短期連載『鍼灸教育 復興への道』第3回 専門職大学院の設立で医療の一翼を担う人材を

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投稿日:2024.01.25

あはき連載

 現行の鍼灸教育において、非常に違和感を覚えるものの中に、中医学中心の「東洋医学概論」があります。「日本鍼灸」は徒弟的な修練が必要な一方、「中医学」は理論重視で、新人教員でも教えやすい。しかし、中医学の弁証法で導き出した諸穴に、本来なら太くて長い中国針を刺して得気から捻転等の補瀉をする治療であるにもかかわらず、ディスポの細い毫鍼を中国針の代用としている状況です。これでは全く意味がありません。

 その証拠に、業界誌『医道の日本』(既に休刊)において平成の始めから実施されていたアンケート調査のなかで、中医学で学んだ鍼灸師の激増と反比例して、「中医学で治療している」と回答した者の人数が「9%→6%→3%」と10年ごとに減少していました。また、全日本鍼灸学会も「日本鍼灸回帰」を宣言したとおり、急に導入された中医学が消化不良を起こしており、現在の鍼灸低迷を引き起こしたと思われます。中国針を使わずに得気も無視して、ディスポの毫鍼を補瀉もなく、「ただ刺すだけ」といったあきれてしまいたくなるようなこの実態とは一体何なのでしょうか。

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