鍼灸フェスタOSAKA2019 大盛況のうちに閉幕
2019.08.10
出展者55、来場者800人超
鍼灸業界最大級のイベント『鍼灸フェスタOSAKA』が7月14日、森ノ宮医療学園専門学校(大阪市東成区)で開催された。鍼灸用品メーカーなどの企業や諸流派の施術者団体、個人治療家やメディアなど55の業界関係者が出展。企業の商品紹介だけでなく小児はりやほうろく灸、様々な流派の体験型ブースも設けられた。雨天にもかかわらず800人超が来場し、大盛況のうちに幕を下ろした。
出展ブースとは別に、講演や実技など20ものセッションが行われた。本紙で『医療再考』を連載中の伊藤和憲氏(明治国際医療大学鍼灸学部長)は自身が提唱、実践している「養生場構想」を紹介。愛知県鍼灸マッサージ師会を中心としたメディカル・ツーリズムや、桐灰化学株式会社との共同による「健康温活プロジェクト(仮)」など、計画中のプロジェクトにも触れた。穴田夏希氏(神戸ゆうこう病院)と建部陽嗣氏(京都府立医科大学)は病鍼連携をテーマにトークを展開。在宅医療での経験から他職種との共通認識が必須だとし、特にADLや内部障害の知識は他職種とのコミュニケーションに欠かせないと説いた。実技では横山奨氏(アイム鍼灸院、東方会)が『シンプル鍼灸の可能性』と題して毫鍼による散鍼などを実演、北辰会の藤本新風氏は復元した古代鍼による施術を供覧した。
ホールではセイリン株式会社主催の「ライトニングトーク」が開かれ、治療家、学生、企業らが各自5分間のプレゼンテーションを行い、「鍼灸漫才」を披露した組も。また、本紙で『やわらか東洋医学』を連載しているかしはらたまみ氏の紙芝居も行われた。
鍼灸ファン? 一般の来場者も
「見たいものがありすぎて回り切れない。午前中から来ればよかった」と話したのは、関東から来たという鍼灸師。一方「音楽フェスに行くみたいに、自分でタイムテーブルを作ってきました」という来場者も。ある出展者は「ほかのイベントにない自由度で、出展する側も参加する側も楽しめると思います」と言う。一般人も来場しており、小児はりブースで娘を施術してもらったところその日は寝付きがよかったと話していた。出展者の一人、関東鍼灸専門学校副校長の内原拓宗氏は「とかく権威的、閉塞的になりがちな鍼灸業界内の現状において、かくも横断的で自由な雰囲気のイベントが成し遂げられたことについて、驚きを禁じ得ない」と語った。
フェスタ実行委員会は「参加した全ての人たちで作り上げた素晴らしい空間でした」と述べている。