界からは東京有明医療大学保健医療学部柔道整復学科の山口登一郎氏と森ノ宮医療大学保健医療学部鍼灸学科の坂部昌明氏が登壇。 (さらに…)
鍼灸学会Tokyo 平成28年度 第3回研修会 筋膜性疼痛をエコーで評価
鍼灸学会Tokyo 平成28年度 第3回研修会 筋膜性疼痛をエコーで評価
2017.01.25
「臨床的触診」も指南
鍼灸学会Tokyoの平成28年度第3回研修会が昨年12月4日、東京大学医学図書館(東京都文京区)で開催された。
鍼灸師、理学療法士(PT)で、治療院や介護事業所などを運営する株式会社ゼニタの代表取締役社長・銭田良博氏が『筋膜性疼痛症候群の病態とエコーによる客観的評価、鍼治療の実際―2』と題して講演した後、超音波画像観察装置(エコー)のデモンストレーションを行った。
銭田氏は、筋膜性疼痛症候群(MPS)とはレントゲン、CT、MRIには映らないが、エコーで確認できる、筋膜に原因がある疼痛の総称であると概説。筋膜にはポリモーダル受容器など痛みを感じるレセプターがあり、体の「使い過ぎ」「使わなさすぎ」「誤った使い方」などに起因する筋膜の変性によって疼痛が生じると説明した。筋膜の変性はエコーで見ると、慢性痛の場合は筋膜の白い線状が厚くなっていることが多く、急性痛の場合は筋膜の不連続が見られるとした。
筋膜に限らず、内臓を取り巻く髄膜・胸腹膜、靭帯や腱などの膜様の組織も同様の疼痛発生源であり、これらを包括するFascia(ファッシア)という概念を提唱。自身が役員を務め、医師、PT、鍼灸師など多職種で構成されるMPS研究会では現在、ファッシアの疼痛の評価法「発痛源評価」の確立を進めるとともにファッシアの適切な訳語を模索していると述べた。
ミリ単位で探る指先を
また、層構造であるファッシアへのアプローチ法として「臨床的触診」を紹介した。経絡、経穴、筋の起始・停止といった平面的な位置関係だけでなく、解剖学的知識に基づく、「深さ」を意識した三次元的な触診が重要であると強調。痛みの発生源を解剖学的に明らかにした上で、患者が圧痛を訴える深さをミリ単位で探り、刺入する深さなどを決めていると話した。
銭田氏はエコーについて、治療時に利用するだけでなく、触診で得た所見や選択した治療法が正しいかどうかを客観的に確認することで、触診技術の精度を高めていけるものであると説明。治療家の指先は極めれば極めるほど、エコーに勝るとも劣らないプローブになると語った。
デモンストレーションではエコーの使用方法に触れた後、足関節の底背屈による前脛骨筋の動きなどから、膜よりも下で筋線維が動く様子などを見せ、動脈、静脈、神経を観察できるといった機能も実演した。