連載『柔道整復と超音波画像観察装置』237 変形性膝関節症の治療評価における 超音波画像診断の有用性について

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投稿日:2024.12.21

柔道整復連載

宮嵜潤二(筋・骨格画像研究会)

 変形性膝関節症(膝OA)は中高齢者に多く見られる慢性関節疾患であり、軟骨の変性、滑膜炎、関節液の増加などが特徴である。従来の放射線診断法は骨構造の評価には優れるものの、軟部組織の変化や炎症の早期検出が困難である。MRIは精度が高い一方でコストや利用可能性に制限があり、これらの代替として注目されているのが超音波画像観察装置である。本レビューでは、超音波による膝OAの診断と治療モニタリングの有用性について、近年の研究を基に評価する。

1.軟骨評価
 超音波検査による大腿骨軟骨の評価では、OA群で有意な菲薄化が認められた。Paneらの研究では、OA群(1.49~1.63mm)が健常群(1.68~1.87mm)と比較して薄く(P<0.05)、特に内側顆部での差が顕著であった。Piccoloらの研究ではMRIとの高い相関(r=0.82~0.96)が報告された。

2.滑膜評価
 Jiangらの3,755名を対象とした研究では、滑膜肥厚(≥4mm)の有病率は18.1%(男性20.2%、女性16.5%)と報告された。滑膜異常と膝痛の関連について、調整オッズ比は2.39(95%CI: 2.00~2.86)と関連を示した。Okanoらは、グレースケールとパワードプラ法の併用による滑膜炎の活動性評価の有用性を報告し、特に治療効果判定における意義を強調している。Panらの研究では、滑膜増殖の検出において94.92%の感度を示した。

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