鍼灸マッサージ助成制度でアンケート、金沢市が実施
2019.04.25
病院への通院回数減、体調好転 60%超
「枚数を増やして」「健康状態が良いと利用しない」などの声も
石川県金沢市が平成30年3月頃、同市のはり・きゅう・マッサージ施術費用助成制度を利用した市民及び市内の施術所に対してアンケートを実施していたことが分かった。同制度は満70歳以上、もしくは満65歳以上で一定の障害を持った市民に保険適用外の鍼灸マッサージ施術の助成を行うもの。市内の指定施術所で利用することができ、1回につき3,600円の施術を1,200円で受療できる助成券が最大で年18枚交付される。アンケートの対象は平成29年度助成券の交付を受けた市民300人、及び指定施術所85カ所。回答率は市民向けが70.3%、施術所向けが65.9%だった。
市民の回答では、助成券の枚数や自己負担の金額について「現行のままでよい」がいずれも過半数を占めた一方、「枚数を増やしてほしい」「1,200円は高い」といった声も複数あった。また、約30%が、交付された助成券をその後「利用していない」と回答。理由は「健康状態が良いので、施術を受ける必要がない」が半数に上り、あはき施術を「体調を崩した時に受けるもの」と考えている実態が浮かび上がった。
施術所向けアンケートによれば、施術ははり・きゅうが各90%前後と大半で、マッサージは約54%。時間は30分から60分前後が多く、施術内容は「個人の症状に合わせて決める」が約93%だった。「健康保険適用の施術に切り替わることがありますか」との質問には19施術所(約34%)が「ある」と回答。健康保険適用の傷病であった、施術の継続を希望されたなどを理由に挙げた。
金沢市鍼灸マッサージ師会会長の常盤和成氏は本紙の取材に対し、「『医療機関への通院回数が減った』『よい体調が続いている』の回答が、合わせて60%を超えています。金沢市にとって、医療費削減や市民の健康寿命延伸に鍼灸マッサージ師が大きく寄与できることが示された結果だと感じます。制度を多くの高齢者に利用して頂き、『未病治』の考え方を周知していきたいです」と話した。