連載『中国医学情報』190 肝硬変の腹水に温灸併用治療―薬物単独群とランダム化比較(上海鍼灸雑誌)ほか

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投稿日:2021.01.08

連載

今回の内容
・肝硬変の腹水に温灸併用治療―薬物単独群とランダム化比較(上海鍼灸雑誌、20年8期)
・精索静脈瘤による男性不妊の鍼治療法をランダム化比較(上海鍼灸雑誌、20年8期)
・肺癌化学療法患者に対する知熱灸治療の効果―ランダム化比較(鍼灸臨床雑誌、20年6期)

☆肝硬変の腹水に温灸併用治療―薬物単独群とランダム化比較

 河北省唐山市伝染病病院・王秀玲らは、B型肝炎から肝硬変となり腹水を伴う患者で、常軌内科治療単独と灸治療併用の効果を比較(上海鍼灸雑誌、20年8期)。
 対象=70例(男41例・女29例)。これをランダムに灸群・薬群各35例に分けた。灸群:平均(57±8)歳・平均罹患期間(3.90±1.01)年・中等度腹水17例・重度腹水18例。薬群:平均(58±8)歳・平均罹患期間(3.56±0.98)年・中等度腹水16例・重度腹水19例。
 治療法=毎日1回・連続4週間治療。
<薬治療>両群とも抗ウイルス薬・利尿薬などの常軌西医内科治療。
<灸治療>①取穴―『神応経』の治水四穴:復溜(左右)・神闕・陰陵泉(左右)・腎兪(左右)。②操作―生薬末(茯苓・白朮ほか)をショウガ汁で直径2cmの薬餅にしてツボに置き、棒灸で各穴5分間温灸。
 観察指標=①中医症状評価:腹満・食欲・疲労感・脇痛・黄疸、②生化学検査:ALT(GPT)、AST(GOT)ほか、③体重・腹囲・尿量・腹部超音波検査。
 結果=臨床効果は、灸群:治癒5例・著効20例・有効8例・無効2例・総有効率94.3%、薬群:治癒1例・著効7例・有効18例・無効9例・総有効率74.3%。
 ALT(GPT)(U、前→後)は、灸群:63.21±11.07→20.05±3.15、薬群:61.92±10.92→40.07±6.27。
 AST(GOT)は、灸群:60.17±10.27→21.08±3.72、薬群:59.88±9.92→39.35±6.36。
 腹囲(cm)は、灸群:100.58±5.88→83.18±3.72、薬群:99.85±5.69→91.38±4.20。
 24時間尿量(mL)は、灸群:1568.78±321.56→2547.57±356.37、薬群:1557.87±324.89→2004.87±346.04。

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