連載『中国医学情報』196 武漢で重症新型コロナ肺炎患者17例に鍼併用治療(中国鍼灸)ほか

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投稿日:2021.07.09

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今回の内容
・武漢で重症新型コロナ肺炎患者17例に鍼併用治療(中国鍼灸、21年5期)
・乳癌術後のリンパ浮腫60例で常軌治療と灸頭鍼併用治療とをランダム化比較(上海鍼灸雑誌、19年6期)
・脊髄損傷による尿失禁67例で常軌治療と鍼併用治療とをランダム化比較(上海鍼灸雑誌、19年6期)

☆武漢で重症新型コロナ肺炎患者17例に鍼併用治療

 広州中医薬大学第二付属病院・尹鑫らは、武漢雷神山病院の重症COVID-19に鍼治療した経験を報告(中国鍼灸、21年5期)。
 対象=17例:男8例・女9例、41~81歳・平均62±13歳、入院時発症時間8~66日・平均24.8±16.1日。いずれも重症(呼吸数:≧30回/分、SpO2:≦93%、PaO2/FiO2:≦300mmHg、胸部画像24~48時間内病巣進展:>50%)。基礎疾患:高血圧8例・冠性心疾患6例・糖尿病5例・脳血管疾患3例。
 治療法=<基礎治療>採血、CT検査、呼吸管理、現代医薬治療。
<鍼治療>①主穴―太渓・代謝穴(下腿内側正中線・内果上8寸・脛骨内側後縁、肝経との交会点)・止喘穴(前腕掌側・曲沢と大陵との連線上・腕横紋と肘横紋との連線で上から1/3)。②配穴―発熱に曲池・合谷、痰濁に豊隆、胸悶に内関、周身酸痛(だるく痛い)に外関を追加。③操作―0.25×40mmのディスポ鍼で直刺10~20mm。深度は鍼下の「気至る感覚」で調整。補法:提挿補法を主とし鍼下得気、捻転を配合、置鍼約2分間。瀉法:鍼下得気、軽挿重提(軽く刺入し強く引き上げる)、捻転角度大、時間やや長く、その後素早く抜鍼。虚実挟雑の患者には、平補平瀉法、得気を限度とする。入院期間中は毎日1回治療。
<中薬治療>①虚証―主方の四逆湯を加減。②実証―麻杏甘石湯、大柴胡湯加減など。
 結果=17例の平均入院期間は15日、うち3例は危険状態となりICUに転科、その他は退院。自覚症状は、著効8例・有効6例・無効3例。CT検査は7例が改善。8主要症状(発熱・乾咳・乏力・気促[息切れ]・胸悶・咳痰・口乾・食欲減退)の消失率は50~75%。

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