連載『中国医学情報』210 PCOSの不妊症に対する鍼治療―薬物治療とのランダム化比較ほか

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投稿日:2022.09.09

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今回の内容
・PCOSの不妊症に対する鍼治療―薬物治療とのランダム化比較(上海鍼灸雑誌、2022年2期)
・自覚的耳鳴に対する灸頭鍼併用治療―灸量差によるランダム化比較(上海鍼灸雑誌、2022年3期)

☆PCOSの不妊症に対する鍼治療―薬物治療とのランダム化比較

 浙江中医薬大学・魏慧俊らは、米国医師会雑誌(JAMA)で無効と報告(注)された多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊症患者に対する鍼治療の効果を、現代薬物治療と比較した(上海鍼灸雑誌、2022年2期)。
 対象=同大付属病院外来の100例。これをランダムに鍼群・薬物群の各50例に分けた。鍼群は平均年齢28±6歳・平均罹患期間2.83±0.78年、薬物群は平均年齢27±6歳・平均罹患期間2.79±0.88年。治療法=3月経周期を1クール、計2クール治療。
<鍼>①取穴―主穴:関元・三陰交・命門・腰兪。卵胞期(月経周期開始後8~12日):気海・子宮(奇穴)・太渓。排卵期(月経周期開始後13~15日):中極・合谷・卵巣(耳穴?)・血海。黄体期(月経周期開始後16~28日):肝兪・腎兪・脾兪。②操作―0.25×40mmの鍼で直刺20~25mm、反復提挿捻転法。得気が、関元・気海・中極は会陰方向に放射、命門は子宮方向へ放射。その後置鍼30分間(10分ごとに行鍼1回)。卵胞期・黄体期は2日1回、排卵期は毎日1回、月経期は刺鍼しない。
<薬物>排卵誘発薬Clomiphene citrate 50mgを、月経第5日から連続5日間服用。

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