連載『食養生の物語』136『ストレスに負けない食べ方』
2024.09.20
「食欲の秋」がやってきました。この季節に食欲が増すのは、実は動物的な本能。寒い冬には収穫できる食材が限られてくるので、その前にエネルギーを蓄えようとします。さらには、36度から37度という体温に近い夏の気温から、冬には体温と外気温との差が開くために体温を維持するのにもエネルギーが必要。野生動物が冬眠するのもこれゆえです。
私たちはストレスが続くと食欲が増したり、甘いものが欲しくなったりすることもあります。これも身体にとっては自然なこと。カナダの生理学者ハンス・セリエによる「ストレス学説」では、外部から刺激を受け体内で起こる歪みに対する非特異的反応をストレスと考え、自律神経のバランスが崩れ、ストレスホルモンが分泌されると解説しています。一時的に食欲が増したり、食欲不振になったりするのもこのためです。 (さらに…)