Q&A『上田がお答えいたします』 今後の療養費検討専門委員会の開催予定や議論の内容について
2019.07.10
Q.
柔整、あはきともに療養費検討専門委員会がしばらく開催されていませんね。今後の開催予定と予想される議論の内容について解説してください。
A.
今後、療養費検討専門委員会は8月頃に開催される予定で、消費増税分の対応をどうするのかという議論が主体になることが想定されます。仮に消費税引き上げが見送られたならば、専門委員会も開催されません。引き上げについては、「従来通り医科の半分」という低次元な取り扱いだけは御免こうむりたいところですね。
その後のスケジュールは全く見えていませんが、専門委員会は療養費の適正化、簡単に言えば抑制策・目減り策・嫌がらせの方策作りを主眼とすることから、開催されない方が業界にとってはよろしいのです。事実、今までの専門委員会の議論を経て実施された方策は全て、療養費の圧縮・抑制につながっています。それが顕著に表れたのが2018年度の諸通知・事務連絡でしょう。これにより、療養費は今後も伸びることはなく、衰退、絶滅する方向性が構築されてしまったのです。いずれにしても、消費税に関する議論以外には緊急性のあるテーマがありませんから、その次は来年6月の料金改定に向けた開催を待つことになります。2018年度までに実施された諸施策の実績報告を行い、若干の積み残しを議論した上で料金の改定率を決めていくことになるのでしょうが、それは来年の話。議論の積み残しといっても、あはき療養費ではほとんどの抑制策が実行されていますから、強いて言えば都道府県あはき療養費審査会の設置とその運用、また、施術管理者を柔整と同様に仕切る、公益財団法人東洋療法研修試験財団における研修の受講のための根回しの議論が想定されます。柔整の研修は希望者がまともに受講できないほどのていたらくですが、あはきもこれに倣って行うというのであれば、あまりにも無策過ぎるでしょう。柔整の専門委員会での今後の論点は明確で、①患者の毎日署名、②1部位目からの負傷原因の記載、です。
「高額医療は共助により保険対応、一方、低廉・安価な医療は自助としてポケットマネーで!」というのがこれからの社会保障の基本姿勢であることは、財政制度等審議会の議論を待つまでもなく周知の事実です。専門委員会の議論に明るい材料はありません。
【連載執筆者】
上田孝之(うえだ・たかゆき)
全国柔整鍼灸協同組合専務理事、日本保健鍼灸マッサージ柔整協同組合連合会理事長
柔整・あはき業界に転身する前は、厚生労働省で保険局医療課療養専門官や東海北陸厚生局上席社会保険監査指導官等を歴任。柔整師免許保有者であり、施術者団体幹部として行政や保険者と交渉に当たっている。