第1回健康回復フォーラム『かがやき』
2018.08.10
―パラアスリートらが登壇 障害の特性知って―
一般社団法人日本健康回復協会(藤本斉理事長、JHRA)の「第1回健康回復フォーラム かがやき」が7月8日、東京都内で開催された。
衆院議員で2020年東京オリンピック・パラリンピック大会推進議員連盟事務局長の馳浩氏が基調講演を行った。健常者、障害者を問わずスポーツを楽しむことで理解を深め合う「ユニファイドスポーツ」を紹介。鍼灸マッサージ師や柔整師はその場を支える側に立ってほしいと訴えた。また、2年前に痛風を患った際には「スポーツに関わる人間がこれではいけない」と反省したと説明。健康になった今も週5回、1日1時間程度の運動を行っていると述べ、治療家もスポーツに携わるのであれば、そのぐらいの意識を持つべきだと呼びかけた。
パネルディスカッション『障害者アスリートの現状と代替医療との接点―東京パラリンピックに向けて、代替医療が出来る貢献とは?』は藤野好正氏(ふじの整骨院院長、リオパラリンピック視覚障害者柔道帯同トレーナー)、門田正久氏(理学療法士、日本障がい者スポーツ協会強化委員)、廣瀬誠氏(同パラリンピック視覚障害者柔道銀メダリスト)、三浦浩氏(同パラリンピックパワーリフティング5位入賞)が登壇した。藤野氏は、視覚障害者と一口に言っても、夜は一人では全く行動できない人、逆に昼間の野外は明る過ぎてつらい人というように様々であると解説。一人ひとりの特性を知った上で接していかなければならないと話した。門田氏は、日本障がい者スポーツ協会の認定資格「障がい者スポーツトレーナー」は毎年定員割れが危惧されるほど応募が少なかったが、東京パラリンピックの開催が決定した途端に激増したと指摘。中には「ハクをつける」ためだけに資格を取ろうとしている者もいるとして、本当にスポーツが好きで支援をしたいという志のある人物を求めると呼びかけた。廣瀬氏は、視覚障害者柔道の練習環境は年々改善されてきているが、一方でサポートしてくれる人たちの負担が大きくなっていると指摘。自分は競技を引退したが、スポーツで培った「人間力」を社会に還元すべく、今後は選手の強化などに尽力したいと語った。三浦氏は、自分の場合、競技直前に鍼などで筋を緩められるのは困ると解説。トレーナーは一方的に自分の意見を押し付けないでほしいと述べ、競技特性と障害の特性を併せて知ってほしいと訴えた。
ほかに、鍼灸・柔整専門学校の生徒を対象に、接骨院や鍼灸院を運営する企業らによる就職説明会「就職フェスタ」が行われた。