『ちょっと、おじゃまします』 ~身体への負担の少ない治療が患者さんの利益に~ 大阪府東大阪市<アユカ鍼灸整骨院>
2018.11.25
談昌亮先生が医道を志した背景にある光景は、家業の傍ら、脳性小児麻痺に苦しむ弟の介護をする両親の姿。内科医の親戚の「鍼灸はこれから認知されていく、伸びる治療」とのアドバイスもあり、鍼灸師の道を選びました。
免許取得後に就職した鍼灸整骨院では、院長の方針で思うような治療ができずに悩むことも。先輩と共に分院を任されるようになってから、機能介護や解剖学に基づいた理論を学び、日々の治療に取り入れることで、徐々に手応えを感じていきました。免許取得から7年後、さらに引き出しを広げようと入学した柔整の専門学校では、今も「師匠」と慕う先生に出会い、軽い皮膚刺激によって体に影響を与える理学療法、触圧覚刺激法を学びます。「鍼灸」と「触圧覚刺激法」、そして治療を模索する中で出会った「AKA(関節運動学的アプローチ)」は、開業した今でも治療の三本柱だといいます。共通するのは、いずれもごく浅い、軽い刺激によって治療を行える療法のため、患者さんの負担が少ないこと。脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの痛み、しびれの治療を得意としており、口コミで他県からの患者が訪れることも。また、「最近はお灸がアツい」そうで、関節水腫やヘバーデン結節といった疾患には特に活用することが多いとか。熱くない、跡を残さない治療であれば若い人にも受け入れてもらいやすいといい、最初は怖がってガチガチだった仮性近視の小学生が、2度目からは親子共々喜んで来院するようになったのが印象的だったといいます。
現在考えているのは、自分の身に付けてきた治療を、他の治療家にも伝えていくこと。小手先の技だけではなく、治療の理論をしっかりと伝えるため、森ノ宮医療学園専門学校の「手技療法研究会」で指導を行うほか、治療家セミナーも開催しています。「患者さんにとって大事なのは治るか治らないかで、方法はどうでもいい。だからこそ、負担の少ない、良い治療を広めていくことが、患者さんの利益になるんです」と語ってくれました。
談 昌亮先生 平成11年、明治鍼灸大学(当時)卒業。同年はり師、きゅう師免許取得。平成21年、森ノ宮医療学園専門学校卒業。同年柔道整復師免許取得。45歳