第32回日本柔道整復接骨医学会学術大会 国際展開、国試、教育など多様に議論

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 日本柔道整復接骨医学会(安田秀喜会長)の第32回学術大会が昨年12月2日、3日に名古屋市内で開催された。大会テーマは『臨床と学術の融合―Head, Neck&Trunk ver.』。

柔整普及事業ベトナムで始まる

 国際医療技術財団理事長の小西恵一郎氏は日本とベトナムの2国間で展開しているベトナムにおける柔整技術の普及事業について解説。現在、ベトナムの医師は大きく西洋医師、伝統医師に分かれており、医学部5年時にどちらか選択して専門的に学ぶのだという(おおよそ西洋医学7、伝統医学3の割合)。

 そもそも本事業は、平成28年にベトナム保健省副大臣がベトナムの医師たちに日本の柔整技術を紹介して欲しいと小西氏に要請したのが始まり。翌年にはベトナムで国際セミナーが開催され、医師や多くの官僚がこれに参加したと説明した。参加者は外傷の手技治療や骨折・脱臼の整復法と固定法など、薬物や外科的手術を必要としない手技療法に特に興味を示し、ベトナム国立伝統医学病院や医科大学でのトレーニングコースや講座の開設といった要望も挙がったとした。

 一方で、ベトナムへ柔整技術を持ち込むことの難しさもあると言及。柔整師という職種を新設するには新法や新制度が必要となり、ハードルが高く時間もかかることから、伝統医師に対して教育・普及する方針に決まったと説明した。

 昨年10月からベトナム人伝統医師が来日し、接骨院や整形外科クリニックで実地研修を行っており、引き続き継続する予定だと語った。さらに、日本人柔整師のベトナム派遣も決まっており、2月より随時実施予定だとした。当日はベトナムの国立伝統医学病院や医科大学からも関係者が訪れ、都市部だけでなく、地方での普及にも期待しており、将来の治療選択性と患者利益につながればと展望した。

小西恵一郎氏

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