NPO法人介護予防研究会 介護予防事業でセミナー開催
2018.09.10
―三谷氏「総合事業、キャパシティー膨大」―
NPO法人介護予防研究会・鍼灸柔整稲門会らによる、介護予防事業に関するセミナーが7月29日、東京都内で開催された。テーマは『柔道整復師・鍼灸マッサージ師にとっての集客と収益を兼ね備えた新たな戦略』。
講師を務めた同研究会外部理事の三谷誉氏(柔整師、鍼灸マッサージ師)は、地域包括ケアシステムを推進する国の動向を踏まえた上で、今後、治療家にとって療養費、自費、総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の「三つの歯車」の相乗効果が重要になると提唱した。
平成27年末、ケアマネジャーの会議の場で、『急性症状の改善は以前のADLに戻る鍵』として、柔整師の往療によって腰部打撲に対する後療法、運動指導を実施した症例を紹介し、訪問リハビリや訪問看護、通所リハビリとの費用比較、その地域における施術所の数なども取り上げたところ、「こんなことが出来るなら早く言ってくれ」など大きな反響を得たほか、他職種からの問い合わせも相次いだと説明。地域医療の連携に参画し、面識を広げると共に、何ができるのかを周知することで信頼が得られるとした。
総合事業については、訪問型サービス、通所型サービスのいずれにおいても、法人格が必要かどうか、生活相談員が必要かどうかなど、まず各自治体の基準を調べることが必要だと説明。愛知県内で通所型サービスを運営する三谷氏の場合、施設に必要な設備を確かめるため、市役所や消防署に確認に赴いて意見を聞き、誘導灯を設置したといった経験に触れた。また、市役所への申請では修正を指示され差し戻されることも多いが、素直に指示に従って再提出を続ければ、数回で問題なく認可されるため焦る必要はないといったアドバイスも行った。三谷氏は、今後、要支援指定を受けた国民のほとんどが総合事業を利用することになり、キャパシティーは膨大なものがあると説明。総合事業への参画は長期的な安定経営につながると呼びかけた。
「認定鍼灸師・機能訓練指導員」養成講座、スタート
実務経験6カ月の要件を研修で
NPO法人介護予防研究会では、機能訓練指導員として介護施設等で働くことができる鍼灸師を養成する『認定鍼灸師・機能訓練指導員養成講座』を始める。
鍼灸師が機能訓練指導員と認められるためには、鍼灸師以外の機能訓練指導員を配置する施設・事業所に6カ月以上勤務し、機能訓練指導に従事した経験が必要。同会では、「既に鍼灸師として勤務・開業している者が働きながら要件を満たすことは困難」との声に応え、通信講座及び2日間のスクーリング(面接授業)を受けた鍼灸師に対し、原則最低週1回以上・6カ月間の実地研修を行い、現場の管理者の修了評価を経て、「機能訓練・認定鍼灸師」として認定する制度を創設した。厚労省の許可を受けて、10月より開講する計画。実地研修は同会が認定した機能訓練型デイサービスにおいて行うものとしており、当面は東京の事業所での研修を予定する。
受講対象者は鍼灸師、鍼灸学生(実地研修は有資格者のみ)。受講料は15万円(テキスト・実地研修費用込み、分割払い可能)。申込み・問合せは同会(TEL 03-3909-8031、FAX 03-5963-8132)まで。