1年以内の施術利用率「14.5%」、リクルート社の2025年あはき柔整実態調査から
2025.07.29
投稿日:2025.07.28
第75回日本東洋医学会学術総会が6月6日から3日間、京王プラザホテル(東京都新宿区)にて開催され3,360人が足を運んだ。テーマは『東洋医学のエビデンス―漢方・鍼灸の実力と未来』。
会頭講演では久光正氏(昭和医科大学名誉教授)が同大学で初めて本格的に東洋医学研究に取り組んだ武重千冬氏(同大学医学部生理学講座2代目教授)の成果を振り返った。武重氏の研究は1971年の鍼麻酔のニュースが契機となり、メカニズムの生理学的解明に着手したことに始まる。
「催眠でなければ動物にも効果がある」との観点で、当時進行中であった動物催眠との異同性の検証を皮切りに、ツボの認知は浅かった中、全身の電気抵抗の測定により足三里相当部位の特異性を確認。鍼通電実験を行い鍼麻酔の有効性を示した。また、鎮痛の継続性から神経性と体液性因子によること、下行性痛覚抑制機構の関与、動物の種により無効群が存在することなどを発表し、世界で評価を得たと誇らしく語った。
自身の研究としては、瘀血を血液の問題であるという観点から、ラットの特定部位への鍼通電で血液流動性や血小板凝集能の改善ができると示したほか、今大会で瑞宝中綬章叙勲記念講演を行う寺澤捷年氏(富山大学名誉教授)により考案された「瘀血の判断基準」にある「舌の暗赤紫色化」等の症状を、血液流動性との相関性から検証し有効な項目であると示した。久光氏は「東洋医学のエビデンスは歴史の中での実績や文献、口伝なども含む広義なものと考えたい。伝統の英知と現代の科学の融合により生活の質の向上に貢献できると信じている」と結んだ。
久光正氏
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