レポート YNSA(山元式新頭鍼療法)米国セミナー報告
2020.01.24
―アメリカ西海岸「初」、盛況に―
我が校、鍼・統合医療バークレー専門職大学院(Acupuncture and Integrative Medicine College, Berkeley/カリフォルニア州バークレー市/理事長:後藤修司 学長&CEO:田中康夫)では昨年11月22日から24日までの3日間にわたり、山元式新頭鍼療法(YNSAR)のセミナーが開催されました。世界的な知名度を誇るYNSAですが、アメリカにおいては、2007年5月にハーバード大学大学院にて創始者の山元敏勝医師が招待講演をされて以来のことであり、また、アメリカ西海岸では初のYNSAセミナーということもあって、関係者の間で大きな反響を呼びました。フロリダ州や遠く日本からの参加者もいて、最終的には、受講生は当初の定員を大きく上回る25名となり、大盛況の中、熱心かつ真剣な技術指導が展開されました。
セミナー講師は、YNSA学会事務局長の冨田祥史先生。大阪の治療院より、はるばる駆けつけていただきました。時差調整に苦戦しながらの3日間のセミナー指導でしたが、関西スタイルの洒落も受講生に大いにウケ、笑いを交えた独自の技術指導は、アメリカ人受講生一同から絶大な評価を得ていました。セミナーが終了する前に、早くも来年度のセミナー開催への要望が数多く寄せられ、現在、その計画が進んでいます。
「薬理療法以外のケア」研修等、全米の病院で義務化
YNSAは、脳神経疾患やパーキンソン病及び、急性・慢性疼痛の症状緩和に顕著な効果をもたらすことで、世界レベルで広く知られています。疼痛治療の分野においては、アメリカでは疼痛緩和に使用されるオピオイドによる中毒死が相次ぎ、深刻な社会問題化していることは周知の通りです。本年度、トランプ大統領による緊急大統領令が発令され、オピオイド対策は医療界での緊急課題に指定されました。また、「薬理療法以外の疼痛ケア」については、全米の各病院で、研修・勉強会が連邦レベルで義務化されており、当校の講師も、カリフォルニア州立サンフランシスコ大学付属小児病院(UCSF Benioff Children’s Hospital)からの要請を受け、同病院のレジデント(研修医)を対象とした鍼による痛み治療について講義を行っています。
このような大きなトレンドの中、さらには、メインストリーム医療への参画という大きな課題の達成に向けて、今回の冨田先生によるアメリカ西海岸初となったYNSAセミナーは、アメリカにおける慢性疼痛の治療において、とても重要な「一石」、そして「起爆剤」になることでしょう。(AIMC学長&CEO 田中康夫)




