全柔協、病院・診療所と連携
2020.01.10
―業団による「医接連携システム」始動―
全国柔整鍼灸協同組合(岸野雅方理事長、全柔協)が昨年12月より、医療機関と施術所が連携して地域医療に当たる『チーム医療』(医接連携システム)をスタートさせた。従来、近隣の医師と施術者が個別に関係を築き、連携しながら患者を診ることが多い中で、施術者団体として取り組む珍しいケースだ。
提携機関増で、対象地域拡大も
連携の流れとしては、施術者が医師の検査等を求めたい場合や他の症状・疾患が疑われる患者に遭遇した場合に、ご高診依頼(患者紹介)を提携の病院・診療所へ行う。検査・診断結果にもよるが、施術所から紹介された患者は、患者本人が希望する限り、施術所に「逆紹介」をする前提の下、治療を進めていくとしている。
今回の『チーム医療』を立ち上げた背景には、「柔整・鍼灸に理解のある病院を見つけられない」という施術者側の現状もあるようだ。全柔協の担当者は、「医療機関と施術所が連携することで、それぞれ得意分野で強みを発揮でき、新たな治療の形が確立できるほか、Win-Winの関係の構築によって、患者により良い施術が提供できる」と話す。
現在、提携病院・診療所は関西を中心に6施設で、既に施術所からご高診依頼が行われており、連携はスタートしている。全柔協では、『チーム医療』に関わるトラブルの対処に加え、施術情報提供書の書き方等の勉強会(医師監修)も実施し、スムーズな連携に向けたサポートを行う。実績を積み上げ、提携病院・診療所の数が増えていけば、対象地域も拡大する予定という。