日個連、療養費適正化講習会開く 柔整師団体のほか、厚労省や保険者も出席
2019.01.25
領収証発行・カルテ作成の重要性強調
岸野会長「意見違っても、話し合える場を」
全国の個人契約柔整師団体で構成される日本個人契約柔整師連盟(岸野雅方会長、日個連)が1月20日、柔整療養費の適正化に向けた講習会を大阪市内で開いた。200人を超える個人契約柔整師が集まったほか、日個連と同様に個人契約柔整師団体を束ねる全国柔道整復師連合会(全整連)の田中威勢夫会長らが来賓として出席。また、厚労省保険局医療課療養指導専門官の都竹克宜氏や保険者関係者も招かれた。
講演では、全国柔整鍼灸協同組合専務理事の上田孝之氏と同組合柔整保険局長の塚原康夫氏が登壇し、業界としての適正化方策を提案した。上田氏は、これまで多くの保険者との交渉・折衝をする中で、柔整師への信用が著しく損なわれていると感じてきたと説明。また、「行政による適正化」で受療抑制や療養費の取扱い高の減少が進み、早急に信頼を取り戻さなければ絶滅危惧種となってしまうと指摘した。昨年末には個別指導・監査の前哨戦ともいえる「柔整審査会による面接確認」の実施も決まり、施術ごとの領収証発行とカルテ作成を行うことが最も重要だとし、自らを守る武器にもなると強調した。塚原氏は、厳しい現状を勝ち残るには何よりも療養費請求に正当性が求められると説明。キーワードにカルテ整備・臨床力・会話術を挙げ、患者情報を得るための診察時のワークフローやコミュニケーション術を具体的に解説した。
その後、都竹氏が登壇し、参加者から事前に寄せられた質問に対して厚労省の見解が述べられた。10月からの消費増税への質問には、「来年度開催予定の柔整療養費検討専門委員会で決まる形になっているので、今は答えられない」と述べた。そのほか、亜急性削除後の支給対象や「面接確認」など20近い質問に回答した上で、「これからは業界も横の連携を図り、どこの団体でも同じような適正な請求ができるような適正化を業界全体として進めてほしい」と話した。
最後に、岸野会長があいさつに立ち「柔整業界は不正請求を問われて逆風が吹き、業界も自分たちの力を十分出しきれない状況を仲間内で作り出していると感じる。多くの団体がある中、それぞれ主張は違ってもいい。ただ柔整業界は一つでないといけないと思う。だから、とにかく一緒に話し合える、そういう場がほしくて今回の講習会を開いた」と締めくくった。