【経絡治療対談――基礎理論の統一化を図ろうとする動きがある今】第3回・岡部系と井上系がともに取り組むべきこと

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投稿日:2021.07.09

あはき学術・教育

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 一度は袂を分かった岡部系の経絡治療学会と井上系の日本鍼灸研究会。今、両者が連携し、日本で生まれた伝統鍼灸「経絡治療」の基礎理論の統一化を図ろうとしている。その背景にあるのは「伝統鍼灸が途絶えつつあるのではないか」という危機感だという。ビジュアル重視ではなく、経絡を重視した治療を取り戻す――。経絡治療学会会長の岡田明三氏(写真右)と日本鍼灸研究会代表の篠原孝市氏(同左)はそう意見を一致させているが、具体的にどんなことから共同でやっていくのだろうか。(鍼灸ジャーナリスト・山口智史)

――それぞれ治療法に特徴がある岡部系と井上系が一緒にやっていくにあたっては、共通項を探る必要があると思います。最大の共通点はどんなところになりますか。

岡田 脈診を中心とした経絡の補瀉であるという理解は、経絡治療学会と日本鍼灸研究会ともに共通していると思います。
篠原 経絡治療の出発は「経絡をどうやってとらえるか」です。そのために六部定位脈診と流注を重視し、経絡治療創成時の問題意識に沿って病証や脈状も考慮し、病態像である証を立てて治療を行う。それが伝統を引き継ぎ、経絡治療を実践している両会で共通しているところでしょう。

――業界全体をみれば、脈診を重視しない、あるいは、脈診を行わないスタイルもあるようですが……。

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