連載『食養生の物語』88 生命に不可欠な塩

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投稿日:2020.09.25

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 「敵に塩を送る」とは、戦国時代に上杉謙信が敵対関係にあった武田信玄に塩を送って苦境から救った逸話に由来する言葉。塩が活力の源であることの表れでもあります。英語で塩はsalt。給料を意味するsalaryと共にラテン語のsal(塩)に由来します。日本でも平安時代の官吏の給料が塩で支払われていたそうです。塩は生きていく上で不可欠なものと考えられてきたのですね。陰陽五行で生命力を主る「腎」を養うのは「鹹」、塩のこと。塩分が過不足なく補われることが大切だと考えられています。生命は、30億年前に海の中で誕生したもの。私たちの細胞レベルで、細胞外液が海水とよく似た成分で満たされているのはその名残と考えられますし、アトピー性皮膚炎の人が海水浴に行くことで改善するといわれるのも納得いきます。

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