連載『中国医学情報』191 麦粒腫の痛みに鍼治療―現代医薬と刺絡併用治療のランダム化比較(中国鍼灸)ほか

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投稿日:2021.02.10

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今回の内容
・麦粒腫の痛みに鍼治療―現代医薬と刺絡併用治療のランダム化比較(中国鍼灸、20年8期)
・子宮腺筋症による月経困難症の鍼治療法(中国鍼灸、20年8期)

☆麦粒腫の痛みに鍼治療―現代医薬と刺絡併用治療のランダム化比較

 天津市第一中心病院中医科・喬紅偉らは、眼科と協同で麦粒腫患者の疼痛で、常軌眼科治療単独と刺絡治療併用の効果を比較(中国鍼灸、20年8期)。
 対象=108例。これをランダムに現代薬群・刺絡A群・刺絡B群各36例に分けた。各群とも脱落者があり、最終的に①現代薬群31例:男13例女18例・6~55歳・平均(23±13)歳・平均罹患期間(1.5±0.9)日・軽度3例・中等度28例、②刺絡A群32例:男17例女16例・6~56歳・平均(26±13)歳・平均罹患期間(1.7±0.9)日・軽度7例・中等度腹水25例、③刺絡B群34例:男18例女16例・6~58歳・平均(25±12)歳・平均罹患期間(1.4±0.8)日・軽度5例・中等度29例。
 治療法=全群とも連続3日間治療。
<薬治療>全群に点眼薬レボフロキサシン(毎日4回)・外用薬レボフロキサシン塩酸塩ゼリー(毎日1回)の常軌西医眼科治療。
<刺絡治療>①取穴―耳尖穴。②操作―患側を刺し出血後、刺絡A群は軽く約3滴(50μL)・同B群はその倍量を搾り、ガーゼで1~2分間按圧し止血。毎日1回。
 観察指標=疼痛をVAS(視覚的アナログスケール)で評価(0が無痛、10が最激痛)。
 臨床評価基準=4日目に評価。「治癒」:治療3日以内に臨床症状消失、正常状態に回復、「好転」:3日以内に明らかに症状が寛解、「無効」:以上の基準に達しないもの。なお8日目にも状態を確認。
 結果=不良反応はなし。
臨床効果は、①現代薬群31例:治癒16例・好転15例・無効0例・治癒率51.6%。②刺絡A群32例:治癒23例・好転9例・無効0例・治癒率71.9%。③刺絡B群34例:治癒26例・好転8例・無効0例・治癒率76.5%。
 VAS(前→後)は、①現代薬群:4.00→2.00、②刺絡A群:4.00→0.00、③刺絡B群:4.00→0.00。
 発症後1週間の再診で、刺絡群は全例治癒、現代薬群は未治癒1例あり手術により治癒。

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