全日本鍼灸学会第74回学術大会 鍼灸×フェムテックで新しい医療モデルを
2025.06.17
5月30日から3日間、全日本鍼灸学会(全日)の第74回学術大会名古屋大会がWINC AICHI(名古屋市中村区)にて開催され、1900人強が参加した。テーマは『女性のみかたⅡ-フェムテックによる女性のWell-beingに貢献する鍼灸』。
AIが鍼灸のEBMを変える
大会会頭講演では清水洋二氏(中和医療専門学校)は今回の裏テーマと前置き、新たな方法による鍼灸のEBM構築の展望について話した。従来は客観性・再現性・普遍性に基づく研究による自然科学的なアプローチが主流であるが、経験則や推測による機序を含む鍼灸は十分なエビデンスを得にくかった。ところが患者の主観的満足度、経験則による治療戦略などのビッグデータをAI解析する社会科学的アプローチにより、新しいEBMが扱えるのではないかと述べた。
現在フェムテックは経産省も推進する注目の成長産業であり、2025年度は世界市場5兆円規模に上るとの報告があるという。鍼灸とフェムテックの融合は新しい医療モデルになり得るとし、鍼灸による女性のQOL向上を社会実装できるよう業界を挙げ取り組む必要性があると訴えた。
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