『お灸フェス』、杉山和一縁の地で 一般参加者交え講談やお灸体験
2019.11.10
東京都鍼灸師会主催の『お灸フェス』が9月23日、東京都墨田区の江島杉山神社で開催された。同フェスは「お灸を通じて鍼灸の良さを知ってもらいたい」と、鍼灸師にとどまらず一般の参加者も募るイベントで、今回で4回目となった。同神社では、管鍼術を考案し、世界で初めて盲人教育に取り組んだ杉山和一検校とともに弁財天が祀られている。参加者らは特別に開放された本殿で、鍼灸講和やお灸体験、講談を楽しんだ。
鍼灸講和の演者として、元呉竹医療専門学校教員の古海博子氏が登壇した。東京都鍼灸師会が東京マラソンのランナーのケアに利用している、パイオネックスによる「3点刺鍼」を紹介。①圧痛点・硬結を特定し、硬結端に第1点を取る、②第2点は硬結の他方の端を取る、③第1点と第2点から対角に第3点を決めて正三角形を形成させる、といった手順やコツを解説した。
講談は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』の森雪役や『シティーハンター』の野上冴子役の声優としても知られる講談師・一龍斎春水氏が、『杉山和一苦心の管鍼』と題して一席を披露した。
一般参加者も「鍼灸と和一広めたい」
ボランティアで墨田区の観光ガイドをしているという60代の女性は、「子どもの頃は祖母のお手伝いで、よくもぐさを捻っていました」と語った。女性は、地元の住民ですら和一を知らない人が多いと指摘。今後は「鍼灸の良さと和一の功績を広めていきたい」と言い、現在、海外からの旅行者へのガイドも目指して英会話を習っているので「外国の方にも知ってもらいたいですね」と笑っていた。「日本舞踊をやっているので芸事の神様の弁財天にお参りに来たら、たまたまイベントのチラシを見つけて」と、20代の女性。お灸に興味はあったが体験したのは初めてとのことで、「これからはお灸をセルフケアに使いたい。鍼灸院にも行ってみたい」と話していた。